悔いの残る内容だったダービーから巻き返す/神戸新聞杯
◆遅咲きだったステイゴールドの産駒らしい成長力に期待
菊花賞出走をかけたセントライト記念で、「2009年ナカヤマフェスタ、2011年フェイトフルウォー、2012年フェノーメノ」。計3頭の勝ち馬を送っている種牡馬ステイゴールドは、同じ菊花賞トライアルのこの神戸新聞杯でも、「2007年ドリームジャーニー、2011年オルフェーヴル、2012年ゴールドシップ」の3頭が勝ち、合わせて6頭の勝ち馬を送ってきた。
実質13世代の産駒(現2歳は1頭だけ)を送り出したステイゴールド産駒の、男馬の平地GIホースはここまで計6頭。3歳秋の菊花賞に向かうレースを勝った6頭のうち、最終的にGIホースになれなかったのはフェイトフルウォーだけである。
残る牡馬のGI馬は、3歳秋に「札幌記念3着→菊花賞2着」と進んだのちの天皇賞(春)勝ち馬のレインボーラインであるから、ステイゴールド産駒でビッグレースを勝つことになった男馬は(その時期は前後するとしても)、みんな「3歳の秋」に菊花賞の有力馬になるくらいの成長力をみせた馬だけに限られるのである。さすが、ちょっと遅咲きだったステイゴールドの産駒らしい素晴らしい特徴というしかない。
今年の神戸新聞杯には、エタリオウ、ステイフーリッシュ、エポカドーロ(父オルフェーヴル)。ステイゴールド直父系の産駒が、これまでで最高の3頭も出走する。
エポカドーロは父と同じようにすでにクラシックホースでもあり、皐月賞1着、日本ダービー2着のレース運びから、すんなり先行できそうなここはまず凡走はない。
素直にエポカドーロから入る手もあるが、この頭数なら…の魅力は菊花賞への出走を確実にするため、M.デムーロ騎手を配してきたエタリオウ。
日本ダービーは、5着ブラストワンピース(9月の新潟記念を圧勝)と並んで、かなり悔いの残る4着だった。テン乗りだったH.ボウマン騎手が出負けしたうえ、ちょっと慎重に乗りすぎたかもしれない。
先手を奪ったエポカドーロが上がり3ハロン34秒7で2着にねばり、好位のワグネリアンが上がり34秒3で抜け出し、コズミックフォースが34秒7で二の脚を使って3着した中、猛然と突っ込んで0秒2差まで追い詰めたエタリオウの上がりは「33秒5」だった。上位の3頭を「0秒8〜1秒2」も上回ったから残念。この頭数で外回りの2400m。ミルコなら脚を余しての敗戦はないはずである。
ステイフーリッシュは、セントライト記念で猛然と伸びて3着したグレイル(父ハーツクライ)と同じシルバーレーンの牝系出身。春よりもう一回りパワーアップしていればこの馬も十分に通用する。