16日の中京競馬場。レースを終えたばかりの馬が検量室脇で水を浴びていた。その理由は、暑さ。中京競馬場の隣、名古屋市では11日連続で最高気温30℃以上の真夏日を記録している。夏の明るい日差しは子どもの頃の夏休みを思い出しワクワクさせてくれるが、全力でレースに挑む競走馬にとっては辛い環境とも言える。
最高気温34.7℃(名古屋)をマークしたこの日も、レース後に馬に水を浴びせる光景がたびたび見かけられた。
ホースを片手に
小崎憲調教師は理由をこう説明した。
「うちの厩舎では今回の中京開催から毎回やることにしています。体に熱がこもっているから、冷ましてあげないとね」
熱中症の原因は気温だけでなく、湿度や風の有無なども関係するという。無事に厩舎まで帰れるよう、こういった念のための対策が大切になってくるのだろう。
避けられぬ暑さへの対策として
JRAではこのように長いホースを検量室脇に設置する以外にも、夏季開催のパドック周回時間を若干短くしたり、装鞍所・パドック・レース前の待避所それぞれにミストやサーキュレーターを設置するなど工夫を施している。
応援するファンも、走る馬も暑い夏。一方で、かつて
小倉記念を連覇した
メイショウカイドウや
函館記念3連覇の
エリモハリアーのように夏に大活躍する馬の出現が楽しみな季節でもある。
万全の状態でレースを迎え、無事に帰路につけるよう、人も馬も熱中症対策を十分にとって競馬を楽しみたい。
(取材・文・撮影:大恵陽子)