スマートフォン版へ

ダートで本領発揮、クールヴァンクル

  • 2008年04月15日(火) 23時46分
「3歳」
 コアレスチャンプ(牡 美浦・二ノ宮敬宇 父シンボリクリスエス、母フジノヤマザクラ)
 母フジノヤマザクラはクイーンC(GIII)でクビ差2着と健闘し、続く秋華賞(GI)でも7着に入った強豪。繁殖牝馬としてはまだこれといった産駒を出していないが、高い競走能力を誇ったサンデーサイレンス牝馬なので期待は大きい。「シンボリクリスエス×サンデー」の組み合わせからはサクセスブロッケン(08年ヒヤシンスS-OP)、サイレントフォース(新馬)などが出ている。芝向きの中距離タイプ。

 ニシノフラ(牝 美浦・奥平雅士 父キングヘイロー、母ニシノバンダナ)
 キングヘイロー産駒の配合は名繁殖牝馬La Troienneの血がひとつの鍵を握っている。代表産駒のカワカミプリンセスは母の父がSeattle Slewで、その母My CharmerはLa Troienneの孫にあたる「Striking=Busher 3×3」という同血クロスを持っている。本馬は2代母の父がSeattle Slewなのでカワカミプリンセスと配合構造がよく似ている。地味な血統だが楽しめそうだ。

「2歳」
 クールヴァンクル(牡 栗東・岩元市三 父ダンスインザダーク、母クールアライヴァル)
 半兄クーリンガーは言わずと知れたダートの強豪。地方競馬の交流重賞を中心に活躍し、名古屋大賞典(GIII)2連覇、マーチS(GIII)など6つの重賞を制覇した。本馬の父はダンスインザダーク。基本的には芝向きの種牡馬だが、母系にパワー型の血を入れるとインタータイヨウやマルブツトップのようなダート巧者も出る。本馬はこのタイプだろう。ダートの中距離向き。

 ダイワポイズン(牝 美浦・嶋田功 父ダイワテキサス、母ダイワリープ)
 2代母ダイワリプルスは早熟のスピード馬で、新馬−特別を連勝し、ファンタジーS(GIII)3着、クリスタルC(GIII)5着などの成績を残した。これにサンデーサイレンスを付けて誕生した母ダイワリープは不出走馬。良血なのでもし出走していればそこそこ活躍していたものと思われる。本馬の父ダイワテキサスは現役時代に中山記念(GII)など重賞5勝。種牡馬としてはまだこれといった活躍馬は出していないが、本馬はなかなかポテンシャルの高い配合なので、ローカル戦で意外な活躍をする可能性もある。

 トウショウパンサー(牡 美浦・浅野洋一郎 父イーグルカフェ、母メルヘントウショウ)
 父イーグルカフェはNHKマイルC(GI)とジャパンCダート(GI)の勝ち馬。クロフネやアドマイヤドンと同じく芝とダートの双方でGIを制覇した。今年の2歳が初年度産駒となる。どんな配合が成功するのか、実際に産駒が出てみないことにはハッキリしたことは分からないが、本馬のようにNureyevとSadler's Wellsの「4分の3同血クロス」を作るのもひとつの方法だろう。母系にMill Reefが入るのも好感が持てる。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング