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【有馬記念予想】近年は堅いが今年は波乱の気配も!?

  • 2020年12月20日(日) 18時00分

■有馬記念(GI・中山芝2500m)フルゲート16頭/登録23頭


★3行でわかる! 有馬記念 攻略の糸口

1.内から先行できる馬が有利なのは明白。波乱は少ない。
2.5歳以下であるのが好走の必要条件。3歳馬は特注級!
3.前走1番人気馬は全力買いが鉄則。継続騎乗組を重視。

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし


 今年も12月24日(木)に、有馬記念の枠番抽選会が執り行われる。どの馬がどの枠番を引き当てるのかと、ファンも一喜一憂でその様子を見守るのが恒例行事となってきた。暮れの大一番・グランプリであるだけでなく、枠番によって結果がガラッと変わってしまうレースであるのを、ファンがよく知っているからだ。

 後ほどコースデータやレースデータでも詳しく解説するが、中山芝2500mはハッキリと内枠有利かつ外枠不利。16頭立ての有馬記念で8枠から勝った例は、なんと1989年の優勝馬イナリワンにまでさかのぼる。3番人気以内に推された馬は1986年以降で6頭いるが、そのすべてが4着以下。7枠や8枠に入ってしまうと、どんな人気馬であってもコロッと負けてしまう危険性がある。それほど、有馬記念の外枠は不利なのだ。

 そして、イメージ以上に「前優勢」であるのも、有馬記念の大きな特徴。ここで掲載しているのは、枠番の内外と4コーナー通過順位を組み合わせた、クロス分析データである。4コーナーを11番手以下で回った馬は、枠の内外を問わず壊滅状態。4コーナーを6〜10番手で回った中団待機組も、枠番の影響をあまり受けていないのがわかる。

 しかし、4コーナーを5番手以内で回った馬に関しては話が別。外枠から先行するのが厳しいコース形態であるため、ハッキリと「内>外」であるのが見てとれるだろう。馬番01〜08番から先行した馬は、高信頼度かつ高回収値。かなりの人気薄であっても、この条件に合致した馬は絶対に押さえておいたほうがいい。

 あとは、近年は順当決着傾向が非常に強く、波乱がほとんど期待できないこと。5歳以下馬と6歳以上馬で天と地ほどの成績差があり、3歳馬を筆頭とする5歳以下馬ばかりが好走していること。前走1番人気馬が猛烈な強さを誇っていること。格式の高いGIらしく、継続騎乗組のほうが好成績であることなども、押さえておきたいポイントである。

 枠番が決まっていない段階では評価が難しいレースなので、データ特注推奨馬は「なし」とさせていただいた。上位評価組のなかで、馬番01〜08番(05〜08番ならモアベター)からスッと前の位置を確保できそうな馬が、このレースの「特注」となる。

【コース総論】中山芝2500m Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気を筆頭に人気馬が強いコース。穴で狙うならば10〜12番人気を推奨。
★やはり内枠有利かつ外枠不利。フルゲートの外枠は大幅な割引が必要となる。
★脚質はハッキリと「前」優勢。中団よりも前でなければ、勝ち負けできない。





 外回りコースの3コーナー手前がスタート地点。下り坂スタートなので出脚はつくが、直後にコーナーへと進入するため、外枠から前のポジションを取りにいくのはかなり難しい。トリッキーな中山芝のなかでも、かなりクセが強い部類のコースといえるだろう。寒い冬の時期でもあり、上がりの時計がかかるのも大きな特徴だ。

 とはいえ、人気馬の強さはかなりのもの。3番人気以内馬はトータル[14-13-8-31]で連対率40.9%、複勝率53.0%と、過半数が馬券に絡む活躍を見せている。人気サイドにしては回収値も高く、素直にここから入るのがオススメ。問題は「相手」で、こちらは大きな偏りがなくターゲットを絞りづらい。10〜12番人気あたりが狙い目となりそうだが、ここは手広く流す馬券で勝負するのがベターだろう。

 次に枠番について。こちらは「内枠有利かつ外枠不利」が結論で、コース形態からも当然の結果といえる。とくに目立っているのが外枠である馬番13〜16番の不振で、その複勝率はたったの10.2%。単純に内外を比較したデータでも勝率の差は2倍以上と、外枠不利を裏付けるデータばかりが目につく。外枠からは、2〜3着にくるのが精一杯と考えたほうがよさそうだ。

 脚質面はハッキリと「前」優勢。逃げた馬も、コンスタントに馬券絡みしている。芝の中長距離戦で、ここまで先行勢優勢のコースも珍しい。中団からの差しは相応に決まっているが、後方に置かれた馬はほぼノーチャンス。また、最速上がり馬の複勝回収値が100の大台を割り込んでいるのも、先行勢優勢の証明である。中団よりも前のポジションが取れないと、勝ち負けに持ち込めないコースなのだ。

【レース総論】有馬記念(GI) 中山過去10回

・レースの要所!

★馬券絡みした馬の過半数が3番人気以内。近年は順当決着傾向が非常に強い。
★やや内である馬番05〜08番が好成績。外枠はコースデータ以上に成績不振。
★ハッキリと先行勢が優勢。5歳以下馬、とくに3歳馬の強さが目立つレース。
★前走1番人気馬は全力で「買い」が正解。騎手は、継続騎乗組を重視すべき。









 レースの平均配当は、単勝607円、馬連3504円、3連複9908円という、かなり低めの水準。以前はとんでもない波乱決着もあった有馬記念だが、近年はかなり順当決着傾向が強くなっている。それもそのはずで、馬券絡みした馬の過半数が3番人気以内で、ふたケタ人気馬はトータル[0-1-1-64]とサッパリ。人気サイドが勝ち、ヒモも4〜6番人気や7〜9番人気で収まるというのが、決着パターンとなっている。

 枠番はコースデータと同様に、内枠有利かつ外枠不利。注目したいのは、コースデータでも優秀な内容だった馬番05〜08番だ。勝率10.3%、連対率20.5%と高信頼度で回収値もバツグンに高いという、素晴らしい結果を残している。逆に、外枠である馬番13〜16番の内容は、コースデータよりもさらに悪化。連対率2.6%では、よほど強い買い材料でもないかぎりは、ちょっと手を出せない。

 脚質面は、コースデータ以上に「前」が優勢だ。逃げて残ったのはキタサンブラックだけだが、それ以外の好走馬も、4コーナーを5番手以内で回った先行勢が大半を占めた。昨年はリスグラシュー、サートゥルナーリア、ワールドプレミアと中団〜後方にいた組での決着だったが、あれは馬場の影響も大きかったはず。馬場もそれほど荒れておらず、降雨量も少ない今年は、先行勢が一気に巻き返してくる可能性が高い。

 年齢別成績からは、5歳以下であるのが好走の必要条件であるのが見てとれる。なかでも目立っているのが5勝をあげている3歳馬の強さで、前走菊花賞組はノータイムで「買い」といっても過言ではないほど。今年の3歳馬は例年に比べると小粒だが、それでも上位に食い込んできそうな勢いを感じる。6歳以上馬は、何かストロングポイントを有する馬以外は「消し」でよさそうだ。

 注目したいのが、前走1番人気馬の強さである。昨年は3頭が出走して7・8・9着という冴えない結果に終わったが、それ以前は毎年のように勝ち馬を出している、文句なしの「買い」パターン。2015年の勝ち馬ゴールドアクターのように、人気薄で激走したケースも含まれている。ちなみに、出走できそうな馬でこの条件をクリアしているのは、今年はラッキーライラックだけである。

 最後に騎手関連データだが、暮れの大一番らしく、ここは継続騎乗組のほうが好成績。短期免許で騎乗する外国人騎手がいない今年は、なおさら継続騎乗組が強さを発揮しそうだ。乗り替わり組もそれなりには上位に食い込んでいるが、勝率は明らかに見劣るので、2〜3着で狙ったほうが効率はいいはずだ。

【血統総論】


 血統面では、ステイゴールド産駒とキングカメハメハ産駒をプラス評価の対象とした。しかし、唯一のステイゴールド産駒であるクレッシェンドラヴは、現段階では除外対象。また、キングカメハメハ産駒も「1着よりも2〜3着が多い」という内容で、そこまで強調はできない。となると、注目はステイゴールドの後継であるオルフェーヴルの産駒か。まだ出走数が少なく適性について判断しかねるが、「鬼」の可能性も十分あるはずだ。

★特別登録馬 総論×各論

 さあ、今年も有馬記念の日がやってくる。ジャパンCが超豪華メンバーだったので心配だったが、フィエールマン、クロノジェネシス、ラッキーライラック、カレンブーケドールなど、結果的にはかなりの好メンバーとなった。一本かぶりの人気を集めるような存在は見当たらず、上位拮抗の混戦模様となるのは確実。馬券的にもメチャクチャ面白い一戦となりそうである。

 最重要ファクターである「枠番」抜きでの評価となるが、現時点でのトップ評価は、これがラストランとなる予定のラッキーライラック。2歳時から長く活躍を続けた女傑が、引退の花道を勝利で飾るとみた。脚質の自在性は大きな魅力で、乗り替わり騎乗予定の福永騎手も乗りやすいはず。有馬記念で強烈な強さを見せたオルフェーヴルの産駒というのも、期待したくなる材料のひとつだ。

 二番手評価に「馬番01〜08番に入った場合の」カレンブーケドール。前走のジャパンCは惜しくも4着に終わったが、その能力の高さを改めて証明したレースでもあった。大舞台でやたらに強い池添騎手への乗り替わりも、あと一歩を補うための布陣。内枠からスッと好位が取れた場合には、念願の3勝目が有馬記念という結果も十分あり得る。

 三番手評価に、3歳馬のオーソリティ。前走のアルゼンチン共和国は、久々を感じさせない走りでの快勝だった。相手関係は一気に強化されるが、叩かれての上積みは大きく、距離が問題ないのも証明済み。父オルフェーヴル×母父シンボリクリスエスという、有馬記念に向かないわけがない血統も大きな魅力といえる。有馬記念で強い3歳馬の総大将として、存在感を存分に発揮してくれそうだ。

 四番手評価にクロノジェネシス、五番手評価にバビットと、ここまでが上位評価組。以下はフィエールマン、キセキ、ユーキャンスマイル、ワールドプレミアという評価の序列となった。あとは枠番と人気次第だが、例年よりも荒れそうな気配を、現時点でも色濃く感じる。近年がかなり堅く決まっているだけに強調はできないが、チョイ荒れ〜中波乱くらいならば大アリだろう。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



ソダシさんお強い(#^ω^)ビキビキ

トップ評価だった07サトノレイナスの好走は読み通りも、勝った06ソダシを軽視していたのではドモナラズ。同様に、3着だった11ユーバーレーベンの評価も低く、何をどうやっても当たらないという情けない結果に終わりました。朝日杯FSとホープフルS、有馬記念はしっかり当てて、1年を締めくくりたいなあ(切実)。

※コース&血統データ&レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

有馬記念を徹底攻略! 今年1年のGI傾向やイチオシ予想家をご紹介。週末には千鳥ノブや競馬好き芸能人も登場!ぜひご覧ください。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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