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アップトゥデイト、ワグネリアン、ファンタジスト…いま話題の馬たちのお話です

  • 2018年09月18日(火) 18時00分
職人

今週は話題の馬について、いろいろとつまみ食い…!?



レッツゴードンキに続く大物誕生?梅田厩舎から目が離せない!


 GIのトライアルレースが展開され、秋競馬らしい雰囲気に入ってきましたね。しかし全国各地に地震や台風、大雨などの影響が広がっています。

 日本を代表する馬産地、厚真町・安平町・新ひだか町などの皆さんは不安な日々を送られていることと思います。想像がつかないほどご苦労されていることと思います。これ以上、被害が広がらないように願っています。僕の愛馬オースミコスモの牧場も被害があり、停電が馬たちを不安にさせていたようですが、スタッフの懸命な努力で何とか無事に過ごせたと聞き、うれしかったです。

 健康で過ごせることが一番幸せだと感じてます。くれぐれも気をつけてください。

 ファンの皆さんが競馬場へ応援に駆けつけてくださるのが最高のエネルギーになると思います。みんなで応援しましょう。

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 今週は、話題の馬をいろいろかじっての取材です。

 まず15日に行われた阪神ジャンプステークス(J・GIII、芝3140m)。アップトゥデイト、単勝1.1倍の圧倒的な人気に応え見事な優勝、おめでとうございます。

 白浜騎手からはレース前に「前回の小倉サマージャンプではこの馬の良さを出し切れず空回りしてしまったので、今回はぜひ勝ちたい」と意気込みをお聞きしていたので、勝利の喜びも大きかったと思います。

 担当の佐々木助手にも、調教を終え馬道から上がってきた時に、話を聞いていました。

職人

圧倒的人気に応えて阪神ジャンプSを制したアップトゥデイト


常石 調子はどうですか?

佐々木 いい感じ。林騎手から白浜騎手に替わるけど小倉でも乗ったし、以前にも乗ってもらっているので安心して任せます。

常石 重たい斤量ですよね。

佐々木 62kg、それだけ強いと言う証やな(笑)。

常石 ホンマに強いですよね。ここで結果を残して、目標は12月22日の中山大障害ですね。

佐々木 順調だからやれる時にやっておかないとね。

常石 楽しみが膨らんできますね。今回は白浜騎手の重賞20勝もかかってるから…重賞20勝ってすごいですよね。

職人

佐々木助手「順調だからやれる時にやっておかないとね」


 結果は、白浜騎手とアップトゥデイトが堂々の優勝!「この馬で勝てて嬉しい、この馬に乗ることができ最高です!」と白浜騎手。重賞20勝目をあげ、涙を見せる雄造に胸キュンしたわ(苦笑)。おめでとう!!

 葦毛の馬体がキラキラしていたアップトゥデイト。これからも強い競馬で、さらに記録を更新してください。

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 今年のダービー馬ワグネリアンがユーイチ(福永騎手)を背に、神戸新聞杯の1週前追い切り。順調に来ています。スタッフとの打ち合わせも馬体チェックも順調、でしたが……

職人

▲▼神戸新聞杯の1週前追い切りを消化。ワグネリアンは順調に来ていますが…

職人

 ユーイチが落馬負傷のニュースにびっくり。落馬後もレースに騎乗している強いユーイチにも驚きです。詳しいことはまだわかりませんが、心配です。

 騎手としての技量だけではなく、メンタルや体力面もしっかりトレーニングしているので、すぐにターフに顔を見せてくれるでしょう。お大事にしてください。

職人

ターフに帰ってくるのを待ってます!ユーイチ!


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 続いては、小倉2歳Sを制覇したファンタジスト号を訪ねました。担当のとぎ(石へんに刑)屋助手に取材しました。

常石 連勝ですよね。おめでとうございます。落ち着いてる感じがしますが、入厩してきた時はどんな感じでしたか?

とぎ屋 ありがとうございます。入厩してきた時からちょっと大人びていましたね。入厩後、すぐにレースに使えたくらい落ち着いて手のかからないいい馬ですよ。まだまだ子供っぽいところもあるけど、イライラすることがないから、レース後も厩舎で過ごす予定です。

常石 入厩後すぐにレースに使えるのは、いいですね。顔を見ると幼く子供っぽいかなと感じますが、賢そうですね。鼻前で話していても関係なく黙々と飼い葉をしっかり食べているので、びっくりです。

職人

鼻前で話していても黙々と飼い葉を食べているファンタジスト


とぎ屋 あまり気にしませんね。集中するところがこの馬のいいところかな。普段の調教と追い切りは違いますが集中してしっかり走ってくれるので、競馬に行った時もこの集中力が強みなんでしょう。

常石 レースの時も3番手に控えてから徐々に外へ出し、残り1ハロンで先頭に立ってからは独走でしたね。俺もこの集中力ほしいな。ファンタジスト、教えてくれー(苦笑)。距離はどうですか?

とぎ屋 もう少し伸びてもやれると思う。ロードカナロア産駒ですし、まだ良くなると思います。

常石 それは楽しみですね。次走の予定はどうですか?

とぎ屋 11月の予定です。

常石 攻めも動くし、レース慣れしている感じがして、レベルが高いなと感じました。

とぎ屋 ありがとうございます。11月に無事に出走できるように大事に育てていきます。

常石 楽しみにしています。またよろしくお願いします。

 ちょうど、前原玲奈助手も見つけたので、さらに突っ込んで取材しました。

前原 普段はおとなしく手のかからない馬だけど乗りやすい。競馬に行くとスイッチが入って集中して、やる気になって走ってくれます。とっても頭のいい馬ですよ。6月に来た時からすぐに競馬に使えたくらい大人びていましたが、まだまだかわいいでしょう。レッツゴードンキも凄く頑張ってくれているのでどっちも楽しみですよ。

 ありがとうございました。梅田厩舎からドンキの後を追いかけるように、次の大物が走る感が漂ってきます。秋競馬は梅田厩舎から目が離せませんね。

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 ちょうど梅田調教師にも会え「ありがとうございます。また取材してもらえるようにがんばります」とメッセージをいただきました。

 笑顔がさわやかな先生にこの厩舎の強さの秘訣があるんだなー、と感じながら、気分よく厩舎を後にしました。

つねかつこと常石勝義でした。

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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