スマートフォン版へ

地方馬と中央馬の競演「JBC競走」、有力馬の追い切りチェック!!

  • 2018年10月31日(水) 18時00分

京都開催が鍵に、調教方法の変化にも注目


 先週は「展開を読み切りたい」と宣言していた天皇賞・秋。◎アルアインが能力を発揮できる流れになることを予想できたのはよかったのですが、キセキを交わすことができないというのが最大の誤算。結局、またお詫びしなくてはいけない結果となってしまいました。

 今週はJBC3競走。これに加えて、芝重賞が3つ行われます。そして今週から開催が替わり、福島競馬も始まるという状況。気持ちも新たに、しっかり予想していきたいと思いますが、JBCは普段はG1が行われない舞台だけに、調教適性での予想は本当に難しくなりそうです。

【JBCクラシック/ケイティブレイブ】

 京都ダート1900mという舞台は2017年平安S以来。当時とは厩舎が違えば、馬の残した実績も違います。そこをどのように判断するかになりますが、個人的にはJRAダートでは未勝利と500万下の2勝しか挙げていない点をどう評価するかだと思います。

 たとえば調整方法。地方交流になれば、週中でのレースになるため、調整パターンがJRA競走の最終追い切りが水曜、木曜でレースが週末というパターンとは異なります。これが合うのかも知れませんし、単純に地方のダートが合うのかも知れません。過去3戦の交流重賞が日曜日に坂路15-15程度の最終追いだったのに対し、フェブラリーSでは坂路4F51.6秒という時計を出していました。平安S時が坂路4F53.5秒。状態が悪いというわけではなく、これまでの勝ちパターンとは変えざるをえない調整で高い評価はできません。

ケイティブレイブ

地方交流時と調整方法が異なることが気になるケイティブレイブ(10月30日撮影)


【JBCクラシック/サンライズソア】

 平安SでJRAのダート重賞を勝利。前走は57.5キロというハンデ、休み明けという条件を克服しての3着ですから、決して悲観する内容ではないと思います。そもそも不良馬場には実績がありませんし、いろんな意味で今回の方が前走以上と期待できる条件だと思います。

 ただ、最終追い切りの動きが地味すぎました。時計が坂路4F55.7秒だったこともそうですが、にもかかわらず後半2Fの時計も遅い内容。ウッドチップの入れ替えで時計を要する馬場状態だったことは確かですが、それにしてもどうなんだろうと頭を悩ませる時計。無印にはできない存在ですが、だからといって中心視するだけの魅力ある調教とも言い難いところ。

【JBCスプリント/マテラスカイ】

 圧倒的な強さを見せつけたプロキオンSに比べると、そのパフォーマンスに大きな差があった前走の東京盃。個人的に考える敗因としては、夏場に栗東に在厩し、調教は積んでいたものの、結局は太目残りで最後は失速しただけだと思います。そういった意味で今回の変則中2週というローテーションで自然と馬体は絞れてくるはず。

 1週前追い切りは軽く仕掛けただけで2F24.3秒という終いの脚力。まだまだ良化の余地を残しながらの動きだったと思いますが、30日の普通キャンターを見た時点で完全に素軽さが出てきました。今年1月以降で負けたのはドバイと大井だけ。JRAの競馬場ならきっちり能力を発揮してくれると思いますし、馬体も6キロ以上は絞れるはずです。

マテラスカイ

京都替わりはプラスに出るマテラスカイ(10月30日撮影)


【JBCレディスクラシック/ラビットラン】

 ローズS以来の勝利となった前走は強い競馬。不良馬場を捲っていくという強気のレースもこの馬にとってはベストな戦法だったかも知れません。今回もほぼ同じようなメンバーですから、ここで人気を集めることは納得。ただ、それに応えることができるかどうかは疑問です。

 まず1週前追い切りの動きが案外。CWの3頭併せ最後方から追走で、最後の直線はなかなか手前を替えません。余裕があるからなのかと思いきや、追い出してからは頭を上げる仕草。そして、最終追い切りでもゴール前は一杯に追われてなんとか先着。やはり前走の疲れが抜け切っていない印象は拭えません。

ラビットラン

前走の疲れが感じられるラビットラン


【JBCレディスクラシック/クイーンマンボ】

 前走の惨敗ですが、10月3日のCWでの動きがあまりにも動かなかったので、低い評価にしていましたが、結果的にはそれが正解だったような気がします。それだけに、この馬に対する評価は1週前追い切りで決めるつもりでした。

 注目の10月24日はグローブシアターとのCWでの併せ馬。力強い走りで後ろからの追走を待っていましたが、なかなか相手が追いついてきません。直線も半ばを過ぎたあたりで、ようやく気配を感じることができる位置にくると、そこからグンと加速して、相手を引き離します。あの動きを見ると、前走とは全く違う状態であると思いますし、最終追い切りは追走して、きっちり先着する前向きな動きを見せました。平安Sで牡馬相手に2着した京都ダートなら、牝馬相手に負けられないといったところ。

クイーンマンボ

前走時から上向いているクイーンマンボ


◆次走要注意

・10/27 アルテミスS【ビーチサンバ】(5人2着)

 馬群に包まれることなく、4コーナーから直線は無駄のないポジションから、しっかり脚を使いました。これで負けたら仕方ないというレースで2着。キャリア2戦目にして東京競馬場までの輸送も経験できましたし、今後につながる負けだったと思います。

[メモ登録用コメント] [阪神JF]最終追い切りで坂路ラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・JBCクラシック【テイエムジンソク】

 5歳時に比べると、向正面での行きたがるような仕草がなくなった分、終い重点で動けるようになりました。でも3コーナーから4コーナーでの豪快なフットワークは4コーナー先頭のレースをイメージさせてくれますし、そんな強気のレースができるだけの状態にあると思います。

テイエムジンソク

いい状態でレースに臨めそうなテイエムジンソク



【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング