プリンスオヴペンザンスに騎乗して15年の
メルボルンCを制し、150年以上の歴史を誇る国民的レースにおける、史上初の女性勝利騎手となったミシェル・ペイン(31歳)が、ドーピング検査で禁止薬物を使用していたことが発覚。統括団体のレーシング・ヴィクトリアから、4週間の騎乗停止処分を課せられることが発表された。
6月20日に英国のG1・クイーンアンSで英国調教馬のカスパー
スキー(牡6)に騎乗。
ロイヤルアスコット初参戦を果たし、なおかつ、オッズ67倍の14番人気だった同馬を5着に持ってくる好騎乗を見せたばかりのペインだが、ドーピング検査は、6月11日に豪州のスワンヒルで行われた開催で騎乗した際に行われたもので、その結果が、先週になって判明したものだ。ペインから提出された尿から検出されたのは、フェン
テルミンという向精神薬で、食欲を抑制する効果があるため、肥満対策などに用いられるものだ。ペインは昨年5月に落馬して膵臓を傷めた後、医師の処方によってこの薬物を摂取していたという。豪州では過去、ヒュー・
ボーマンが03年に、
ダミアン・
オリヴァーが09年に、同じ薬物の使用が発覚したことがある。
ペインは7月21日まで、実戦のみならず調教での騎乗も認められないことになった。一方、ペインは8月12日にアスコットで行われる国際騎手戦のシャーガーCに参加することになっており、ここでは支障なく騎乗できる予定だ。
(文:合田直弘)