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枠番と馬番の両方から絞り込め!/天皇賞・秋

  • 2018年10月21日(日) 18時00分

■天皇賞・秋(G1・東京芝2000m)フルゲート18頭/登録15頭


【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口


 天皇賞・秋のわかりやすい特徴が、明らかに5歳以下馬が強いという点だ。6歳以上馬もけっこう出走しているのだが、過去10年のトータル[1-0-1-71]で連対率1.4%、複勝率2.7%、複勝回収値5という惨憺たる成績。6歳以上であるのを理由に、バッサリ「消し」で勝負してしまえるほど期待値が低い。充実期にある4歳馬や、完成された5歳馬を狙うべきレースであるのは間違いない。

 そして、まったく知られていないが超強力なネタが「馬番」である。簡潔にいえば、天皇賞・秋は偶数馬番のほうが圧倒的に強いレース。過去10年のデータを掲載したが、この傾向はグレード制が導入された当時から現在まで続いているものだ。偶数馬番と奇数馬番で、その信頼度に2倍近い大差が出ているのだから驚きである。

 この傾向が顕著なのが人気薄で、「奇数馬番かつ6番人気以下」だった馬はトータル[0-0-0-61]と全滅。つまり、過去10年に6番人気以下で好走した馬は、すべて偶数馬番だったということだ。ここまで長期にわたって継続している傾向となると、単なるデータの偏りではない可能性が大。そこには必ず、何らかの理由があるはずである。

 ちなみに、「5歳以下かつ偶数馬番」という単純なフィルタリングでも、トータル[7-5-7-31]で連対率24.0%、複勝率38.0%、単勝適正回収値152.0、複勝回収値119という衝撃的な数値が出てくる。この条件をクリアした馬は、それだけで買う価値アリ。具体的にどの馬になるかは不明だが、人気でも穴でも積極的に狙っていきたい。



【コース総論】東京芝2000m Bコース使用

・コースの要所!

★1番人気の内容が超優秀。勝率の高さは驚異的なほどで素直に買いが正解。
★フルゲートの外枠は信頼度がガクンと落ちる。内枠有利ではない点に注意。
★差し優勢のコースで決め手の有無が問われる。「差し→先行」決着を想定。





 スタート直後に急カーブという、特殊なコース形態でよく知られる東京芝2000m。いかにも外枠が不利そうで、実際やはり外枠がものすごく不利という、いささか公平さを欠くコースである。クセのない芝1800mとは大違いで、レース序盤のポジション争いで、かなりゴチャつくのが特徴。馬も騎手も、ここではメンタルの強さが求められそうだ。

 しかし意外にも、1番人気馬の強さはかなりのもの。[13-2-1-9]で勝率52.0%、単勝適正回収値135.2という素晴らしい成績を残しており、その信頼度はきわめて高い。それ以外では、7〜9番人気や13番人気以下の複勝率の高さが目立つ程度。1番人気を素直に信頼し、そこからのヒモ荒れを狙うのが儲けやすそうなイメージである。

 枠番データでは、やはり外枠の不振が目立つ。外枠である馬番13〜18番は、複勝率こそ大きな差はないが、勝率や連対率は大きく見劣る結果に。特殊なコース形態を考えると当然の結果で、外枠に入った馬は、ヒモでは拾えても軸には取りづらい面がある。また、内枠有利ではないという点も要注目。内容がいちばん優秀なのは、中枠だったりする。

 東京芝らしく、脚質はハッキリと差し優勢。信頼度の高さはもちろんのこと、回収率ベースの数値まで中団待機組がトップというのは、かなり珍しい。また、上がり3F順位の上位馬が好成績であるのも、差し優勢のコースであることを裏付けるデータ。パターン的には「差し→先行」や「差し→差し」決着を前提に、買い目を構築すべきだろう。

【レース総論】天皇賞・秋(G1) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気は複勝率90.0%をマーク。人気サイドが強いが4〜6番人気も好内容。
★やはり外枠はかなり不利。コースデータと同様に、中枠の好内容も目立つ。
★コースデータ以上に差し優勢。最速上がり馬は爆発力の高さも申し分なし。
★ここにぶつけてくる牝馬は買いが正解。外国人騎手へのスイッチも好成績。







 紛れそうで意外に紛れないのが、近年の天皇賞・秋。1番人気が[5-2-2-1]と毎年のように好走しており、さらに2番人気も[0-4-2-4]と高信頼度なので、基本的には順当決着傾向が強いレースといえる。穴から入るならば、トータル[4-1-3-22]で勝率16.7%、単勝適正回収値149.3をマークしている4〜6番人気など、中穴狙いがオススメ。極端な大穴狙いはオススメしかねるレースである。

