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精鋭揃いのホッカイドウ競馬勢が優勢か/北海道2歳優駿

  • 2018年10月31日(水) 18時00分

この一戦で好成績を残した馬はその後も活躍できる傾向


 11月1日(木)門別競馬場で行われる『第45回北海道2歳優駿』。1997年にダートグレード競走(JpnIII)に格付けされてから昨年までJRA勢11勝、ホッカイドウ競馬勢10勝と互角の戦い。加えて過去3年の上位の成績を見ると昨年は3着サザンヴィグラス、5着ヤマノファイト。2016年は2着ヒガシウィルウィン、3着スウィフトハート、4着ストーンリバー。2015年は1着タイニーダンサー、2着スティールキングと、ホッカイドウ競馬勢で上位にきた馬たちはその後のダート戦線でも活躍しており、今後を占う一戦です。

 地元門別競馬場での経験値が高いホッカイドウ競馬勢。中でもステップレースであるサンライズC組からご紹介しましょう。ちなみに2013年はサンライズC1着のハッピースプリントが制覇。2016年はサンライズCで1、2着だったヒガシウィルウィンとスウィフトハートが北海道2歳優駿で2、3着。昨年もサンライズCで3着だったサザンヴィグラスが3着と上位に来ています。

 サンライズCで1番人気だったウィンターフェル。直線ではマイコートとの一騎打ち。激しい叩き合いの末、首の上げ下げでハナ差2着に敗れましたが、3着には7馬身差。ここまでの成績は芝を使った8月のコスモス賞(札幌・芝1800m・OP)7着を除くと、門別で【3-2-0-0】と連対率100%。メンバー中唯一の3勝馬。デビュー2戦目で挑んだ6月の栄冠賞ではイッキトウセンの2着。相手にJRA勢も加わりますが、念願の初重賞制覇を目指します。

 イグナシオドーロは7月のブリーダーズゴールドジュニアCを人気薄8番人気で勝利し波乱を演出。しかしその勝利は決してフロックではなく、その後も9月のウィナーズチャレンジ5で2着、前走サンライズCでも3着。いずれのレースでも逃げて上位争いに加わっており、今回も展開のカギを握る存在。北海道2歳優駿を2勝(2009年ビッグバン、2015年タイニーダンサー)している角川秀樹厩舎が送り出す期待の1頭です。

 栄冠賞を制したイッキトウセンにも注目。前走サンライズCでは「気の悪いところを見せレースにならなかった」と陣営がコメントしており、ブリンカー着用の今回は変わってくるはず。本来の力発揮で、改めての走りに注目です。

 そして忘れてはいけないサンライズCの勝ち馬マイコート。逃げるイグナシオドーロを2番手から徹底的にマークしての勝利。力が無くてはできないレース。連勝を狙います。

 別路線で注目は牝馬・スズカユース。前走フローラルCでは鮮やかな差し脚を繰り出して重賞初制覇。こちらも8月のクローバー賞(札幌・芝1500m・OP)6着を除けば門別で【2-2-0-0】。牡馬相手になりますが、この馬にとって外回り1800mになるのは好材料。ホッカイドウ競馬におけるシーズン最多勝利記録を更新した田中淳司厩舎。人馬ともに目が離せません。

外回り替わりはプラスなスズカユース(写真は18年クローバー賞のパドック時、撮影:高橋正和)


 JRA勢では地方競馬の名牝ロジータの孫・トイガーに注目。母アクイレジアは2004年の関東オークス、ジャパンダートダービーともに2着。伯父カネツフルーヴも2002年帝王賞、2003年川崎記念を制している血統。自身はデビュー3戦目で未勝利を勝ち上がりましたが、血統的には地方競馬のレースはいかにも合いそう。初めてのナイター競馬への対応など未知の部分は多いですが、ここで良い競馬ができれば大きく未来が開けそうです。

トイガーの母系はいかにも地方交流重賞を走りそうな血統(写真は18年京都未勝利戦優勝時)


 ミヤケは今回が初ダート。やってみなければわからない部分が多いですが、鞍上はクリストフ・ルメール騎手。北海道2歳優駿は一昨年エピカリスで制覇。現在、JRAのGIを3週連続勝利中で、この勢いは止められない?!

ルメール騎手の勢いで急浮上のミヤケ(写真は18年小倉未勝利戦優勝時)


 そのほか前走・初ダートで変わり身を見せ、初勝利を挙げたイルジオーネとテイエムアカリオーも参戦。キャリアは少ないもののダートでの躍進を目指します。

前走1番人気に応えたイルジオーネ(写真は18年中山未勝利戦優勝時、撮影:下野雄規)


ダート初戦の前走で穴を開けたテイエムアカリオー(写真は18年東京未勝利戦優勝時、撮影:下野雄規)


 2013年のハッピースプリント、2014年のディアドムスは続く全日本2歳優駿も制覇。昨年の覇者、ドンフォルティスは全日本2歳優駿2着と、全日本2歳優駿に直結する戦い。さらに来年のダートクラシック戦線へ向けても見逃せない重要なレースです。未来のスターホースはどの馬か?!馬券検討にも力が入ります。

※次回の更新は11月22日(木)18時。翌日に浦和競馬場で行われる「浦和記念」のコラムをお届けします。

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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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