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アフターコロナに向けて変化の兆し

  • 2020年06月20日(土) 12時00分

“時代遅れ”にならないためには…


 きのう(19日)、いよいよプロ野球が開幕しました。この後、Jリーグも再開されます。来月には有観客開催を始める予定もあるとか。まだまだかつての日常にはほど遠い形ではありますが、いろんなものがゆっくりと動き出しているようです。

 となると、次は競馬。JRAでは今のところ6月28日まで無観客開催を続けるとしています。さしあたりきょう(20日)からは、土日に限り、小倉を除く各競馬場や大部分のウインズ、エクセルで臨時払戻を実施。そして、来週(21日に始まる週)のどこかで、7月以降の開催について何らかの発表があると思われます。今はそれへ向けて、あれやこれやと最終調整している段階かもしれません。

 一方、地方競馬は少しずつ変化の兆しが見え始めています。netkeiba.comのまとめサイトで確認できた“兆し”は以下のとおりです(19日午後3時現在)。

◎船橋競馬の「エフケイバ成田」場外発売所で発売・払戻を再開(6/19〜)

◎園田競馬の場外発売所「DASH」を再開(6/24〜。姫路競馬場、神戸場外、難波場外での場外発売は行わず)

◎地方競馬の共同場外発売所「BAOO」のうち、高崎、鳥取岩美、三刀屋、宇部、博多、荒尾、天文館(鹿児島)を再開(6/22〜)

◎大井競馬の場外発売所のうち、「ニュートラック」のかみのやま(山形県上山市)、松山(同酒田市)、福島(福島県福島市)と、島根県の益田場外発売所を再開(6/22〜)

 こうして見ると、いわゆる大都市の中心部で再開されるのは、「DASH心斎橋」と「BAOO博多」くらいです。

 2月末から続いてきた無観客競馬の影響で、多くのファンがインターネット投票を“新しい日常”にしちゃいました。そういう変化があった中で、今後、都市部の場外発売所が再開されたとして、いったいどのくらいの方々が“紙の馬券”を求めて来場されるでしょうか?

 ウーン、これはちょっと微妙。もちろん、各場外では「ウイルス感染対策を行った上で再開する」としています。でも、「フロアが“密”な状態になったらイヤだなぁ」、「混雑で入場規制がかかって、入れなくなったら困る」とか、何よりも「やっぱり競馬場が開かないと意味がない」なんて思っているファンの方は少なくないはずです。

 いろいろな規制や自粛要請が解除されても、レストランや居酒屋さんにはなかなかお客さんが戻ってきていないと言われています(東京では感染再拡大の兆候もあるようですし)。場外発売所が、それと同じような状況になっても不思議ではないでしょう。

 これからの場外発売所をどうすべきか?今から考えておく必要があると思います。長い時間、多くの人が立ちっぱなしで“密”な状態を作りがちな施設(競馬場のスタンド内側を含む)は、ゆくゆくは“時代遅れ”と言われてしまうかもしれませんからね。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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