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【セントライト記念予想】ここはダービー大敗組が巻き返す!

  • 2020年09月13日(日) 18時00分

■セントライト記念(GII・中山芝2200m)フルゲート18頭


★3行でわかる! セントライト記念 攻略の糸口

1.コースもレースも人気馬が非常に強い。無理な穴狙い厳禁。
2.前走GIで10着以下だった馬が巻き返す。配当妙味も大!
3.馬体重500キロ以上馬の勝率が高い。先行勢やや優勢。

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし

 連対馬20頭のうち17頭までが6番人気以内と、順当決着傾向が非常に強いセントライト記念。これはレースだけでなく、中山芝2200mというコースの傾向にも当てはまる。キタサンブラックが制した2015年のように荒れるケースがなくはないが、波乱前提で馬券を買うのはオススメしかねる一戦。人気サイドを「どう買うか」が問われるレースである。

 目立っているのが、前走GI組の強さ。当然ながら前走ダービー組がそのほとんどを占めるわけだが、ダービーでふたケタ着順に終わっていた馬は意外にナメられやすい。昨年、8番人気で2着に好走したサトノルークスが好例で、ダービー17着からの巻き返しだった。ダービー10着以下馬は「すべて買い」が正解といっても過言ではない。

 その他の組は、前走で上位人気に推されていた馬を素直に高評価するのが正解。前走での人気が、今回の結果にリンクする傾向が見てとれる。あとは、馬体重500キロ以上の大型馬が強いのも特徴のひとつ。480キロ以上馬[8-4-7-62]、500キロ以上馬[5-1-1-23]という成績からもわかるように、1着に関しては大型馬を狙うべきだ。

 枠番については、判断が難しいのでフラット前提。脚質面はやや先行勢が優勢なので、「先行→差し」での決着を想定したい。現時点で把握できている出走予定馬が少なすぎるので、データ特注推奨馬は残念ながらナシ。あえて名前をあげるならば、日本ダービー10着以下からのローテで出走予定である、サトノフラッグとヴァルコスか。

【コース総論】中山芝2200m Bコース使用

・コースの要所!

★人気サイドが非常に強いコースで、人気薄を1着で狙う馬券は推奨しかねる。
★内枠である馬番1〜4番は低調な結果に。やや内〜センター枠番が優秀な成績。
★基本的には先行勢優勢で、4コーナー通過が11番手以下では勝負にならない。





 ホームストレッチの、4コーナー寄り地点からスタートする芝2200m。最初のコーナー進入まで400m以上と、十分な距離がある。しかも序盤〜中盤にかけて延々と上り坂なので、序盤から速いラップが刻まれるケースは少ないはず。下り坂の区間に入ってからの、ロングスパート勝負となりやすいコース形態といえるだろう。

 まずは人気別成績だが、目立っているのは人気サイドの強さ。1〜3番人気と4〜6番人気の内容が優秀で、7番人気以下になると信頼度、回収値の両方がガクンと落ちてしまう。3着以内馬のじつに80%以上が6番人気以内と、順当決着傾向の強さはかなりのもの。人気薄は2〜3着のヒモに狙うのが精一杯で、1着で買うのは推奨しかねる。

 次に枠番だが、意外にも内枠である馬番1〜4番の不振が目立つ。信頼度の回収値の両方が低く、ギャップ値も大幅マイナス圏内だ。それとは対照的に好内容なのが、「やや内〜センター枠番」である馬番5〜12番あたり。枠番については「内過ぎても外過ぎてもよくない」というのが、コースデータからの結論となる。

 脚質面は先行勢が優勢で、勝率や連対率には大きな差が出ている。先行勢優勢の裏付けとなるのが、4コーナーを11番手以下で回った馬の壊滅的な成績だ。トータル[1-0-1-113]で複勝率1.7%、複勝回収値4という惨憺たる結果で、後方に置かれた時点でゲームオーバー。最悪でも中団のポジションを取れる馬でなければ、馬券を買う価値ナシといっても過言ではない。かなり「前」を意識したいコースである。

【レース総論】セントライト記念(GII) 中山過去10回

・レースの要所!

★コースデータ通りに人気サイドが強い。多頭数でも人気馬重視の姿勢を推奨。
★枠番は判断が難しいのでフラット前提。「先行→差し」決着がもっとも多い。
★前走GI組を素直に高評価。この組は10着以下からでも平気で巻き返してくる。
★前走GI組以外の成績は前走人気に正比例。500キロ以上馬の高勝率も目立つ。










 レースの平均配当は、単勝733円、馬連4094円、3連複2万488円と、単勝平均や馬連平均の低さが目立っている。それもそのはずで、連対馬20頭の過半数が3番人気以内、17頭までが6番人気以内と、順当決着傾向が非常に強いのである。14番人気が2着に激走した2012年のような例もあるが、ふたケタ人気馬はトータル[0-1-1-67]と、明らかに期待薄。ここは、上位人気の組み合わせを「どう買うか」の勝負といえる。

