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内枠の5番人気以内馬を1着に固定せよ!/エリザベス女王杯

  • 2018年11月04日(日) 18時00分

■エリザベス女王杯(G1・京都芝2200m外)フルゲート18頭/登録18頭


【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口


 エリザベス女王杯を予想する上で、絶対に重視すべきなのが枠番である。なぜなら、コースデータとレースデータの両方で「内枠有利」という結論が出ているからである。詳しくは後述するが、コース形態などからイメージするよりも大幅に内枠が強い──というのが、データを集計してみての印象だ。

 ここで掲載したのは、人気を「1〜5番人気」と「6〜18番人気」に分けての枠番別レースデータ。まずは前者だが、馬番01〜06番に入った人気馬はトータル[5-2-4-7]で勝率27.8%、連対率38.9%、複勝率61.1%と信頼度抜群だ。また、単勝適正回収値161.5、複勝回収値127と回収率ベースの数値も優秀そのもの。信頼度だけなら外枠も高いが、爆発力という点で内枠のほうが明らかに勝る。

 ところが、人気薄になると内枠はサッパリ。6番人気以下に限定したデータでは、人気サイドでは低信頼度だった「中枠」が存在感を発揮している。まとめると、人気で買いなのが内枠、人気薄で買いなのが中枠、人気でも穴でもソコソコ買えるのが外枠──という結論となる。

 あとは、外国人ジョッキーが「鬼」のように強いレースであることや、穴馬は前走で牝馬限定戦を使われてきた組よりも、牡馬混合戦を使われてきた組のほうが期待できることも、予想する上で重視したいポイントである。




【コース総論】京都芝2200m外 Bコース使用

・コースの要所!

★人気サイドの勝率や連対率が優秀。基本的には順当決着傾向が強いコース。
★内枠である馬番1〜4番が超優秀な内容。内外での比較も確実に「内>外」。
★差せそうで差せないコース。前を見つつ好位で競馬できる組を重視したい。





 正面スタンド前の4コーナー寄り地点から発走して、外回りコースをぐるりと1周する京都芝2200m外。最初のコーナー進入まで余裕があるので、ポジション争いで序盤の流れが厳しくなるようなケースは珍しい。中盤でも動きは少なく、レースが動き出す「勝負どころ」は3コーナーの下り坂あたりからとなる。

 クセのないコース形態もあってか、基本的には人気サイドが強いコース。1〜3番人気はトータル[26-19-8-55]で勝率24.1%、単勝適正回収値94.4と、なかなかの内容を残している。2〜3着が紛れるケースもそれほどはなく、極端な穴狙いは避けたほうが賢明。大荒れとなった2009年のような例もあるが、アレは本当に「例外」と考えたほうがいい。

 続いて枠番だが、こちらはハッキリと内枠有利。勝率の高さは飛び抜けており、単勝適正回収値も104.5という優秀さだ。平均人気がもっとも高いとはいえ、その上でギャップ値プラス0.8と人気以上の結果を出しているのだから文句なし。馬番05〜08番もなかなか優秀で、単純に内外を比較したデータでも大きな成績差が見受けられる。

 最後に脚質面だが、簡潔にいえば「差せそうで差せない」コース。連対馬の過半数を先行勢が占めているように、イメージ以上に前が優勢である。さすがに逃げ馬の成績はイマイチだが、好位で流れに乗れた馬の信頼度はかなりの高さ。最速上がり馬より上がり2位の馬のほうが好成績というのも、先行勢優勢を裏付けるデータといえる。

【レース総論】エリザベス女王杯(G1) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気は高信頼度だが、2〜3着に取りこぼすケースが多発。過信は禁物。
★信頼度の高さ、回収率ベースの高さともに「内>外」。内枠重視は鉄則。
★コースデータよりは差せるが前残りも多い。「差し→先行」決着を想定。
★4歳以下馬や外国人騎手の強さが目立つ。穴は前走牡馬混合戦組が狙い目。








 レースの平均配当は、単勝1642円、馬連1万3431円、3連複2万3177円というかなりの高さ。11番人気→12番人気で決まった2009年の影響が大きいのは事実だが、それ以外の年も「チョイ荒れで意外に配当がつく」というパターンが多い。モズカッチャン→クロコスミア→ミッキークイーンで決まった昨年などは、まさにそれ。難解だが、そのぶんリターンも期待できるレースといえるだろう。

 扱いが難しいのが1番人気で、[1-4-2-3]で複勝率70.0%と、信頼度は高いのだが2〜3着に取りこぼすケースが非常に多い。それすなわち、1着に穴を狙う馬券が有効に機能するということだ。狙ってオイシイのは4〜6番人気で、勝率が1〜3番人気と同じ13.3%で、単勝適正回収値は155.4という猛烈な高さ。ここを1着に固定した馬単や3連単フォーメーションは、ツボにはまるとかなりの破壊力が期待できそうだ。

 内枠有利であるのはコースデータ通りで、冒頭でも述べたように「内枠の人気馬」は手がつけられないほどの強さ。脚質面は「コースデータよりは差せる」という印象だが、連対率がもっとも高いのはやはり先行勢であり、対照的に後方待機組はサッパリの結果。中団から差した馬が1着、好位から伸びた馬が2着という「差し→先行」決着を想定したい。

 年齢別成績でも「若い馬のほうが強い」というハッキリした傾向が見受けられる。6歳以上で馬券に絡んだのは過去10年、2009年の2着馬テイエムプリキュアのみ。それ以外はすべて5歳以下馬であり、しかも5歳馬よりも4歳馬、4歳馬よりも3歳馬のほうが強い。若くて勢いのある馬を買うべきレースといえそうだ。

 あとは、外国人ジョッキーが[5-1-2-21]と猛烈に強いのにも注目すべき。このところ毎週のように外国人ジョッキーがメインで活躍する姿を見ているが、過去の傾向や直近の勢いから考えると、上位独占までありそう。あとは、人気薄での好走馬が「前走牡馬混合戦組」に偏っている点も覚えておきたい。

【血統総論】


 血統面では4種牡馬をプラス評価の対象としたが、ちょっと驚いてしまったのがジャングルポケット産駒が見せているコース適性の高さである。[8-4-2-29]で勝率18.6%、連対率27.9%と、信頼度の高さはディープインパクト産駒以上。単勝適正回収値161.1、複勝回収値124、ギャップ値プラス1.0と、爆発力の強さも文句なしだ。実績的には明らかに見劣るハッピーユニバンスだが、血統を考えると「ナシ」とは言い切れない面がある。

★エリザベス女王杯 総論×各論

 牝馬三冠を達成したアーモンドアイや府中牝馬Sで鬼脚を見せたディアドラの姿こそないが、昨年の覇者モズカッチャンや安定感抜群のリスグラシュー、万全を期して秋華賞を見送った3歳馬ノームコアなど、なかなか面白いメンバーが登録してきた。圧倒的な人気を集めそうな馬は見当たらず、上位拮抗の混戦模様となりそうである。

 枠番が重要すぎて現時点では何とも言えない部分が大きいレースではあるが、とりあえずのトップ評価は、札幌記念3着以来となるモズカッチャン。札幌芝2000mで牡馬を相手に最後方から追い込むという、かなりの離れ業を見せた。それでサングレーザーとアタマ差3着というのは優秀すぎる結果で、本来は中団から競馬できる馬であるのはご存知のとおり。昨年の覇者が二連覇へ向けて視界良好とみている。

 二番手評価にリスグラシュー。前走は完全に「勝った」というところをディアドラに差されてしまったが、同時にこの馬の能力の高さも十分に感じられた結果だった。今回はモレイラ騎手に乗り替わる予定だが、このレースにおける「外国人ジョッキー騎乗」のプラスは、乗り替わりのマイナスを補ってあまりあるもの。この馬にとっていちばん怖いのは、ただでさえ2〜3着に取りこぼすケースが目立つ、1番人気に推されることだろう。

 人気薄となりそうな組では、現在のところ「前走牡馬混合戦組」であるレイホーロマンスとワンブレスアウェイの2頭に魅力を感じるが、このあたりの評価は完全に枠番次第。当日のバイアスが極端な外差し馬場にでもなっていない限り、「馬番01〜06番に入った中穴人気の1着固定から流す」のを、最終的な評価を行う上での基本的方針としたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧



トップ評価馬に差された(#^ω^)ビキビキ

天皇賞・秋の分析が「とにかく偶数!」という結果だったので、能力的にも勝負になりそうな04レイデオロ、06マカヒキ、10キセキの3頭で勝負。そうしたら……トップ評価だった09サングレーザーに思いっきり差されたでござる(卒倒)。自業自得という気がしなくもないですが……上位評価組が揃いも揃って奇数馬番に入るんだもんなあ、ブツブツ。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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