重賞データ分析 〜総論×各論トライアングル/小林誠

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人気馬からのヒモ荒れが今年も起こる!/フローラS

2017年04月19日(水)18時00分

注目数:31人

■フローラS(G2・東京芝2000m)フルゲート18頭/登録22頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 フローラSでまずチェックしたいのが、前走で出走していたレースの「距離」である。じつは、フローラSで好走した馬のほとんどが、前走で芝1800m以上戦に出走。対照的に、前走で芝1600m以下戦に出走していた馬はトータル[1-1-2-41]で連対率4.4%、複勝率8.9%と絶不調なのだ。この組で好走しているのは、当日に4番人気以内に推された馬のみ。それ以外はすべて4着以下に終わっている。アロンザモナやキャナルストリート、ラユロットの3頭は、この時点でかなり厳しい。

 そして今度は、好調な前走芝1800m以上戦出走組に限定したデータ。前走で1番人気に推されていた馬は非常に強く、トータル[6-2-2-12]で連対率36.4%、複勝率45.5%をマークしている。この条件をクリアする登録馬は、アンネリース、ブラックスビーチ、ホウオウパフュームの3頭だけだ。

 また、枠番も重要なファクター。内枠である馬番1〜6番を引き当てた馬は[4-5-5-28]で複勝率33.3%、複勝回収率257%と、中や外に入った馬に比べて期待値が飛び抜けて高い。東京芝2000mが内枠有利であるのは周知の事実だが、その影響はフローラSにおいても、やはり大きいようである。「馬番1〜6番に入った前走芝1800m以上戦出走組」は、人気薄でも必ず押さえておきたい。

【コース総論】東京芝2000m Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気の勝率が非常に高いコース。ただし、ヒモはかなり紛れる。
★枠番の内外で信頼度に差があまり出ていないが、やはり外枠は割引!
★東京芝らしく中団からの差し優勢。最速上がり馬の好成績も目立つ。





 1コーナー奥のポケットから発走し、直後に急カーブが待ち受ける特殊な形態である、東京芝2000m。もう、コース図を見るだけで誰でも「外が不利」と想像がつく、かなりトリッキーなコースである。多頭数で行われたレースが少ないので、今回は2012年までを集計対象に。それでも、フルゲート18頭で行われたのは、たったの21レースだ。

 いかにも紛れがありそうなコース形態だが、人気馬の強さはかなりのもの。素晴らしい成績を残しているのが1番人気で、[11-2-1-7]で勝率52.4%という驚異的な信頼度を誇っている。6番人気以下で勝った馬はたったの2頭しかおらず、少なくとも1着に関しては人気サイドを信頼したほうがいいはず。ただし、2〜3着のヒモはけっこう紛れる傾向にある。7〜9番人気はもちろん、13番人気以下の超大穴を狙うのもアリか。

 次に枠番別成績だが、内外での成績差が意外なほど小さい結果となった。複勝率はほとんど横並びで、いっけん外枠不利ではないように感じてしまう。しかし、平均人気9.3に対して平均着順9.8で、枠番値はマイナス0.5という悪さ。それに微差ながら、勝率、連対率、複勝率のいずれも外がいちばん低い。やはり、外枠は不利なのである。

 最後の直線が長い東京コースだけあって、脚質は差し優勢。中団待機組の勝率は11.0%と、先行勢や後方待機組との比較で大きく抜きんでている。逃げて連対した馬が1頭もいないように、前々で流れに乗って押し切るのはかなり難しい。上がり最速馬の好成績も目立っており、末脚のキレが高いレベルで要求されるコースといえる。

【レース総論】フローラS(G2) 過去10年

・レースの要所!

★基本的には上位人気が強いが、大穴の激走も多発。ヒモ荒れを警戒。
★レースデータでは圧倒的に内枠有利。枠番値はプラス0.9と超優秀。
★コースデータよりも先行勢が踏ん張る。4角を6番手以内で回りたい。
★人気薄の取捨は騎手やローテから。中4〜8週での出走馬を狙うべき。







 レースの平均配当は、単勝658円、馬連1万1992円、3連複5万153円。単勝平均が低めであるにもかかわらず、馬連や3連複の平均はかなり高い水準となった。それもそのはずで、3番人気以内[8-5-4-13]と人気サイドの信頼度は高めなのだが、同時に13番人気以下も[0-1-3-50]と4回も馬券に絡む大活躍。人気馬か、さもなくば大穴が活躍するという、いささか極端な結果が出ている。

 枠番データはハッキリと内枠有利。勝率、連対率、複勝率のいずれも、内枠である馬番1〜6番が圧倒的な高さである。複勝回収率も187%ときわめて高く、さらに枠番値までプラス0.9と優秀なのだから、内枠の利を疑う余地なし。連対率がわずか5.5%しかない外枠に入ってしまうと、人気馬でも大きな割引が必要となる。

 また、脚質データもコースデータとはかなり異なる。というのも、4コーナーを6番手以内で回った先行勢が[5-7-5-49]と、3着以内馬の過半数を占めているのである。これは、春の東京開幕週で、非常に速い時計が出る馬場となりやすいのが要因。おそらく今週末も、先行勢はそうそう簡単には止まらないはずだ。

