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馬の活躍は担当者次第? 小牧騎手が思う腕利き厩務員とは

  • 2018年10月16日(火) 18時00分
太論

▲今回はユーザーからの質問3連発にお答え


10月11日、名古屋CCマース賞をニホンピロメリーナで圧勝し、復帰後初勝利を飾った小牧騎手。これを契機に、中央での流れも変わってきそうな予感! さて、今週の『太論』は、ユーザーからの質問3連発。「担当する厩務員さんによって馬が変わる?」という興味深い質問に、はたして小牧騎手の答えは!?(取材・文:不破由妃子)


「どう乗ったら一番楽なの?」──馬に聞いてみたいね


──今回は、小牧さんが騎乗された新馬についてのこんなリクエストから。「オルフェーヴル産駒のシーシャープに注目しています。新馬戦は8着(9月22日・阪神5R・芝1600m)でしたが、小牧騎手が感じた将来性を教えてください」

小牧 ああ、あの馬はね、ダートでデビューする予定で、ずっとダートの1400mを待ってたんですわ。それが17分の1の確率で抽選にもれてしまってね。

──17分の1とはそれはまた…。この質問には続きがありまして、この方も「素人意見で申し訳ないのですが、ダートのほうがいいのかなと思いまして、小牧騎手のご意見を伺いたいです」と。

小牧 うん、芝でもいい位置に付けられたけど、現状はダートのほうがいいと思う。血統的にもね、お母さんのフロムスクラッチがダートで走っていた馬だから(ダ1000m〜1200mで3勝)。走ると思うよ、あの馬は。

──8月末に坂路で乗ってらっしゃいましたね。そのときもいい時計が出ていましたが、新馬戦の最終追い切りは4F51秒6。新馬の好時計は信用できると言いますから、素直に期待できそうですね。

小牧 そうやね。走ってくると思うわ。まぁ次も僕が乗れるかどうかはわからんけど、ダートでぜひ乗ってみたいね。

──続いては、「担当する厩務員さんによって馬が変わると聞いたことがあります。それは本当ですか? 小牧騎手が思う腕利き厩務員(持ち乗り助手)とはどんな人ですか?」という質問です。

小牧 ん〜、どんな人と言われても…、仕事のやり方は人それぞれやからね。ただ、担当者によって馬が変わるっていうのは本当。やる人によって全然違うよ。

──なかなか表には出てきませんが、担当者が変わって走り出した、あるいはその逆のケースも珍しくない。

小牧 うん。厩舎のシステムにもよるけど、一度実績を出すと次もいい馬が回ってくるっていうのもあると思う。そうすると、必然的に勝つ人が決まってくる。細かい仕事内容まではわからんけど、腕利きと言われる人たちは、やるべきことをきっちりやってる印象があるね。もちろん、みんな頑張ってるけどね。

──小牧さんも、厩務員さんや持ち乗り助手さんと密にコンタクトを取ったりされるんですか?

小牧 ケースバイケースやね。ただ、飼い葉を食べているかどうかは聞くし、あとは僕が乗った感じで疲れているなと思う体の箇所があれば報告するし。そこは報告したりされたりやね。他愛のない会話かもしれんけど、そういうのが大事になってきたりするから。

──最後にモレイラの騎乗スタイルについて。「以前、太論のなかで『あんなふうに乗りたい』とお話されていたような記憶があるのですが、同じジョッキーである小牧騎手から見て、モレイラ騎手の特徴はどういうところですか?」

小牧 やっぱりブレないところじゃないかな。キレイですやん。無駄に動かへんしね。馬も走りやすいんじゃないかな。

──たしかに、初めてモレイラが短期免許で乗りにきた当時、「あんなふうに乗ってみたいなぁ」とおっしゃってましたね。とくに馬との距離が近い姿勢の低さに注目されていたような。

小牧 それもブレないからこそできる姿勢やと思う。もちろん、あんなふうに乗れたらいいなと思うよ。でも、30年以上も自分のスタイルで乗ってきたらね、そんなに簡単には変えられへん。自分と何が違うのか、勉強する意味で注目はしてるけどね。いつも言うけど、馬に聞いてみたいよ、「何が違うの?」「どう乗ったら一番楽なの?」って。まぁそれがわからんのが競馬の面白いところなのかもしれんけどね。
太論

馬に「何が違うの?」って聞いてみたいよ

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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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