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フルゲートで賑やかな宝塚記念

  • 2020年06月27日(土) 12時00分

あの穴馬が来たらタイヘンなことに!?


 今週は宝塚記念。ということは、今年ももう半分が過ぎようとしています。競馬は、そのうちの約3分の2を無観客で開催してきたわけです。私には、この間の月日があっという間に過ぎ去ったように思えるのですが、あなたはどう感じていますか?

 さて、今回の宝塚記念はフルゲートの18頭立てで行われます。これはアドマイヤムーンが勝った2007年以来(2010年はコパノジングーが直前に出走取消)で、同レース史上2度目のこと。出走頭数が多ければいいってもんじゃありませんが、このご時世ですから賑やかになってよかったような気がします。

 最終的に1番人気に推されるのは、サートゥルナーリアなのかラッキーライラックなのか、どっちでしょう?

 サートゥルナーリアだとすると、これは極めて異例。同馬は香港遠征が“幻”に終わり、3月15日の金鯱賞以来3カ月半ぶりの出走となります。前走との間隔がこれほど空いていた1番人気馬、というのはなかなかいません。記録を遡ると、2003年のシンボリクリスエス以来のこと。同馬は前年の有馬記念からの休み明けで1番人気に推されていました。

 宝塚記念の開催が6月末に定着した2000年以降、3月最終週より前のレース以来、久々に出走した馬が1番人気になった例はこれしかありません。で、同馬は5着に敗れています。

 宝塚記念も有馬記念も“半期”の総決算レースです。春秋のGIシリーズに1度も出走していない馬がそれを勝つのは、そんなに簡単なことじゃない、ってことでしょうね。

 ただし今年は無観客開催。休み明けの馬が大観衆に囲まれてテンションが上がり過ぎちゃうような恐れはないわけです。このへんは、サートゥルナーリアにとって好材料になりそうです。

 一方、ラッキーライラックの場合は?GI昇格後の大阪杯優勝馬がここで1番人気に推されれば、2017年のキタサンブラック以来2頭目のことになります。

 ご存知のとおり、同馬は間に天皇賞春優勝を挟んで春GI3連勝を狙いましたが、宝塚記念は9着に惨敗。2000→3200→2200メートルのローテーションはけっこうキツい、ということを改めて思い知らされました。

 それに対して、今回のラッキーライラックは大阪杯以来の出走。この臨戦過程が功を奏するかどうか、注目です。

 去年まで10年間のこのレースで1〜3着に来た計30頭の中で、6番人気以下だった馬が13頭もいました。つまり、約3分の1はそういう穴馬だったということ。15、18年は6番人気以下の馬が1〜3着を独占しています。宝塚記念はけっこう荒れる、のかもしれません。

 穴馬を狙うなら、天皇賞春敗戦からの出走馬か、前走が鳴尾記念、目黒記念だった馬。天皇賞組ならスティッフェリオ、キセキ、モズベッロあたりがおもしろいのでは?あとは、鳴尾記念3着のレッドジェニアル。これが来たらタイヘンなことになりますよね!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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