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争覇圏に入る有力馬多数、波乱含みのレース/富士S

  • 2018年10月19日(金) 18時00分

過剰人気に注意、伏兵馬に注目


 争覇圏に入る有力馬の多い好カード。京成杯AHで快走した牝馬ワントゥワン(父ディープインパクト)は、今回J.モレイラが騎乗する。この牝馬、海外出身の騎手が乗るとなんと【4-2-1-1】。素晴らしい好成績を残しているので、モレイラなら好走必至。ただ、異常に売れる危険がある。

 伏兵クルーガー(父キングカメハメハ)に期待したい。4歳初期までずっと1800m以上に出走してオープン入りすると、初の芝1600mになった16年の京都の「マイラーズC」を1分32秒6で勝ってみせた。

 そのあと残念ながら膝を骨折して1年も休んでいる。その長期休養明けの一戦は凡走したものの、それを別にするとマイル戦は【1-1-1-2】。6歳馬ながら通算16戦【5-3-3-5】、まだ底をみせていない魅力がある。

 昨17年の「富士S」は今回と同じように春以来6カ月の休養明けとなったが、不良馬場のなか、出負けしながら追い上げて3着(11番人気)。渋馬場巧者ぶりを発揮して快勝したエアスピネルと0秒4だった。

 今年も軽度の骨折明けのため長期休養後の一戦となったが、それだけに入念に乗り込んで仕上がっている。最終追い切りの栗東坂路で最後の1ハロン楽々と11秒8。ダイナミックに伸び余力十分だった。

 ふつうは6歳になって長期休養明けとなると狙いにくいが、芦毛のドイツ産の母アディクティドはドイツの芝1600mのGIII勝ち馬にとどまったものの、タフなマイラーを送る牝系。母の父ディクタット(その父ウォーニング)は、日本で種牡馬として供用された2年間の成績こそ平凡だったが、2000年の安田記念2着など【7-2-1-4】。スピード能力を伝える。

 少し渋ったコンディションの方が脚元のためにもいいかもしれないが、初のマイル戦を1分32秒6で乗り切っているのだからスピード競馬は大丈夫。

 枠順が決まったらなんとワントゥワンの隣で同じ6枠。穴狙いでクルーガーから流したあと、買うかどうかはともかく、押さえに枠連の人気も見てみたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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