 次に、前走クラス別成績。こちらは簡潔にいえば「何でも来い」である。前走重賞組で健闘しているのは[3-3-1-24]のフラワーC組だけで、それ以外はイマイチな成績。ここを狙うくらいなら、いい内容で500万下を勝ち上がってきた穴馬を狙ったほうがオイシイ。前走レースの「格」を問わないレースであるのは間違いない。あとは、前走で牡馬混合戦に出走していた組が何度も大穴をあけているのをも覚えておきたい。

 最後に、7番人気以下馬に限定したデータを紹介しよう。この組で好走している馬に共通するのが「関東騎手」「乗り替わり」「中4〜8週」といった条件を満たしていること。以上の理由から、人気薄になりそうな登録馬ではキャナルストリート、ドリームマジック、ニシノアモーレ、ムーンザムーンあたりが面白いと思われる。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 開幕週のAコースで、例年かなり速い時計が出る。内&前が有利か。

・天候予測
 金曜日に降雨があるが土日は曇り〜晴れ予報。おそらく良馬場か。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ヴィクトワールピサ産駒○、ハーツクライ産駒△

 今週から開幕となる春の東京開催。過去には「とんでもない」級の高速馬場がいきなり出現したケースもある。基本的には前有利&内有利の馬場だと思われるが、エアレーションの影響がどの程度あるのかも含めて、土曜日の馬場チェックは欠かせない。先週の中山もそうだったが、想定外の出来事が起こるのが昨今の馬場事情である。

 種牡馬別では3頭をピックアップ。ディープインパクト産駒やハーツクライ産駒の強さは当然として、驚かされたのがヴィクトワールピサ産駒の強さである。勝利数こそ少ないが、連対率50.0%、複勝率62.5%、複勝回収率143%という超ド級の成績。しかも、特定の数頭によって稼ぎ出したのではなく、まんべんなく走っているのだから素晴らしい。中山に強いイメージだったが、コレで考えを改めた。アンネリースとザクイーンの2頭がどういう結果を残すか、ちょっと楽しみだ。

★出走登録馬・総論×各論

 確実に出走できるのはアロンザモナ、ディーパワンサ、フローレスマジック、ホウオウパフューム、モズカッチャンの5頭で、残りの17頭は抽選。しかも、枠番が超重要なファクターであるレースときたもんだ。現段階ではジャッジしづらい部分が多々あるが、ここは基本的に「人気馬から入ってヒモで穴を狙う」というスタンス。それがおそらく、いちばん効率がいい。

 トップ評価はホウオウパフューム。桜花賞を使わないと早々に決め、オークス一本に絞ったローテでここに臨んできた。2走前には今回と同コースで差し切り、前走は牡馬を相手に2馬身差の完勝と、高い能力を持つのは間違いない。稽古での動きや馬体写真からキッチリ仕上がっているようで、上位人気に推されそうなのもこのレースでは好材料。オークスの出走権を手にする可能性は、かなり高いと思われる。

 二番手評価にフローレスマジック。フローラSと相性の悪い「前走芝1600m以下戦」組だが、上位人気に推されるのは間違いないので、好走条件はクリア。リスグラシューやアドマイヤミヤビと僅差のレースをしてきた実績は、ここでは大威張りできるものだ。後方に置かれる馬ではないので、展開面もとくに問題なし。こちらも、いい結果が期待できそうなパターンといえる。

 三番手評価と四番手評価に、人気薄のアンネリースブラックスビーチ。どちらも抽選対象なので出走が叶うかどうかはわかりかねるが、フローラSで上位に突っ込んで来る穴馬の条件をいくつもクリアしている。未勝利勝ちからのローテでもまったく問題はなく、ここなら激走が大いに期待できるはず。ぜひ、抽選突破を願いたい。

 以下も大混戦だが、ディーパワンサ、アドマイヤローザ、レッドミラベル、ムーンザムーン、ニシノアモーレ、タガノアスワド、ヤマカツグレースという評価の序列。最終的な結論は枠番待ちだが、冒頭の「特注データ」を満たす馬であれば、ここまでに名前が挙がらなかった馬でも、当然ながら買いだ。幸運にも馬番1〜6番を引き当てるのはどの馬なのか、枠番の確定を楽しみに待ちたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




中山11レース 皐月賞(G1)
1着 11アルアイン
2着 07ペルシアンナイト
3着 10ダンビュライト

……サトノアレス最後方追走(#^ω^)ビキビキ

いやまあ、スタートが悪い馬であるのは承知の上で買っているので、仕方がないといえば仕方がない。とはいえ、このコースで最後方にいる時点で、勝ち負けにはならない可能性が大なワケで。ファンディーナの評価も含めて、反省材料が多い皐月賞でございました。ご迷惑をおかけした皆様、本当にスイマセン(陳謝)。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!
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コラムニストプロフィール

小林誠
小林誠
競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。
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