17日14時より、競馬開催中止に関する記者会見が、
JRA六本木事務所第1会議室にて行われた。詳細は以下の通り。
▼中止に至った経緯
今週の出走予定馬約970頭のうち163頭に検査を実施したところ、29頭が陽性、うち発熱馬は1頭だった。このことから、発熱などの症状がなくてもウイルスを保有している馬がかなりいることが判明し、この馬が感染源となって拡大する恐れが出たため、本日8時の開催会議において中止を決定した。
検査を実施した163頭は、「発熱馬」「発熱馬が出た厩舎の出走予定馬」「陽性反応の馬が出た厩舎の出走予定馬」を優先して検査。残りの約800頭についても引き続き検査する。検査した163頭の内訳は、
【札幌での出走予定馬】函館で検査:32頭検査し、9頭陽性(土日出走予定馬)
【新潟での出走予定馬】美浦で検査:110頭検査し、19頭陽性(土日出走予定馬)
【小倉での出走予定馬】栗東で検査:21頭検査し、1頭陽性(土出走予定馬)
栗東は検査キットの不足で、検査頭数が少なくなってしまった。なお、現在は全頭分のキットを確保している。全てのキットを使うわけにはいかないので、今後は闇雲に検査するのではなく効率的に行いたい。
▼ウイルスに関して
?型ということは特定できている。ただ、インフルエンザは毎年少しずつ変わるため、そういう意味ではそれまでと完全に同じ?型とは言い切れないが、全くの新型ウイルスということはない。
ワクチンは、1歳時に1か月おきに2回、その後半年に1回義務付けている。
▼感染経路等
感染源、感染経路は引き続き調査中。猛暑による体力低下も、今回の感染に影響していると思われる。また、感染した馬は今後も公表しない。感染した馬は、昨日同様、各厩舎内で隔離するように調教師に指示。
▼来週以降のレースに関して
事態沈静化に向けて努力をする。主催者としては、極力開催したいという意向。日曜日の特別登録についても受け付ける方向で考えている。今週中止される
札幌記念については、振り替え時期やサマー2000シリーズとしての位置づけなどは全く決まっていない。
▼馬主への対応
「取り止め交付金」というものを出す予定。
▼旭川の
ブリーダーズGCで競走除外となった馬の帰厩について
JRA専用の馬房にいたため、公営馬との接触はない。ここも
JRAの施設とみなして、各トレセン等へ帰厩を許した。また、公営馬の感染に関する報告は
JRAは受けていない。
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メイショウサムソンに関して
(陽性反応であると認めた上で)検疫厩舎に隔離しており、調教時間も他馬とずらしていたので、感染経路は不明。また、フランスとの協議はなにも始まっていない。
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JRAの危機管理について
常に緊張感を持って仕事をしているつもりだが、危機管理の甘さが指摘されていることは、現場にもよく伝えたい。