62秒2-59秒8という実質マイル戦のような流れが味方したのは確かだろう。また、外へ外へとヨレたのが、この日の重馬場で外だけが伸びる芝を味方にしてしまったこともある。が、4歳アグネスデジタルの伸びは強烈だった。テイエムオペラオーを差したのだから文句なしのG1制覇だ。アグネスデジタルはダートも平気。前日の大レコードで勝ったクロフネも、芝もダートも問わない馬。同じ日に行われたアメリカのBCクラシックのサーキー(凱旋門賞馬)もそうだった。いま、芝もダートも問わない馬がチャンピオンの時代なのかもしれない。距離はどこでも2000m前後が選手権距離に移りつつある。としたら、チャンピオンの資格は距離万能ではなく、ダート、芝、重などのコンディションを問わないことともいえる。
2着テイエムオペラオーは、またまた得意の重。天を味方に抜け出したが、ゴール寸前に差された。衰えやかげりはなかったが、負けないオペラオーでもなくなっている。メイショウドトウは予想外のペースメーカーを務めさせられること(サイレントハンターが大出遅れ)になり、さらにはスロー。リズムを崩してしまった。ステイゴールドは、98年のオフサイドトラップの天皇賞のときと同じで直線、内ラチ沿いにササってしまった。期待したイブキガバメントはスローすぎて前半少し掛かってしまった。もう少し走れる。再度中距離で期待したい。