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連載最終回、ディープとブエナとスダチくん

  • 2017年10月05日(木) 19時00分


 あっという間に今回、連載の最終回を迎えました。かたちをかえてニュースのコーナーで「ねぇさんのトレセン密着!」は引き継がれるのですが、週に1回というかたちは今回が最後ということで…。さみしいですが、前向きな気持ちで新たな出発に向けて頑張りたい!! そういうわけで今回はあえて、懐かしい出来事を振り返る回にしたいと思います。

 わたしがこうやって競馬サークルでやってこれているのは数々の諸先生方に可愛がっていただいたからに他なりません。関東中心に頑張っていた時代は奥平真治先生、国枝栄先生、大久保洋吉先生、尾形充弘先生、亡くなった古山良司先生や野平祐二先生など、本当にお世話になったものでした。その時代からも関西に遠征時や北海道出張時は池江泰郎先生にとにかくお世話になりました。メジロマックイーンの時代からで、池江先生は変わらず角刈りでしたがその色は真っ黒でありました。

 そんな池江先生が送り出した最高傑作はディープインパクト。ディープは結構やんちゃで、厩舎にいるときはいつも“遊んで、遊んで”とばかりにジャレてきました。担当厩務員の市川さんは心労から体調を崩されたこともありました。それでもパドックでは涼しい顔をして愛馬をエスコートする。そんな姿に胸打たれたのが昨日のことのようです。


 ディープは実に賢くて、少し離れた位置から小型のカメラを構えてもスッと自ら立ち止まってポーズを取るような馬でした。速さだけでなく、やはり賢さを兼ね備えていなければあれだけの馬にはなれないのだな、と何度も思わされた馬でもありました。

 池江泰郎厩舎ではこの連載開始後も数多くの馬たちを取り上げさせていただきましたが、ディープインパクトの弟のニュービギニングと僚馬のバトルバニヤン。この2頭の恋仲!? の取材は実に楽しく書かせていただきました(笑)!匂いに敏感なバトルバニヤンはニュービギを見てはいなないたり体をバタつかせて発情していたのです。しかも3歳時から、厩舎解散までずっと…。今でも「バトルバニヤン」を検索ワードに入れると、連想キーワードに「ニュービギニング」と表示されるんです。このようなキーワード表示をさせた犯人はわたしだったのです(苦笑)。

 そして、この連載で何度も登場していただいたのは女王ブエナビスタ(写真左)。松田博資先生にも本当によくお世話になりました。先ほどディープの写真の話を書きましたが、ブエナはもっとお高いかんじで「撮るならさっさと撮って」と言わんばかりにサッとポーズをとり、早めに切り上げさせるような雰囲気を醸し出すお馬さんでした。小柄で見栄えはしませんでしたが、実に気品があって凛としていました。



 写真は夭折してしまった妹・ジョワドヴィーヴルとのツーショット。松田師はジョワドがトレセンに入った時から体のわりに脚が細いことを気にしていましたが、結果あのようなことになってしまい…。能力がある故に起きた事故。仕方ないとはいえ、改めて4本脚で立っていないと生きられないサラブレッドの悲哀を感じさせられたものでした。

 最後にシゲルスダチについて書きますね。芦毛の中でも幼いころからずいぶん白い毛が多くて、しかもツノがある。初見から珍しい馬だな、とは思っていたんです。その後、NHKマイルでの落馬事故やそのときに担当の鈴木厩務員が駆け寄ったこと、そしてわたしがしつこいくらいにこの連載で取り上げるというかたちでアシスト? したこともあり、スダチは成績とは直結しないほどの有名馬になっていきました。最終成績は準オープンだったにもかかわらず、ファン投票ではかなりの投票を集めましたね。


 その背景には担当の鈴木さんが熱心に馬を世話したり取材に協力してくださった背景があるのだと思います。競走馬は本来、走ることでしか評価されないけれど、スダチのような生き方も評価されつつある。そう感じさせた馬でもありました。

 週の連載というかたちでは幕を閉じますが、新たにリニューアルしたニュース形式の「ねぇさんのトレセン密着!」でも、シゲルスダチのような多くのファンに愛される馬を見い出し、ご紹介していけたらと思っております。長い間ありがとうございました。今後もニュースともども、よろしくお願いいたします。

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デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

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