 まずは枠番だが、やはり外枠はかなり不利。今年のように出走頭数がフルゲートを割り込む場合でも、外枠がプラスに働くことはないはずだ。平均人気も低いが平均着順の低さはそれ以上で、複勝回収値25、ギャップ値マイナス0.7と回収率ベースの数値も低調。もっとも「買い」といえるのは内枠ではなく、中枠である馬番7〜12番となった。

 脚質についても、コースデータとほぼ同じ傾向が見受けられる。ハッキリと差し優勢で、最速上がり馬は[5-3-4-3]で連対率53.3%、複勝率80.0%と超高信頼度。単勝適正回収値264.2、複勝回収値224と爆発力も十分で、速い上がりは大きな武器となる。また、人気薄で好走した馬も、そのほとんどが差し・追い込み勢。先行勢は人気馬しか買えないというのが、近年のこのレースである。

 前走レース別では、宝塚記念からの直行組が好成績。逆に大不振なのが前走オールカマー組で、[0-0-0-27]と全滅している。今年はアルアインとレイデオロがこれに該当するが、人気ほどに信頼が置けるかどうか、疑わしい面がありそうだ。あとは、牝馬が好成績を残していることや、外国人ジョッキーへの乗り替わりが大きなプラス材料であるのも、覚えておいて損はない。

【血統総論】


 ここでプラスに評価したのは、ディープインパクト、キングカメハメハ、ハービンジャーの産駒。いずれも複勝率30%と以上と高信頼度で、高いコース適性を備えているのは間違いない。とはいえ、ディープインパクト産駒はギャップ値マイナス1.1と過剰人気で、妙味に欠ける面がありそう。信頼度はやや落ちるが、そのぶん回収率ベースの数値が高いハービンジャー産駒を上に取るのも面白そうだ。

★天皇賞・秋 総論×各論

 15頭が登録してきた今年の天皇賞・秋だが、ワグネリアンが回避を発表しており、最高でも14頭と少し寂しい頭数となった。しかし、古馬の大将格であるスワーヴリチャードに、宝塚記念を制したミッキーロケット、オールカマーを快勝してきたレイデオロ、札幌記念で距離延長にも対応してみせたサングレーザーなど、本当に粒ぞろい。ハイレベルな一戦が期待できそうである。

 枠番や馬番といったファクター「抜き」での話になるが、現時点でのトップ評価はサングレーザーだ。札幌記念1着からのローテや血統などのプロフィル面も魅力的だが、何より大きいのがモレイラ騎手が乗り替わり騎乗する予定である点。外国人騎手への乗り替わりが強力な買い材料であるのは前述した通りで、今年の登録馬でこのパターンに該当するのは、おそらく本馬とステファノスの2頭だけだ。

 二番手評価はスワーヴリチャード。安田記念で勝ち馬から僅差の3着に好走したのは、個人的にはかなりの驚きだった。マイルでも通用するスピードがあるとなれば、ここでの信頼度はがぜん増してくる。東京芝で4着以下なしというコース適性の高さや、左回りを得意としているのも強調点。ここまでの調整過程が順調であるのも心強い。

 三番手評価にヴィブロス。ワグネリアンの回避により、宝塚記念に続いて福永騎手が手綱を握ることになった。この夏は、北海道に戻ってしっかり充電。帰厩後の動きには、立て直された効果が十分に感じられる。牡馬と比較しても遜色ない地力を有している上に、2000mへの距離短縮もプラス。牝馬が強いレースで、その力を見せてくれそうだ。

 四番手評価はディアドラで、こちらも牝馬。府中牝馬Sからのローテとなると、本当に出走してくるかどうか定かではないが、前走で見せたキレ味の鋭さは「脅威」のひと言だった。末脚のキレ味が大きな武器となるコースで、あとは流れが向けば、ここでも勝ち負けに持ち込めるはず。ハービンジャー産駒というのも魅力的である。


■総論×各論・先週の馬券回顧


ガイアがもっと負けろと囁いている(#^ω^)ビキビキ

というわけで、リニューアル後も「ビキビキ回顧」は継続。せっかくなので、馬券の対象を人気薄に絞ったほうが面白いかな〜とか、アレコレ考え中です。せめてもう少し当てたいところですが、堅く当てに行く方向に振っても面白くないだろうし。3連単1点に万張り……はさすがにやりすぎだな(錯乱)。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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