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「斤量」「落鉄」「上がり3ハロン」ユーザーからの素朴な疑問特集

  • 2018年10月02日(火) 18時00分
太論

▲今回はユーザーから届いた素朴な疑問に答えてくれました


今週の『太論』は、ユーザーから届いた競馬の素朴な疑問特集! 「斤量」「落鉄」「上がり3ハロン」などファンが気になるキーワードをピックアップ、それらにまつわる質問に小牧騎手が丁寧に答えてくれました。また、休養中に届いたファンからのメッセージを小牧騎手にお届けしたところ、「力になります」とニッコリ。復帰後初勝利も近い!?
(取材・文/不破由妃子)


ファンからのメッセージは力になるね


──今回は、競馬にまつわるこんな素朴な疑問から。まずは斤量を調整するために付ける重りについてですが、「馬の負担斤量に合わせてウエイトを付けるとき、たとえば5キロ付ける騎手と3キロ付ける騎手とでは、騎手にかかる負担が変わってくると思います。体重の軽い騎手が57キロとかの斤量の馬に乗る場合、そのぶんウエイトを多くつけることになりますが、騎乗に影響はないのでしょうか?」というものです。

小牧 最近は重りを人間に付けることはないので、騎乗に影響することはないです。

──以前はプロテクターの部分に入れたりしていましたよね?

小牧 そうやね。でも、最近は自分に付けてるジョッキーは見たことがない。鞍のところに入れるところがあるから、そこにみんな入れてるよ。もう十年以上前からそうやで。ジョッキーが鉛を入れてるのは昔の話で。

──そうなんですね。続いては、度々取り上げる“落鉄”についてのこんな質問です。「いつも楽しく拝読しています。『落鉄さえなければ…』というコメントをよく見かけますが、そんなに走りに影響するものなのでしょうか?」

小牧 馬の蹄は平らやから、鉄がついてると引っ掛かるからね。それがないとなれば、そりゃあ走りにくいとは思うけど。人間だって、靴を履いて走るのと裸足で走るのでは感覚が全然違うでしょ? まぁ、昔は運動会のとき裸足で走っとったけどね。

──えっ!? 小牧さんの時代は裸足だったんですか?

小牧 そうやで。裸足のほうが速く走れるんちゃうかっていうことで。自分で言うてて思ったけど、いつの時代やねん(笑)。まぁ馬と一緒にしたらアカンけど。

──以前、レース中に落鉄をしても、ジョッキーは気付かないっておっしゃってましたよね。

小牧 わからんね。「今日はいつもより伸びなかったなぁ」と思ったときに、レース後、落鉄していたと聞けば、「やっぱりそうやったんや」とは思うけど、レース中に気付くことはないね。とくにスピードが出ているときはまったくわからん。歩いているときなら気付くかもしれんけどね。ただ、それとは別に、馬の走り自体には影響はあると思うよ。

──続いては、「競馬でいう“キレがある”というのはどういう意味ですか? 上がり3ハロンが速いことですか? それともゴーサインが出たらすぐにトップスピードに入れる馬ですか?」という質問です。

小牧 それや、すぐにトップスピードに入れる馬。要するに、瞬発力がある馬っていうことやね。上がり3ハロンの数字そのものは関係ない。それはレースの流れに左右されるものやから。

──レース自体の上がりが35秒台のなか、33秒台の上がりを使えばスゴイ!となりますが、レース自体の上がりも速ければ、同じ33秒台でも大した価値はありませんものね。

小牧 そうそう。ペースが遅くて時計の出る馬場であれば、出走した馬の半分の上がりが33秒台なんていうレースもあるわけでね。それにしても、最近はそういうキレる馬に乗る機会がめっきり減ったなぁ(苦笑)。そういう馬に巡り合うためにも、まずは早くひとつ勝たんといかんね。最近は乗り鞍の数ももうひとつやし…。まぁ3場開催になれば変わってくるやろ。

──そうですね。『太論』にも、「焦らずに頑張ってください!」というメッセージがたくさん届いていますが、やはりファンのみなさんが待ちわびているのは、小牧さんのトップゴールですからね。

小牧 うん。この場を借りて…、休養中に届いたファンのみなさんのメッセージに目を通しました。ありがとうございます。やっぱり力になるね。

──では最後に、9月4日の台風21号について、こんな質問がきています。「台風21号のニュースで、滋賀県の草津市がニュースで映りました。草津市といえば、トレセンの近くですよね? 小牧騎手のご自宅近辺など、被害は大丈夫だったのでしょうか?」。

小牧 京都駅の屋根も落ちたりして、大変やったね。うちの近所のラーメン屋さんでも、デッカイ看板が落ちてしまってね。僕の家は大丈夫やったけど、本当に酷かった。

──確か電話取材をさせていただいた日ですよね。さすがの小牧さんも、おとなしくご自宅にいるんだなぁと思った記憶が。

小牧 いや、朝から風呂に行ってたよ。そのあとも、昼過ぎに家の近くの整体に行ったり…。

──お昼過ぎといえば、関西圏を直撃していた時間帯のような…。

小牧 そうやねん。ものすごい土砂降りのなか、整体のお店まで1、2の3で猛ダッシュや(笑)。

──小牧さん、やっぱりジッとしてないんですね…(苦笑)。

小牧 その整体のお店はガラス張りでね。外がよう見えるもんやから、スタッフがみんな怖がってた。もちろん、お客さんは僕ひとりやったけどね(笑)。

太論

土砂降りのなか、整体のお店まで1、2の3で猛ダッシュや(笑)

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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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