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ジェンティルドンナ級の能力、かつ大成功種牡馬への可能性に期待/オークス

  • 2018年05月19日(土) 18時00分


◆スタミナ能力を問われない可能性がある

 果たして、アーモンドアイは東京の2400mをこなして2冠馬となれるだろうか。マイル以下のGIを6勝もしたロードカナロア(父キングカメハメハ)の初年度産駒なので、ロードカナロアはどのくらいこなせる距離の幅がある種牡馬なのかも、問われることになる。

 アーモンドアイが、例えばジェンティルドンナのように、その母方がスピード色の濃い短距離系だったため、桜花賞を制しながらオークスでは評価を落としたが(3番人気)、そんな心配を吹き飛ばして2分23秒6のオークスレコードで独走したのと同じような傑出した牝馬ならいいのだが……。

 万能型の種牡馬キングカメハメハの産駒ロードカナロアは、成績が示すスプリンターに近いようなスピード一色の馬ではなかった可能性がある。短距離タイプを育てることで定評のある安田隆行調教師の手がけた馬なので、全19戦中の17戦が1400m以下だったが、デビュー2戦目の3歳1月、ジュニアC1600mを1分35秒1(上がり34秒7)で2着している。

 1600mに出走したのはもう一回、5歳初夏の安田記念。1分31秒5の大変な快時計(レース史上2位)で勝っている。スプリンターに近いスピード型には到底不可能な内容だった。タフなGI香港スプリントを連勝したのもあふれる底力の証明であり、2000m級も本当は平気だった可能性がある。モーリスと同じように……。

 ロードカナロアは、母がなぜか短距離型に出たため、その特徴も一応は受け継いだが、母レディブラッサムは、ダート9FのGIを2勝したサラトガデュー(父はリボー系コーモラント)と、ストームキャットの組み合わせで、短距離タイプを狙った配合ではない。

 レディブラッサムには、米の歴史的怪物セクレタリアトと、その全姉の「3×4」のクロスが生じ、たまたま片寄った特徴が出ただけで、例外かもしれないのである。

 種牡馬ロードカナロアは、初年度産駒にスピード型が多いが、これは成功種牡馬の最大特徴で、サンデーサイレンスだってそうだった(距離は保たないのではないか、とされていた)。

 アーモンドアイが、ジェンティルドンナ級の並外れた能力を秘める牝馬である可能性と、ロードカナロアが大成功する種牡馬である可能性の、両方に期待したい。おそらく流れは速くならない。スタミナ能力を問われない可能性がある。

 しかし、今年のオークスは、レコードの桜花賞組に、実はフローラSもレースレコードであり、なんと5頭も駒を進めてきた「忘れな草賞」も、最近10年で最速の時計である。人気のアーモンドアイから入るが、どうも順当という組み合わせではない気がする。

 穴馬に、叔父(母の弟)に今年の天皇賞・春を勝ったレインボーラインのいるパイオニアバイオと、トーホウジャッカルの妹トーホウアルテミスを入れたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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