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父ロードカナロア、母ロンドンブリッジのキャノピーウォーク

  • 2018年10月03日(水) 12時00分
●オーラクルム(牡 栗東・須貝尚介 父ハービンジャー、母デグラーティア)
 母デグラーティアは新馬-フェニックス賞(OP)-小倉2歳S(GIII)と3連勝したスピード馬。3歳春から1年3ヵ月の長い休養を挟み、4歳夏に復活後、北九州短距離S(準OP)を快勝し、北九州記念(GIII)でも5着と健闘した。仕上がりの早さだけが武器だったわけではない。血統的に注目したいのはフジキセキとDeputy Ministerのニックス。

 この2つの血を近い世代に持つ馬は、カネヒキリ(ダートG1を7勝)、サウンドトゥルー(15年東京大賞典-G1などダートGIを3勝)、ホワイトフーガ(15、16年JBCレディスクラシック-Jpn1などダート重賞7勝)、ミラクルレジェンド(13年エンプレス盃-Jpn2、10年クイーン賞-Jpn3、12年マリーンC-Jpn3)、メイケイペガスター(13年共同通信杯-GIII)、カラフルデイズ(11年関東オークス-Jpn2)がいる。

 血統的背景がしっかりしているので繁殖牝馬としても優秀で、ドミナートゥス(6戦3勝で現在1600万下)を産んでいる。本馬はフォーアライター(6戦1勝)の全弟。同馬は脚部不安で3歳春のレースを最後に引退したが、無事ならば上のクラスまで出世していたであろう素質馬だった。兄が果たせなかった夢を弟が果たすことを期待したい。芝向きの中距離タイプ。

●キャノピーウォーク(牝 美浦・大竹正博 父ロードカナロア、母ロンドンブリッジ)
 母ロンドンブリッジはファンタジーS(GIII)を勝ち、桜花賞(GI)でも2着に逃げ粘った快速馬。繁殖成績は優秀で、これまでにダイワエルシエーロ(父サンデーサイレンス/04年オークス-GIなど重賞4勝)、ビッグプラネット(父ブライアンズタイム/05年アーリントンC-GIII、06年京都金杯-GIII)、グレーターロンドン(父ディープインパクト/18中京記念-GIII)、ダイワディライト(父アフリート/09年カペラS-GIII・2着)などの活躍馬を出している。また、孫の代からも菊花賞馬キセキが出現した。

 本馬の父ロードカナロアはキングカメハメハ系の名スプリンターで、種牡馬としても二冠馬アーモンドアイを出すなど大成功。2世代目は現在、2歳の総合種牡馬ランキングでトップに立っている。全姉ロンドンシーズンは2着が最高成績で引退したが、配合的にとくに問題はない。本馬は母が21歳時の産駒だが、馬のデキが良ければ兄姉に迫る走りが期待できる。芝向きのスプリンター〜マイラー。

●パピヨナージュ(牝 栗東・吉田直弘 父キングカメハメハ、母ピンクパピヨン)
 母ピンクパピヨンはクイーンC(GIII)4着馬。産駒はコンスタントに走っており、本馬の全兄にあたるカフナ(14年小倉大賞典-GIII・2着、13年目黒記念-GII・3着、11年ラジオNIKKEI賞-GIII・3着)、トウシンモンステラ(17年ダイヤモンドS-GIII・4着)、半兄にあたるマナクーラ(父シンボリクリスエス/準OP)など、出走を果たした11頭中7頭が勝ち上がっている。「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」の組み合わせは、ドゥラメンテ、ローズキングダム、ベルシャザール、トゥザグローリー、ソリタリーキング、ディアデラマドレ、エアスピネルをはじめ多くの活躍馬が誕生している。

 3代母Pink DoveはジャパンC(GI)優勝馬ゴールデンフェザントの半姉で、この牝系はスピードと瞬発力が持ち味。ベッラレイアやワイルドラズベリー、グランアレグリアなどが出ている。本馬は牝馬なので全兄カフナよりも決め手が出てくれば楽しみ。芝向きのマイラー〜中距離馬。

●ベストマジック(牡 美浦・手塚貴久 父Speightstown、母Glinda the Good)
 ブリーダーズCジュヴェナイル(米G1・ダ8.5f)を勝ち米2歳牡馬チャンピオンに選ばれたGood Magicの半弟。父はCurlinからSpeightstownに替わった。父Speightstownは現役時代にブリーダーズCスプリント(米G1・ダ6f)など重賞を4勝した一流馬で、04年に米最優秀スプリンターに選出された。日本で走った産駒はJRAで21頭中17頭が勝ち上がる堅実ぶりで、パワーを帯びたスピードが武器。

 日本ではリエノテソーロ(16年全日本2歳優駿-Jpn1、16年エーデルワイス賞-Jpn3、18年スパーキングレディー-Jpn3、17年NHKマイルC-GI・2着)をはじめ、マテラスカイ(18年プロキオンS-GIII)、ドスライス(11年クラスターC-Jpn3)などコンスタントに活躍馬を誕生させている。配合次第では芝もこなすタイプ。本馬は母の父がハードスパンなのでおそらくダート向き。母の父がDanzig系、2代母の父がMr.Prospector系なのでリエノテソーロと似ている。ダート向きのスプリンター〜マイラーだろう。

●ロジフェーヴル(牡 美浦・萩原清 父オルフェーヴル、母タマユラ)
 母タマユラはアイルランド産馬で、現役時代はわが国で走り、6戦して2着が最高成績だった。本馬が初子となる。一族にはCanford Cliffs(英愛でマイルG1を5勝)がいる。母の父Tamayuzの子は日本で2頭走り、タマユラのほかにマイネルエテルネル(12年小倉2歳S-GIII)が出ている。スピードと仕上がりの早さがあるので日本向きの血統だ。

 本馬の父はオルフェーヴル。初年度産駒からエポカドーロ(18年皐月賞-GI)、ラッキーライラック(17年阪神JF-GIなど重賞3勝)、ロックディスタウン(17年札幌2歳S-GIII)などを出している。これら3頭はいずれも母方にMr.Prospectorを持っている。本馬の母の父TamayuzはMr.Prospector系なので同じ配合パターン。なおかつ、母方の血には素軽さが感じられるので、重厚さが前面に出たオルフェーヴルには合うタイプの繁殖牝馬だろう。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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