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毎日王冠はコース適性や近走成績が重要

  • 2021年10月09日(土) 19時00分
 前回10月3日のWIN5は163万8740円の配当で決着。単勝1番人気の支持を集めた5頭がすべて2着以下に敗れたうえ、1レース目のサフラン賞(中山9R)を単勝オッズ14.2倍(6番人気)のウォーターナビレラが制したこともあり、やや高めの払戻金額となっています。

 ちなみに、2レース目の白川郷S(中京10R)を勝った単勝オッズ4.3倍(2番人気)のゲンパチルシファー、3レース目の茨城新聞杯(中山10R)を勝った単勝オッズ3.7倍(2番人気)のヴァリアメンテは、いずれも先週公開分の「1点予想」で推奨した馬。個人的な話で恐縮ですが、実は4レース目のポートアイランドS(中京11R)を制した単勝オッズ6.0倍(4番人気)のプリンスリターン、5レース目のスプリンターズS(中山11R)を制した単勝オッズ5.3倍(3番人気)のピクシーナイトも、私が通常の式別で連軸に指名していた馬です。

 最終的にウォーターナビレラを軽視してしまったため、私はWIN5を意識することなく2〜5レース目を見守っていたものの、スプリンターズSが終わった直後くらいに「……あれ、結構惜しかったのでは?」と気付きました。もしサフラン賞が5レース目だったら、私は相当にテンションの上がった状態でレースを観戦できたでしょう。

 通常の式別なら「惜しくもハズレに終わった馬券」と「最後の最後まで楽しませてくれた馬券」は、ほぼイコールであるはず。実際の“惜しさ”と実感が一致しないのはWIN5の面白いところですし、それと同時に難しい部分でもありますね。

 明日10月10日のWIN5は総出走頭数が76頭、総組み合わせ数が78万6240通り(土曜12時現在)。出走頭数が少ないうえ、人気も偏りそうな5レース目の毎日王冠(東京11R)から予想を組み立てていった方が良いかもしれません。

【2021年10月10日発売分の1点予想】

阪神10R 12.スマートクラージュ
東京10R 10.スマッシャー
新潟11R 9.ロジーナ
阪神11R 9.アリストテレス
東京11R 7.ダノンキングリー

【1レース目 戎橋S(阪神10R)】

 昨年の5〜6回阪神芝1400m内、かつ3歳以上のレースは、今回より短い距離のレースを経由してきた馬が不振。「前走の距離が1400m未満だった馬」は[0-0-2-25]でしたから、スティクスらは過信禁物です。

 チャンスがありそうなのはシャイニーロック・トオヤリトセイト・ルプリュフォール・リレーションシップ・スマートクラージュあたり。コース替わりがプラスに働きそうなスマートクラージュは押さえておくべきでしょう。

【2レース目 グリーンチャンネルC(東京10R)】

 大敗直後の馬は評価を下げた方が良さそう。「前走の着順が8着以下だった馬」は2017年以降[0-0-0-21]でした。また「前走との間隔が中3週以内の馬」も2017年以降[0-1-0-20]とあまり上位に食い込めていません。

 今年はサヴィ・ワンダーリーデル・スマッシャー・スリーグランド・デュードヴァン・ヘリオスあたりが有力。3歳のスマッシャーは特に楽しみです。

【3レース目 北陸S(新潟11R)】

 ほぼ同じ条件で施行された2020年の北陸Sは、前走で出走メンバー中3位以内の上がり3ハロンタイムをマークしていた7頭のうち3頭が1〜3着を占める結果に。先行力の高さを活かしたいタイプであるジャズエチュード・エムオーシャトルらは扱いに注意すべきだと思います。

 面白そうなのはダノンシティ・ロジーナ・グレイトゲイナー・クリッパークラスあたり。ロジーナは前走の上がり3ハロンタイム順位こそ4位ですが、このメンバー構成なら実績上位ですし、新潟芝1200m内に替わる点もプラスと見て良いでしょう。

【4レース目 京都大賞典(阪神11R)】

 上半期のビッグレースから直行してきた馬と前走好走馬が優勢。「前走の条件がGI以外、かつ前走の着順が2着以下、かつ前走の1位入線馬とのタイム差が0.1秒以上だった馬」は2014年以降[1-1-0-45]と安定感を欠いていました。ヒュミドールあたりは無理に嫌わなくて良いと思いますが、ヒートオンビートをはじめとする他の該当馬はあまり強調できません。

 あとは年明け以降の戦績も重要なポイント。「“同年、かつJRA、かつ重賞のレース”において4着以内となった経験がない、かつ出走数が14戦以上の馬」は2014年以降[0-0-0-33]なので、マカヒキ・キセキらも割り引きが必要です。

 これらの傾向から強調できるのはモズベッロ・アリストテレスの2頭。このレースが合っていそうなアリストテレスはそれなりに高く評価すべきだと思います。

【5レース目 毎日王冠(東京11R)】

 コース適性を重視したい一戦。「“前年以降、かつ東京、かつ1400m超、かつ2勝クラス以上のレース”において2着以内となった経験のない馬」は2013年以降[0-1-1-43]と苦戦していました。ケイデンスコールらは過信禁物と見るべきでしょう。

 なお「“同年、かつJRA、かつ1600〜2200m、かつGI・GIIのレース”において5着以内となった経験がない、かつ出走数が15戦以上の馬」は2013年以降[0-1-0-30]。GIIIやオープン特別のレースを主戦場としてきた馬はあまり上位に食い込めていません。

 さらに「前走の着順が9着以下だった馬」も2013年以降[0-1-0-22]と期待を裏切りがちです。シュネルマイスター・サンレイポケット・ポタジェ・ヴァンドギャルドあたりもそれぞれ楽しみですが、注目はやはりダノンキングリー。まだGI以外のレースでは敗れたことがありませんし、素直に信頼して良いと思います。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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