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相手探しの一戦とみるのが正解!?/秋華賞

  • 2018年10月10日(水) 18時00分

■秋華賞(G1・京都芝2000m内)フルゲート18頭/登録22頭


【特注データ】〜レースデータより〜


 秋華賞のレースデータでもっとも目立っているのが、関東所属騎手の不振である。出走数はそれなりにあるのだが、トータル[1-2-0-55]で複勝率5.2%という絶不調ぶり。単勝適正回収値33.9、複勝回収値9と、回収率ベースの数値も異様なほどに低い。ここ3年に至っては、掲示板にさえ載れていない状況だ。

 ここを大きく割り引いて、関西所属騎手や外国人騎手を狙うのが秋華賞のセオリー。信頼度が高いのは「関西騎手×継続騎乗」のパターンで、連対率20.0%、複勝率27.7%をマークしている。また、単勝適正回収値141.6、複勝回収値207と爆発力のある「関西騎手×乗り替わり」のパターンも、積極的に狙っていきたいところである。外国人騎手は騎乗パターンを問わず「買い」といえそうだ。

【コース総論】京都芝2000m内 Aコース使用

・コースの要所!

★人気馬の勝率が高く順当決着傾向も、中穴が2〜3着に好走するケース多し。
★枠番の内外で大きな成績差なし。平均人気の差を考えると、外枠はかなり優秀。
★先行勢が優勢も上がり上位馬の好成績が目立つ。上のクラスでは差し優勢。






 一昔前は、荒れるG1レースの代表格であった秋華賞。近年になって順当決着傾向が強まってきたが、過去の結果を考えると、いつドカン!と荒れてもおかしくないレースといえそうだ。その要因となっているのが、最後の直線が328mと短い「内回りコース」で、桜花賞やオークスとは勝ち負けに要求される資質が大きく異なっている。

 まずは人気別だが、人気サイドの勝率の高さはなかなか優秀。1番人気は[15-7-5-21]で勝率31.3%と、キッチリ勝ちきっている。人気サイドの強さから大きな紛れはなさそうだが、データからは2〜3着に中穴が食い込む「ヒモ荒れ」傾向の強さも見受けられる。上位人気を過信すると痛い目にあうので、注意が必要だ。

 次に枠番データだが、こちらは意外に成績差なし。信頼度がもっとも高いのは内枠である馬番1〜6番で、枠番値がプラス圏内と内容も上々だ。ただし、平均人気の差を考えると内容がもっとも優秀なのは外枠で、13〜18番枠の連対率がトップというのは素晴らしい結果。人気を加味して評価に序列をつけるなら、「外>内>中」の順となる。つまり、外枠を理由に評価を割り引く必要はまったくない──ということだ。

 脚質面は先行勢が優勢も、注目したいのが上がり上位馬の好成績。上がり3F順位が2位以内だった馬は、トータル[6-6-4-9]で連対率48.0%、複勝率64.0%、単勝適正回収値252、複勝回収値214という驚異的な成績となっている。序盤〜中盤のラップが厳しくなるG1ではなおさら、中団から差す馬に展開が向きそうだ。後方からでも届かなくはないが、最後の直線が短い内回りコースだけに、追い込み馬の過信は禁物である。

【レース総論】秋華賞(G1) 過去10年

・レースの要所!

★3番人気以内馬が9勝をマーク。1着馬が紛れるケースは考えづらいレース。
★トータルで信頼度が高いのは内枠だが、勝率が高く爆発力があるのは外枠。
★先行勢と中団待機組の成績が拮抗。4角13番手以下から勝った馬はいない。
★トライアル上位馬が順当に強いレース。オークスからの直行は大幅割引か。








 レースの平均配当は、単勝707円、馬連3862円、3連複19万7616円。3連複平均だけ猛烈に高くなったのは、超大波乱だった2008年の影響である。それを除けば大荒れはないが、チョイ荒れはコンスタントに発生。「それなりに堅くて適度に荒れる」というのが、近年の秋華賞における配当面での傾向である。

 1番人気は[3-1-2-4]で連対率40.0%、複勝率60.0%とマズマズの結果だが、2〜3番人気がけっこう強く、3番人気以内馬が過去10年で9勝をあげている。2008年を「例外」と考えると、それ以外はすべて上位人気馬が勝っているわけで、今年も1着馬が大きく紛れるケースは考えづらい。また、ふたケタ人気の超人気薄も、2008年を除けばトータル[0-0-1-79]とサッパリの成績。大穴ではなく、中穴を狙ったほうがいいレースだ。

 枠番データについては、コースデータ同様の傾向が見受けられる。信頼度が高いのは内枠である馬番1〜6番なのだが、平均人気が8.3とダントツで高いのだから、当然といえば当然の結果といえる。内容が優秀なのは外枠である馬番13〜18番で、平均人気が10.5という低さであるにもかかわらず、勝率トップで回収率ベースの数値も超優秀。人気薄を狙うならば、外枠から差すタイプが面白い。

 脚質面で目立つのが、後方待機組の不振である。4コーナーを13番手以下で回った馬はトータル[0-3-0-49]と、2着にくるのが精一杯。最後の直線が短い、内回りコースの影響がモロに出ている印象である。先行勢と中団待機組の成績が拮抗しているが、勝率や連対率の差を考えると、「差し優勢」とのジャッジが適切。「差し→先行」が、もっともイメージしやすい決着パターンだろう。

 前走クラス別成績で注目すべきは、前走G1組が一度も勝っていないという点だ。アーモンドアイやラッキーライラックがこれに該当するが、前哨戦を順調に消化してきた組のほうが強いのは明白。ちなみに、オークス→秋華賞のローテで過去に勝った馬は、2001年のテイエムオーシャンと2006年のカワカミプリンセスだけ。1996年には、あのエアグルーヴが10着に大敗している。当時とは外厩で仕上げられるレベルが違うとはいえ、気になるデータである。

 最後に小ネタだが、秋華賞を勝った馬の80.0%、3着以内に好走した馬の70.0%が「前走プラス体重」だった。つまり、ローズSや紫苑Sといった前哨戦に、プラス体重で出走しているということだ。また、好成績である「前走プラス体重」組のうち、秋華賞でもプラス体重だった馬は複勝率と複勝回収値が、マイナス体重だった馬は勝率と連対率が高いという傾向があるので、覚えておいて損はない。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 引き続きAコース。開幕週からけっこう差しが決まっていた印象。

・天候予測
 ハッキリしない天候が続くが降雨はなさそうな見通し。良馬場前提で。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ルーラーシップ産駒○、ハーツクライ産駒▲、ハービンジャー産駒△

 先週に引き続き、今週もAコースが使用される京都芝コース。開幕週からけっこう差しが決まっていた印象で、明らかに前有利という馬場バイアスではない。内外についてもそれほど大きな差は感じられず、かなりフラットな状況といえそう。脚質や枠番を気にせずレースが楽しめる、絶好のコンディションとなりそうだ。

 血統面は、ディープインパクト産駒など4種牡馬の産駒をプラスに評価。下手すると出走馬の大半がプラス評価の対象となりそうだが、コース適性の低い種牡馬の産駒を割り引く──と考えれば、これはこれでアリか。

★出走登録馬 総論×各論

 桜花賞、オークスを破格の内容で制したアーモンドアイ。現役最強馬との評も聞こえてくるほどで、牝馬三冠達成へ向けて、ここは取りこぼせない一戦となりそうだ。迎え撃つは2歳女王ラッキーライラック、ローズSを制したカンタービレ、同2着のサラキアなどだが、逆転まではどうか──というのが現在の雰囲気。アーモンドアイが単勝オッズ1倍台の圧倒的支持を集める可能性が高そうである。

 当データ分析のトップ評価も、アーモンドアイ。オークスから直行というローテなど、ケチをつけようと思えばつけられるが、同世代が相手では絶対能力が違いすぎる──というのが最たる理由だ。また、コレという新勢力の台頭が見られなかったというのも、本馬をトップ評価とした理由のひとつ。オークスのように好位で流れに乗る競馬ができれば、勝ち負けになって当然だ。

 二番手評価にサラキア。育成段階から非常に評価の高かった馬で、春にもフローラSで4着、白百合Sで2着など力を見せていたが、夏を越して少しずつ芯が入ってきた。鞍上が池添騎手の継続騎乗となったのも、データ的には歓迎材料といえる。完成するにはまだ時間を要しそうだが、素質は間違いなく一級品。序盤でいい位置が取れるようなら、この相手でも勝負になる。

 三番手評価にラッキーライラック。こちらもオークスからの直行が大幅割引材料だが、その地力が世代上位であるのは証明済み。安定したレース内容で常に上位争いに持ち込んできた実績は、やはり高く評価すべきものだ。リリーノーブルがいないとなると、アーモンドアイに実績面から張り合えるのはこの馬くらいのもの。ただし、鞍上の乗り替わりは少し割り引いて考えるべきだろう。

 以下はカンタービレ、ミッキーチャーム、オールフォーラヴ、ラテュロス、プリモシーン、サトノガーネット、ダンサールという評価の序列。アーモンドアイの相手を少しひねりたいところだが、レース傾向からふたケタ人気の超人気薄は推しづらい。今年の出走メンバーだと、それなりに順当な結果となる可能性が高いはずで、基本的にはアーモンドアイからの相手探しとなりそうである。


■総論×各論・先週の馬券回顧



東京11レース 毎日王冠(G2)
1着 09アエロリット
2着 05ステルヴィオ
3着 01キセキ

逃げ切りは読めてた(#^ω^)ビキビキ

いかにも楽な組み合わせで、09アエロリットの逃げ切りは読みやすかったデスヨネ。問題は2〜3着で、期待した02ケイアイノーテックと04サトノアーサーが、どっちも意外に伸びなかったという。う〜む、今週あたりから再び「秋の外国人ジョッキーまつり」が始まりそうな予感がする(寒気)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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