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圧倒的な人気馬をどう扱うか…前残りによる穴馬を期待してしまう秋華賞

  • 2018年10月12日(金) 18時00分

一強ムードに打ち勝つ馬はいるのか!?


 今年の秋華賞はどうしても、アーモンドアイをどう扱うかというところから発想せざるをえないだろう。オークスからのぶっつけは前例の多いものではないが、とりたてて状態面での不安が無いならば買わざるをえない。

 秋華賞は京都内回りコースなのでどうしても前残りによる穴を期待してしまうが、実際には差しタイプが多く馬券に絡んでいる。4角最後方のような極端な話にならない限り、馬券には絡んでくると見る。

 ただ、圧倒的な人気馬だけに、3連単で1着固定してもメリットは薄い。まさかの差し遅れにも対応できるよう、3連複の軸でよいのではというのが個人的な考えだ。

 本来打倒アーモンドアイの一番手であるべきラッキーライラックは、自身が予定のローテを消化できず、しかも直前に乗り替わりということになってしまった。流れは正直良くないが、地力でいえばこの馬が2番手であることは間違いない。位置取りの差を生かしてどこまで対抗できるか。

 ローズSはカンタービレが制したが、今回は逃げ先行タイプがやけに多い。同じような展開にはならないと考えると、2、3着のサラキアやラテュロスのほうを重視するという手もある。サラキアは血統のポテンシャル、ラテュロスはキャリアによる経験値が魅力。穴という点では、ラテュロスのように一見伸びシロが少なく見えるキャリア8戦以上馬のほうが、過去の秋華賞では穴になっている。

 ゴージャスランチもまだ見限れない。前走はもっと粘ってほしかったようにも思うが、それでも4着。前に行かねばならないと決まった馬でもないし、安定味は成績が示す通り。人気落ちならヒモ穴にはもってこいだ。

 今年はローズSがオークス1〜5着馬不在で行われたので、本来なら紫苑S組にチャンスがあってもおかしくない巡り合わせ。しかしこちらはこちらで1、2着馬が本番不出走ということになり、戦力ダウン、紫苑S組で本番好走するのはだいたい関西馬なのでランドネに期待する手はあるが、こちらは前述した逃げ・先行馬の多さに悩みそう。

 血統だけなら紫苑S4着のパイオニアバイオが魅力。母アニメイトバイオは秋華賞2着馬。全体的にキレ味には欠く血統だが、そのぶん上がりのかかる競馬になったら浮上する。脚質的にアーモンドアイとセットになりやすいようにも思う。

 その他では、まずプリモシーン。マイルにこだわって使われてきたことを考えると少し距離が長いのかもしれないが、血統の字面そのものでは2000mをこなせるはず。この馬もサラキア同様、血統のポテンシャルは侮れないものがある。

 ミッキーチャームはその昔よく馬券に絡んだ上がり馬タイプの前走1000万条件組だが、近年そのタイプはそれほど来ていないし、この馬も脚質のバッティング問題がある。着差もつけてきて勢いは魅力なのだが、扱いはあくまでオッズ次第と考えたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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