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「直結理論はこうして生まれた」―――<第4回>奥田隆一郎

  • 2017年11月13日(月) 18時00分
奥田隆一郎

“コース適性”に目をつけ、当初から自らの理論を磨いてきた奥田隆一郎氏



競走馬が持っている“コース適性”に着目


 プロの予想家として、屈指のキャリアを誇る奥田隆一郎氏。「直結理論」の提唱者として、上梓した著書は数知れず。コースをベースにした予想で、唯一無二のスタイルを築き上げてきた。
 果たして、氏の礎を築いた「直結理論」とはどういったものなのか? そして、ここに至るまでのプロセスとは? 奥田隆一郎氏を直撃し、自らの言葉で語ってもらった。
 
―――奥田さんは競馬を始めた頃、どんなスタイルで馬券を買われていたんですか?

「穴狙いが中心というのは今と変わりません。ただ、当時は枠連までしかなかったので限界がありましたね。だから、馬連が登場したときはうれしかった。それまで見たことのないような高配当が出るようになりましたから。その後はしばらく馬連主体の時代が続き、3連複が導入されれば3連複、3連単が導入されればもっぱら3連単、というように、最も高い配当が期待できる券種にシフトしていった感じですね。競馬を始めた頃に比べ、穴党にとってはいい時代になりました」

―――重視していたファクターや予想理論のようなものは? 血統や騎手、タイム理論などは誰もが通る道だとは思いますが。

「僕はあんまり、あれこれ試した経験がないんですよ。最初からコースに対する“適性”に注目していました。理由は、断然人気馬がボロ負けしたり、超人気薄が激走したり、という現象が起こる要因を考えた際、コースの個性が非常に大きく影響しているという結論にたどり着いたからです」

―――いきなり適性に目を付けたんですね。普通は騎手の上手い下手とか、血統的な得手不得手に要因を求めるものなんですが。

「競馬って、特殊な競技なんですよ。例えば人間の陸上競技だと、全世界、どの国のどのトラックも、できるだけ同じコンディションになるように設計、管理されていますよね。でも競馬の場合、わざと坂を作ったり、直線を長くしたり、というように、あえて設計を変えているわけです。これは当然、紛れを生じさせるため、要は「同じ馬にどこでも同じような走りをさせないため」ですよね。能力が高くても、適性がなければ好走できない。逆に、能力が劣っていても、適性が高ければ勝ち負けの争いに加わることができる。そこに波乱が起こるヒントが潜んでいると確信し、深く研究するようになったんです」

―――直結理論の出発点にあたる段階ですね。

「はい。最初はどの競馬場とどの競馬場の相性が良いかを調べました。そして、競馬場単位で見るやり方には限界があると感じ、距離も考慮してコース単位でデータを取るようにしました。同じ競馬場でも、距離が異なれば適性も変わりますからね」

―――まだデータベースやソフトを作る前ですよね?

「競馬を始めた当初はExcelを使っていて、手作業で打ち込んでいましたね。例えば東京芝1800mであれば、過去数年分の同コースで行われたレースの勝ち馬を列挙し、その馬が過去に好成績を挙げているコースを全部抜き出し、打ち込んでいったんです。そうすることにより、“東京芝1800mで激走するタイプに共通する過去の好走コース”がわかるようになりました」

―――その研究の成果を予想、馬券に結び付けていったと。

「そういうことですね。中山芝2000mに好走実績のある馬は、東京芝1800mでよく走る。中山芝1800mに強い馬は、同じ1800mなのに東京芝1800mがイマイチ。これがデータで証明されたので、条件に合致する馬を高く評価したり、軽視したりすることで、馬券の成績は各段にアップしました。東京芝1800mのレースを予想する際、過去に中山芝2000mで勝った実績があり、中山芝1800mの前走を凡走して人気を落としている馬。こういうのがベストのタイプ。妙味のある穴馬として積極的に狙っていくことができます」

奥田隆一郎

自らの著書を参考にしながら予想を組み立てる



予想に関するすべての原点は“コース”にあり


―――その成功体験を経て、直結理論が誕生したわけですね。

「はい。今はデータベースも、それを運用するソフトもありますので、手作業でデータを取っていた時代よりもはるかに精度は上がったと自負しています」

―――血統、展開、ラップなど、ほかのファクターはいっさい考慮しないとお聞きしています。その理由は?

