「騎手になって年男は3回目か。まあ、特に意識することはないよ、この年になると。あ、でも、おみくじは“大吉”だったなあ。ワハハ」。キャリア豊富な47歳に漂う余裕。とり年の
蛯名正義騎手=美浦・フリー=は新年早々、柔和な笑みを浮かべた。
昨年は
ディーマジェスティで
皐月賞、
マリアライトで
宝塚記念を制覇。ここ一番に見せる勝負強さは、今なおさび付いていない。「やることはいつも一緒。一生懸命、仕事をやっていればいいことがある。そういう気持ちは変わらない」。常に自身の足元を見つめ、努力した先に栄光は存在する。JRA通算2453勝は、こうした姿勢の継続によって生まれたのだ。
中山金杯には
カムフィーで参戦。3日は美浦Wで3F41秒1-13秒0と軽めだが、感触は悪くない。「もう8歳。年齢的に大きくは変わらないけど。今回は2000メートルだからチークピーシーズを着ける」。馬具を工夫し静かに勝機をうかがう。“大吉”を引き当てた年男。なにやら年始から仕事をやってのけそうである。(豊島俊介)
提供:デイリースポーツ