スマートフォン版へ

有馬記念、阪神C、ラジオNIKKEI杯2歳Sなど追い切り診断 【最終回】

  • 2013年12月19日(木) 18時00分


【栗東トラックマン情報】
◆日曜中山10R 有馬記念(GI)
・オルフェーヴル
 凱旋門賞を終えて、帰国するまでの期間にゆとりを持たせ、昨年とは違う、有馬記念を使うというローテーションを選択。それにより、馬体には余裕がある形で栗東へ帰厩することになった。
 この中間は追い切り本数入念。決して、本数不足という感じはない。ただ、2週前追い切りあたりから、迫力のない動きが目立っており、池添謙一騎手が跨った、1週前追い切りも同様。最終追い切りに関しても、1F12.9秒を要す動きに、ほとばしるような気合は感じなかった。年齢を重ねて、追い切りでは走らなくなったということで片付けられるとそれまでだが、少なくとも、これまでのGIを5勝した時の最終追い切りに共通する時計の内容ではない今回。やはり高い評価はできない。

・トーセンジョーダン
 最終追い切りでトゥザグローリーとの併せ馬に遅れた天皇賞秋が11着。相手は違ったが、きっちり併せ馬で先着したJCが3着。天皇賞秋1着時も併せ馬で先着していた点から、この馬の好不調のバローメーターは併せ馬だろう。
 今回はトゥザグローリーとの併せ馬。中井裕二騎手が跨って(レースでは内田博幸騎手が騎乗予定)、追走する形だったが、追われれば追われるほどにしっかりと伸びて先着。状態に関しては前走以上という表現をしても間違いではないだろう。

・ゴールドシップ
 デビュー以来、掲示板を外したことがなかったにも関わらず、前走は屈辱の15着。「全く走っていない」という須貝尚介調教師のコメントが物語るように、力を出せずに負けていることは確か。ただ、今回もそういった状況になる可能性は否定できない。
 そうならないためにも、陣営は工夫しての調整。最終追い切り場所はCコースになり、鞍上にはR.ムーア騎手。ブリンカーを着用して、併せ馬では、馬の間を割るような実戦的な追い切りをしたり、様々なことを試みた。その結果「馬が楽しんで走っていた」という発言をしたジョッキー。走ることに気持ちが向けば、そのパフォーマンスは昨年の有馬記念で見せた通り。やはり、今回は無視するわけにいかないだろう。

◆土曜阪神11R ラジオNIKKEI杯2歳S(GIII)
・デリッツァリモーネ
 前走後はノーザンFしがらきへ放牧に出て、帰厩したのが11月27日。この中間の追い切り本数は少ないが、これまでもこのくらいの本数で結果を出しており、その点に関しては心配ない。ただ、中間の併せ馬では2回中、2回とも遅れており、その中身が心配だった。
 最終追い切りはシーサイドバウンドと併せたが、追走して、最後はなんとか先着する動き。先週に比べると、しっかりと動けた印象もあるが、決して万全の状態を表現するほど、追い切りの動きが良かったとは思えない。

◆月曜阪神11R 阪神C(GII)
・ラトルスネーク
 前走は実績のない1200mということで、ちぐはぐになったが、それでもメンバー最速の推定上がりをマーク。着順こそ、6着、5着だが、確実に重賞で通用するスピード能力を見せている。
 この中間も元気いっぱい。坂路で15-15を含めると、10本以上の追い切りを消化。最終追い切りは単走だったが、M.バルザローナ騎手が跨って、その感触を確かめる感じ。本来なら、もっと行きたがる素振りを見せる馬だが、折り合いがついて、4F54.0〜3F39.5〜2F25.6〜1F13.1秒。5走前に4F56.2秒という遅い時計で勝っているので、今回の時計の遅さも気にする必要はない。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山10R 有馬記念(GI)
・ヴェルデグリーン
 前走の天皇賞は、順調に稽古は消化されていたが、一気の相手強化もあって試金石のレースで、どこまで通用するかを確かめる形で余裕を残した仕上げ。それでも勝ち馬からは大きく放されたものの後方からしっかり伸びて8着とメドは立てた内容。今回の調教は、1週前の水曜に終い目一杯追って5F69秒3〜上がり3F39秒3。そして日曜にはさらに攻め強化して6F83秒9〜上がり39秒6。ハードな日程でビシビシ追われ、直前は稽古駆けしない馬が押えるのに苦労する手ごたえで同格クリールパッションを圧倒。これだけ気迫を前面に出したのは初めて。3連単、3連複には是非加えておきたい。

◆土曜中山10R・中山大障害(GI)
・コスモソユーズ
 前走、名人=五十嵐騎手が手綱をとって10着と惨敗。当然のように評価は低くなるだろうが、決して力負けでなかった点を強調したい。というのも、思いのほか、位置取りが悪くなった上に、流れ自体が超スロー。そのため、折り合いに苦労してしまい、しかも勝負どころでは窮屈なポジションで行き場を失い、不完全燃焼でのゴール。能力の半分も出せていない。
 典型的なスタミナ型で、バンケットのある中山では、昨年のグランドジャンプ(GI)3着の実績もあるほど。消耗戦になれば、強い関西馬が相手でも、見せ場以上の期待をしていい。しかも水曜から木曜にかけての中山は雪も混じる予報で、得意の柔らかい馬場になる可能性も十分。人気薄だけに(鞍上も江田勇騎手にチェンジ)、馬券的妙味も大きいはずで、ここで一発があっても驚かない。

◆土曜中山12R 冬至特別(1000万下)
・ラスヴェンチュラス
 細身の牝馬だけに今週は控えぎみの調整だが、これは輸送を考慮してのもの。1週前はクラブトゥギャザー、ワンハンドカットと3頭併せを消化。馬体減りの不安がなく意欲的だし、前記2頭を全く問題にしない素軽さ。動きの良さも目だっており、好調子をキープしている。東京、新潟に実績が集中しているが、中山の新馬戦で2着したように回りの不安はなし。先行馬が多い今回は、この馬向きの流れになりそうだ。

◆日曜中山8R グッドラックH(1000万下)
・アイスフォーリス
 10月の東京戦を使った後は、ひと息入れてリフレッシュ。12月に帰厩した後は、週2本、入念な乗り込みを消化している。直前はウッドチップを69秒6〜38秒9、鞍上が手綱を動かすまでもなく、グイグイと加速してラスト1ハロンを12秒3。走る気満々で鋭さ満点の伸び脚と、久々を微塵も感じさせない内容だった。オークス3着馬にしては、物足りない現状だが、ただの早熟ではない馬。状態の良さが目立ち、久々だからこそ狙い撃ちしたい。

◆月曜中山10R クリスマスC(1600万下)
・クリールカイザー
 ステイヤーズS5着後中2週のレース間隔は多少厳しいものの、18日の最終追いきりを見る限りその反動はなさそうだ。同格のセイカフォルトナを5Fで7馬身追走から、ラスト1Fキチッと反応して1馬身先着。相手が手綱を絞ったままといえ、5F67秒9〜3F38秒3〜1F13秒3の好タイムをマークしての先着だけに好調キープは確か。前走は単騎の2番手追走で、仕方なく早め先頭に出たためマークされてしまったが、それでもOP相手に5着は地力強化の証。今回は自己条件、相性の良い中山コース、そして大崩れのない距離を考えると好勝負は必至。


■お知らせ■
当コラムは12/19をもって終了させていただきました。ご愛読いただきまして、ありがとうございました。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

美浦・栗東トレセンから有力馬の最終追い切り情報をどこよりも詳しくお届け!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング