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ローカルでガンガン稼ぎそう、ゼットサンサン

  • 2008年04月29日(火) 23時46分
アーリーアメリカン(牝 美浦・小笠倫弘 父El Corredor、母アメリカンマンボ)
 父El CorredorはMr.Prospector系で、現役時代にシガーマイルH(米G1・ダ8F)など4つのGレースを制覇した。種牡馬としてもAdieu、DominicanといったG1勝ち馬を送り出している。母American Mamboは不出走馬だが、2代母American Royaleは米G2を2勝。牝系にもそこそこ活躍馬がいる。5代以内にMr.Prospectorが3本と、これだけを見ればスピード一辺倒といったところだが、母の父がスタミナと底力に定評があるKingmamboなので全体的にバランスが取れている。芝・ダート兼用で、仕上がりは早い。

ガンダイオー(牡 美浦・平井雄二 父スキャン、母テンザンハルカ)
 母テンザンハルカは1勝馬。その半姉にノースサンデー(96年桜花賞-GI・3着)、半弟にマチカネアカツキ(01年ラジオたんぱ杯2歳S-GIII・2着)がいるのでポテンシャルはそこそこ高い。スキャン産駒は母系に重いスタミナ血統を持つものが大物に育つ傾向がある。本馬の母の父はトウカイテイオーなので好感が持てる。また、父系にあるNijinskyと母系にあるシンボリルドルフは相性がいい。地味な血統だが配合的に評価できる。ダート向きのマイラー。

ゼットサンサン(牡 栗東・山内研二 父Officer、母Stormy Surprise)
 父Officerは北米で9戦6勝。In Realityの流れを汲む直系で、2歳時にシャンペンS(米G1)を勝った。日本での産駒はアポロドルチェ(07年京王杯2歳S-GII)がよく知られている。完成が早く2歳戦に強い。牝系の近い世代には特に活躍馬はいないが、母の父が仕上がり早のスピード系種牡馬Mr.Greeley、所属が山内研二厩舎となれば、ローカルの早い段階からガンガン走ってきそう。

ドングリ(牡 栗東・田中章博 父スキャターザゴールド、母バーンダンス)
 母バーンダンスは未勝利馬だが、「マルゼンスキー×リアルシャダイ」という、ライスシャワーの逆配合にあたるしっかりとした血統構成で、繁殖牝馬としては京王杯2歳S(G2)を勝ったデンシャミチを出している。これにMr.Prospector系のスキャターザゴールドを付けて本馬が誕生した。「スキャターザゴールド×マルゼンスキー」という組み合わせからはトラストジュゲム(OP)が出ている。母系の奥が芝向きの血統で固められているので、芝をこなせないこともないだろうが、基本的にはダート向きだろう。マイル以上で本領を発揮する。

リディック(牡 栗東・坂口正則 父スペシャルウィーク、母キュートネスII)
 半姉クリスタルヴィオレ(父Skip Away)はクイーンC(GIII)2着馬。2代母Ganaは名種牡馬Unbridled、G1ウィナーCahill Roadの半妹にあたる良血。母系にStorm CatやMr.Prospectorといったアメリカのスピード血統を入れたスペシャルウィーク産駒は悪くなく、マイラー前後でスピードとパワーを活かしたレースをする。本馬もそうしたタイプだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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