競馬白書/長岡一也

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断じて敢行すれば、鬼神もこれを避く

2017年06月22日(木)12時00分

注目数:7人


◆小さなことにこだわらず、ひたすら上を見て走り続けてほしい

「断じて敢行すれば、鬼神もこれを避く」と史記にあるように、断固たる決意で必ず成功するんだという勝ち方はこうであると見せつけられたユニコーンステークスだった。ぐずぐずためらっていたのでは、あとで必ず後悔する羽目になる。やるぞという意気ごみが全てをうち払い、圧倒的な末脚で一団を丸ごとのみ込んだと表現してみたい。

 ダートの新星が登場し、これからのこの分野をリードすることになるかもしれない、いや、そうなってほしいと胸が高鳴る。

 サンライズノヴァにこれだけのものがあると、どうしても断言はできなかった。競馬はどれだけ予知できていたかが問われるのだが、多くの馬に可能性を見い出しておきたくなるから、この一頭と決断するのは困難だ。どちらかと迷ったら、どうしても分かりやすい方に気持は動いてしまうものだ。

 ただ、こうして振り返ってみると、サンライズノヴァには、看過してはならないことはあった。前走を終えてからのことだが、馬はまだ子供だがスタミナはあるという話があり、音無調教師は、じっくり乗れば確実に脚を使えると述べていたのだ。ダートはそれまで5戦して2勝だったが掲示板を外したことはなかった。ただ、自分の形で走れないための敗戦をくり返していたので、内面的なものがしっかりしてくれば、これだけ走っても不思議ではなかったのだ。

 父ゴールドアリュールの産駒と言えば、日本のダート界に大きく貢献している。このサンライズノヴァで、ユニコーンステークスの勝利は3頭目。去年のゴールドドリームは今年、フェブラリーステークスも勝っており、東京の1600米は、産駒に共通して走りやすそうだ。サンライズノヴァにも、この先の魅力は十分に感じていいのだが、期待はそこでとどめてはならない。

 ダート界で長く活躍してほしいので、交流重賞のある地方の馬場でも存在を示してと願いたい。これから、色々とチャレンジすることがあるだろうが、「小を顧みて大を忘ることなかれ」の精神で、小さなことにこだわらず、ひたすら上を見て走り続けてほしい。「成功は決意に宿る」を見てみたい。
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コラムニストプロフィール

長岡一也
長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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