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初年度産駒がデビューする種牡馬たち(村本浩平)

  • 2018年02月13日(火) 18時00分


◆「今年はジャスタウェイで間違いないですよ!」

 2月上旬を迎えてから、胆振、日高の各スタリオンステーションでは、続々と種牡馬展示会が行われている。

 6日の安平・社台スタリオンステーションを皮切りに、7日には新冠・ビッグレッドファームと優駿スタリオンステーション。13日には新ひだか・JBBA静内種馬場、アロースタッド、レックススタッド。14日は日高・ブリーダーズ・スタリオンステーション、15日の浦河・イーストスタッドまで毎日のように開催されていく(日高・ダーレー・ジャパンスタリオンコンプレックスは12日から20日まで、オープンハウスという形での種牡馬展示を行う)。

 筆者も毎年のように、全ての種牡馬展示会に足を運んでいるが、勿論、ニュース性が高いのは、今シーズンからスタッドインした新種牡馬たちである。特に今年は、国民的スターホースとなったキタサンブラックが社台スタリオンステーションで繋養。展示の際にはオーナーの北島三郎氏、主戦を務めた武豊騎手も駆けつけたことで、例年に無い賑わいを見せていた。

 日高地区では最多となる、8頭もの新種牡馬を導入したのがアロースタッド。その中にはダービー馬ワンアンドオンリー、皐月賞馬ディーマジェスティ、高松宮記念を制したビッグアーサーといったGIホースが名を連ねている。ブリーダーズ・スタリオンステーションには、ダートGIを11勝したコパノリッキーが、優駿スタリオンステーションには、ディープインパクト産駒の未完の大器であるシルバーステートが繋養。共に多くの配合申し込みが見込まれている。

 JBBA静内種馬場にはザファクター、ダーレー・ジャパンスタリオンコンプレックスにはアメリカンペイトリオットと、共にWar Frontを父に持つ輸入種牡馬がスタッドイン。例年以上にバラエティ感溢れる新種牡馬が揃った印象もあり、好況に沸いている生産界を更に活気づけてくれてくれそうだ。

 その新種牡馬たちとはまた違った視点を注がれているのが、今シーズンに初年度産駒をデビューさせる種牡馬たちである。種牡馬展示会においても、数人の生産者から、「今年、産駒をデビューさせる種牡馬で、何かいい話を聞いていない?」と聞かれることがあった。

 ちなみに今年、初年度産駒を送り出す主立った種牡馬だが、種付け頭数順かつ、100頭以上の繁殖牝馬を集めた順に名前を挙げていくと、ジャスタウェイ(220頭)、ベルシャザール(163頭)、ダンカーク(150頭)、ケープブランコ(132頭)、グランプリボス(123頭)、トーセンジョーダン(102頭)となる。

 こう見るとジャスタウェイの種付け頭数が抜けている。今年のフレッシュサイアーはジャスタウェイであり、生産者へのオススメ種牡馬もジャスタウェイで大丈夫! と書いてこのコラムもまとめたいところなのだが、単に産駒数の問題だけでなく、種牡馬ジャスタウェイは非常に評価が高い。

 良く聞く評価の高さが「動きの軽さ」である。中期育成から集団の中でも目立った動きをしているな、と思えた馬の父がジャスタウェイだったという話や、騎乗調教に入ってからも、軒並み動きがいいとの評価を耳にする。この時期からこうした評判を聞く種牡馬の産駒に共通するのは、高いスピード能力を持ち合わせていること。しかも仕上がりも問題なく、2歳戦の早い時期から勝ち上がってくることは容易に想像が出来る。脚の向きは父、そして祖父のハーツクライの遺伝もあるのか、外向に出ていることが多いが、それで父や祖父が卓越した競走成績を残しているだけでなく、何よりも順調に来ている産駒が多いことからしても、競馬でも何ら心配は無さそうだ。

 ベルシャザールはキングカメハメハ産駒ながらも、母父にサンデーサイレンスの名前があるので、母系にサンデーサイレンスの血が広がってきた近年の生産界では、繁殖牝馬を選ぶ必要のある種牡馬。それでもこれだけの繁殖牝馬を集めたのは自身の馬体の良さ、そしてJCダートを制したように高いダート適性だけでなく、日本ダービーで3着に入着するなど、芝でも好走を見せていた万能さが後押ししたのかもしれない。実際に繋養2年目の種付け頭数は145頭、昨年も113頭と3年連続で100頭以上の繁殖牝馬を集めている。

 日本へ導入される前にアメリカで種牡馬入りしていたダンカークは、産駒が輸入馬として競馬をしているが、その競走成績にも証明されているように、ダート短距離で高い適性を示していきそうだ。近年、生産地では地方競馬でのニーズにも適しているとのことで、こうした産駒傾向の見られる種牡馬は人気が高く、ゆくゆくは「ポストサウスヴィグラス」の座をヘニーヒューズや、同じイーストスタッドで繋養されるマジェスティックウォリアーと、この分野における覇権を争う存在ともなっていきそうだ。

 ケープブランコは父がサドラーズウェルズ系のガリレオであり、また現役時に芝中長距離のGIで5勝をあげている競走成績からしても、クラシックディスタンスに適性の高い産駒が多数出てくることが見込まれる。また、グランプリボスはその競走成績だけでなく、サクラバクシンオーの後継種牡馬ということもあってか、スピード色の強い繁殖牝馬に配合されているようであり、その意味でもこの世代で最も早い勝ち名乗りは、芝1200Mのメイクデビューを勝利したグランプリボス産駒、ということも充分にあり得る。

 いずれにせよ、今年のフレッシュサイアーの本命はジャスタウェイであることは動かしようがない。今年のPOGで指名するなら、やはり、仕上がりが早く、自身が得意としたマイル適性の高そうな産駒で確実にポイントを稼ぎに行く、というのがベターだろう。今後、生産者から種牡馬に関する質問を受けた際にも、「今年はジャスタウェイで間違いないですよ!」と答えを返そうと思っている。

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