 枠番については、非常に悩ましい。内枠である馬番1〜4番、ならびに外枠の馬番13〜18番が好成績なのだが、これはコースデータとは真逆の結果。開幕から2週目で、馬場バイアスの影響が大きい時期とはいえ、ここまで正反対だと判断に困る。どちらを信頼するべきかを決めかねるので、「フラット前提」でいきたい。

 脚質は、コースデータよりもいくぶん差せてはいるが、それでも前が優勢というジャッジ。1〜2着が多いのは先行勢、2〜3着が多いのは中団待機組であることから、「先行→差し」決着を前提に馬券を組み立てるのがいいだろう。後方に置かれた馬が大不振なのはコースデータ通りで、全滅に近い惨状である。

 前走クラス別では、前走中央GI組が圧倒的な成績を残している。レースの位置づけを考えれば当然の結果だが、単勝適正回収値118.7、複勝回収値114と、意外なほど妙味がある。なぜここまで回収値が高いかといえば、前走GI大敗組が過剰にナメられているから。前走10着以下からでもガンガン巻き返してくるので、注意が必要といえる。

 前走でGI以外に出走していた馬は、前走での「人気」が今回の着順とリンク。前走で上位人気に推されていればいるほど、今回の好走期待度が高い。あとは、大型馬が強いというのも、セントライト記念の特徴だ。今回の馬体重別で成績を比較すると、500キロ以上馬の勝率が高いのは一目瞭然。馬格のない馬でも2〜3着にはくるが、勝つのは難しい。

 最後に騎手関連データだが、秋の大一番のステップでもあり、信頼度が高いのは継続騎乗組。ただし、それほど大きな差が出ているわけではないので、他に強い買い材料があるならば、乗り替わり組も問題なく買える。あとは、関東所属騎手が存在感を発揮しているレースであるのも、覚えておきたいポイントである。

【血統総論】


 血統面は、ステイゴールド産駒、ディープインパクト産駒、ルーラーシップ産駒、ドリームジャーニー産駒をプラス評価の対象とした。ただし、現3歳世代にステイゴールド産駒はいないので、こちらは他のレースで稼ぐための「余録」である。今後の期待が大きいのはルーラーシップ産駒で、連対率40.0%、単勝適正回収値148.1、複勝回収値102という素晴らしい内容。もし産駒が出走してくるようならば、要注目だ。

★出走予定馬 総論×各論

 現時点で出走の意向が把握できているのは15頭。フルゲートは18頭なので、このままいけば1勝クラスの馬でも出走できそうだ。弥生賞の勝ち馬であるサトノフラッグ、クラシック戦線で存在感を発揮したガロアクリーク、青葉賞で1番人気に推されたフィリオアレグロ、ラジオNIKKEI賞の勝ち馬バビットなどが出走を予定している。

 気がかりなのが、日本ダービー最先着馬であるヴェルトライゼンデの熱発。一応は出走する前提で序列をつけているが、このままだと回避する可能性がけっこう高そうである。あとは、逃げ・先行勢が非常に少ない組み合わせであるのも、注目すべきポイント。ハイペースとなる可能性は低く、かなり前有利の展開となってもおかしくない。

 トップ評価はサトノフラッグ。セントライト記念で非常に強い「日本ダービー大敗組」で、しかも中山の芝中距離で重賞を勝っている。ディープインパクト産駒であることや、前走馬体重488キロと馬格があること、戸崎騎手に乗り替わる見通しであることなど、レースデータからの買い材料もなかなか豊富。巻き返しに期待したい。

 二番手評価にバビット。ラジオNIKKEI賞からのローテは出走数が少ないが、5頭が出走してトータル[1-1-1-2]と好成績である。また、発表されたクッション値などから、中山が「堅くて速い」馬場である可能性が高いのも、この馬にはプラスに働くはず。ほかにハナに行きたい馬が見当たらない展開面の有利さなど、こちらも買い材料は豊富にある。

 三番手評価にガロアクリーク。皐月賞で3着に好走し、日本ダービーでも6着と、その実績はここではトップクラスだ。スプリングSの覇者で、中山の芝コース適性も証明済み。引き続き川田騎手が手綱をとる予定であるのも、その能力が高く評価されている証拠だろう。前走馬体重498キロと、1着が期待できるパターンであるのも魅力だ。

 以下は、ヴァルコス、ココロノトウダイ、フィリオアレグロ、ラインハイトという評価の序列。上位人気馬が素直に強いレース&コースで、枠番はフラットという前提なので、評価が大きく入れ替わるようなことはないはずだ。上位評価組をどのように買って儲けるかを、ゲートが開く直前まで考えぬきたい。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



なんか堅く決まった(#^ω^)ビキビキ

最後の直線は、まるで芝1000m直のように外ラチ沿いまで広がっての追い比べ。開催最終日でもあり、どこを通るかが重要なレースになってしまった印象です。こうなると、過去データ通りに「真ん中よりも内」重視では厳しいデスネ。トップ評価だった08サトノガーネット、上がり31秒9でも届かないとは……!

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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