「血統も展開もラップも、論じるにあたっては必ず切り口がコース単位になりますよね。最終的にコースありきになるというか…。だから僕は、あえて複雑に考えずに、コースだけを見ることにしているんです。血統などほかのファクターはチェックしていませんが、コースという大きい括りのなかにそれらの要素はすべて含まれていると考えています。そのほうが自分にとってもわかりやすいですからね。予想家として世に出るようになってからは、『コースのつながりだけを見るほうが、僕の理論のユーザーにも理解してもらいやすい』と考えるようになったので、その思いはいっそう強くなっています」

―――近5走の成績だけを見て、誰でもお手軽に予想することも可能なんですよね?

「単行本では、近5走の戦績から直結ポイントを出し、数値の順に馬券が買えるような手法を公開しています。これは、読者が競馬新聞の馬柱をチェックするだけで簡単に買い目を出せるようにするためです。これだけでも、適性を重視した予想を行うことができます。ただ、機械的に予想を行う手法にはやはり限界がありますので、僕が公開するレース前日の勝負予想では、出走馬のデビューから前走までの全成績を鑑み、直結コースの成績と直結しないコースの成績に分けて検討したうえで、予想印を打っています。最新データを駆使しつつ、長年の経験を活かして分析を行い、最終的な結論を出しているということです」

―――最新データと経験を見事に融合させた“渾身の予想”を提供されているわけですね。その際には、馬券の買い方にもこだわりがあるそうで。

「3連単フォーメーションが基本で、穴馬2頭と人気馬1頭を1列目、ヒモも含め印を回した馬を2列目、3列目に配置するようにしています。的中率と回収率のバランス、資金を枯渇させずに運用することを考え、これがベストの買い方という結論に達しました。資金をうまく回しつつ、穴の軸馬2頭が来たときにガッツリ稼ぐことが最大の目的。人気の軸馬が1着に来たときは、大きく儲けることはできませんが、次につなげることができます。仮に人気サイドでも的中させるに越したことはありませんし、2〜3着に穴馬が来たときはヒモ荒れで高配当を獲ることも可能です」

奥田隆一郎

予想の際には、単行本で発表した直結コースをもとに穴馬を見つけます。データは毎週アップデートしており、今後も最新データからなる直結コースを掲載した単行本を随時刊行。次回作は来春の競馬シーズン(2018年4月頃)に発売を予定している



自身の理論を証明した今春のGI4連勝


―――思い出されるのが、「ウマい馬券」で達成した今年の春のGI4連続的中。奥田さんの話を聞いていると、「あれはまさにプラン通りだったんだなぁ」と心から思います。

「おっしゃる通り、あの4連勝はいいサンプルになるでしょう。オークスとダービーは堅い決着でしたが、馬券はしっかり押さえていました。これはいわば“資金を回す的中”です」

―――GI4連勝だけでもすごいのに、後ろのふたつが28万馬券、7万馬券ですから、見事としか言いようがありません。

「とくに安田記念は会心でしたね。本命を打ったのは勝ったサトノアラジン。安田記念の舞台となる東京芝1600mの直結コースである、京都芝1400m外のスワンSと東京芝1400mの京王杯SCを前年に勝利していることが最大の推奨根拠でした。今年の京王杯SCは凡走していましたが、海外遠征帰りかつ重馬場だったので見直しが必要と判断。今年はモーリスのような断然の存在がおらず、ペースもこの馬向きの末脚を生かせる流れになると読んだのが正解でしたね」

―――そして宝塚記念を▲→◎→△で仕留め、見事に4連勝。最高のかたちで春競馬を締めくくりましたね。

「ありがとうございます。この結果にもまだまだ満足していないので、秋は4連勝以上を決めたいですね。今週のマイルCSからホープフルSまで完全制覇を狙いますよ」

―――期待しております。本日はありがとうございました!

奥田隆一郎

直結理論を武器に、今後も穴馬馬券を提供していく



奥田隆一郎は『ウマい馬券』で厳選した勝負レースの予想を公開中!
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