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【日本ダービー】東西のスポーツ紙記者が今年のダービーを予想!「最初は△くらいのつもりでしたけど、いまは○対抗を打ちたいくらい」【前編】

  • 2022年05月26日(木) 12時01分
馬ラエティBOX

▲東スポ藤井記者(左上)、デイリー井上記者(右上)、スポニチ新谷記者(左下)、報知山本記者(右下)が登場!


いよいよ今週末に迫った第89回日本ダービー。3歳馬の頂上決戦に胸躍らせる日々ですが、この世代のGIはここまで3レースとも異なる勝ち馬で、混戦ともハイレベルとも言われています。そうなると予想も一筋縄ではいかなさそう。そこで、予想のヒントを得るため、スポーツ紙の記者たちによるリモート座談会を開催。現場を知り尽くす記者同士の会話からは思わず「僕もそれを買いたくなりました」という本音がポロリ。前編・後編にわけてたっぷりお届けする内容をぜひ馬券検討にお役立てください。

(進行:大恵陽子)

ダービーは人気上位馬のボックスで万馬券!?


──今日はお集まりいただきありがとうございます。まずは自己紹介からお願いします。

藤井 東京スポーツで美浦トレセンを担当している藤井真俊です。取材の感触をベースに予想をしていて、美浦のジョッキーほとんどと取材を通して親交があります。

井上 デイリースポーツの井上達也です。栗東担当で、福永祐一騎手、藤岡康太騎手、鮫島克駿騎手らの取材情報は馬券の役に立っているかなと思います。過去のレース映像を見て自分なりに分析した内容をジョッキーや厩舎関係者に取材し、合致していれば厚い印を打つというのが主なスタイルです。

新谷 スポーツニッポン栗東担当の新谷尚太です。元々は専門紙の競馬ニホンで時計班にいて、スポニチでは厩舎取材をメインに担当しています。調教時計を見ていると調子のいい馬を見つけられるので、時計班の経験を生かした予想をしています。

山本 スポーツ報知で栗東を担当している山本武志です。井上さんに比べるとジョッキーよりも調教師に取材することが多くて、友道康夫調教師や矢作芳人調教師は昔から仲良くさせていただいています。取材の感触を基に予想をするんですけど、こういった厩舎は調教師が「面白味がある」と話すと人気をしてしまって、めっきり穴馬がいなくなりました(苦笑)。そんな中でも人気の盲点を探していければいいなと思っています。

──4人でダービーの予想をしていきたいのですが、まずはダービーの傾向などを教えていただけますか。

井上 人気馬同士の決着でも3連単が万馬券になりやすいイメージですね。有馬記念とダービーだけは買うというファンもいらっしゃるので、票が他の馬に流れて人気が割れやすいのかな、と思います。ダービーを買う競馬初心者の方には「人気上位4頭の3連単ボックスを買っておけば、万馬券が当たりやすいですよ」とオススメしています。

藤井 おっ! 買ってみようかな。

新谷 僕は3歳のこの時期は距離適性を度外視して、能力の高い馬が勝つのがダービーだと思っています。それと、ダービーだけは絶対に内枠が外せないですね。

──ダービー週から内側の柵が外に移動されるので、内ラチ沿いでも馬場が比較的綺麗ですよね。

井上 今年のGIではトラックバイアスがよく表れています。高松宮記念は内が圧倒的に有利で、皐月賞は外が有利。その日の馬場読みは非常に大事なのかなと感じています。

山本 僕は皐月賞組から選ぶ傾向が強い気がします。皐月賞を使えたということは、ここまで順調にこられたということだと思うので、別ローテーション組よりは重視します。

藤井 2008年にディープスカイが勝った時の2着・スマイルジャック(12番人気)を本命にしていたんですけど、皐月賞で明確な敗因があったのでダービーで巻き返せるんじゃないかと思っていました。

ジオグリフの状態の良さに、思わず印をアップ


──では皐月賞組の評価から聞いていきましょう。まずは皐月賞馬ジオグリフはどうですか?

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▲今年の皐月賞馬ジオグリフ(撮影:下野雄規)


藤井 ジオグリフは皐月賞を勝ったけど、ダービーでは1番人気にならないと思います。距離やノドの不安を言われていますから。

山本 栗東トレセンで取材をしていても、ジオグリフよりも皐月賞上位組の方が評価が高い印象があります。「皐月賞は適性の差が大きい」と言われていて、ジオグリフは札幌2歳Sでも強かったので、そういうコース形態が合っているのかな、と個人的には思っています。

井上 皐月賞前に知り合いの厩舎スタッフに電話取材したところ、ジオグリフの状態がすごく良くて、「厩舎内でイクイノックスを負かすとしたら、ジオグリフじゃない? って話をしている」と聞きました。実際、追い切りに騎乗した福永騎手も「めちゃくちゃいいし、ノドも気にならない」と話していました。

藤井 皐月賞時はハード調教をして、勝負仕上げだったと思います。だから、皐月賞後は使ったなりのダメージが見られて木村哲也調教師も心配していました。

 ところが、ダービーに向けて5月11日に帰厩した時にハリが出て毛ヅヤも良くなって、「感動した」と。そして、1週前追い切りの気配が素晴らしかったんです。皐月賞では印を打ったものの、ダービーでは軽視しようかなって思っていたんですけど、「あれ? 意外とやるんじゃないのかな」と感じました。

井上 短期間で良くなって帰厩したという話は僕も聞きました。福永騎手は「皐月賞はすべてが上手くいきました。ダービーはやってみないと分からないです」とのことでしたが、皐月賞を勝っているのに意外と人気を落としそうで、そういう点で面白さがあるかなと感じています。

藤井 最初は△くらいのつもりでしたけど、いまは○対抗を打ちたいくらいの気持ちになってきています。

新谷 井上さんと藤井さんの話を聞いていたら、僕もジオグリフいいなって思ってきました。「ドレフォン産駒だからダート」といったことは度外視して、現時点ではこの馬の能力の高さでダービーの芝2400mをあっさり克服する可能性もあると思います。

藤井 ドレフォン産駒は正直未知数ですけど、半兄アルビージャは先々週に東京芝2400mで3勝クラスを勝ちましたし、母系を見ると距離延長も問題ないのかなという気がします。

井上 ドレフォン産駒の当歳馬が上場された19年セレクトセールの時にノーザンファーム関係者にドレフォンについて聞くと、「ロードカナロア級の種牡馬としての活躍を期待している」とおっしゃっていました。実際、短距離から長めの距離まで幅広く産駒が活躍しているな、思います。

(文中敬称略、5/27公開の後編へつづく)

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