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阪神ダートは番手で運べる馬が圧倒的有利/土曜日(9日)の傾向分析

  • 2012年06月09日(土) 19時00分
 netkeiba.com、競馬総合チャンネルのパドック予想でお馴染みの古澤秀和氏による、9日(土)の傾向分析です。明日の予想にお役立てください。

【阪神芝】
 関西地区は昨夕から未明にかけてまとまった降雨があったが、開幕週の先週は軽い高速仕様の馬場となっていたこともあって稍重までに留まった。

 外回り1600m戦の9R南港特別(3歳以上500万下)では1分34秒4と好タイム。上位馬の上がり3Fも34秒台前半でまとまっており、降雨量の割には馬場コンディションも良好な部類。内回りも先週よりは力が要るが、標準的な時計となっており「良馬場に近い稍重」という状態だったと考えたい。

 上位馬の枠順や道中で通った位置取りについては、馬場の内目や内枠勢が有利になっていた。内回りでは、逃げ・先行馬が圧倒していたし、外回りでも道中でソツなく内を回ってきた馬の好走が目立っている。

 血統的には総数の関係でサンデーサイレンス系が優勢となったものの、位置取りや枠順など展開面での傾向が強く出た一日となった。

【阪神ダート】
 雨の影響が残り、終日不良馬場でレースが行われた。

 先週の良馬場でも重馬場並の時計が出る、非常に軽い馬場状態だったが、更に雨が拍車をかける形で一層の高速化が進んだ。11R灘S(3歳以上1600万下)では、1分48秒5の相当な好タイム。また、1400mで行われた7R(3歳以上500万下・牝馬)でも1分22秒0をマークしている。

 このような馬場状態という事もあり、基本的には内枠や逃げ・先行馬が優勢。差しタイプといっても11R1着のローマンレジェンドや3着マストハブのように、芝でもある程度の好走があったような高速決着に裏付けのあるタイプでないと厳しかった。また、このレース自体前の出入りが激しく、厳しい流れとなっていた。

 逆に、1R1着のキョウワレイ(父マーベラスサンデー)や2R1着のエーティオヤブン(シーキングザダイヤ)のように、芝でそこそこに走れていた馬が、芝ダート替わりで軽い馬場に乗じて先行し、押し切るシーンも見られた。
明日は今日よりも回復するだろうが、同様に軽い質で、逃げ・先行、特に番手で競馬ができる馬が有利になりそうだ。

【東京芝】
 計16日間に渡る春の連続開催最終週を迎えた。

 朝から小雨がパラつき、3R以降は本格的に降雨の中での競馬。朝から2Rまで稍重、8R以降は重馬場発表となっている。

 終日降雨による影響を受けたこともあって、連続開催の影響で馬場の内目の痛みは隠しきれず、9R以降は大半の馬が直線で馬場の5分処より外を回る競馬となった。

 時計も朝から要していたが、芝1600mで行われた6R(3歳未勝利)では、スローペースも手伝って1分38秒7と極端に遅い決着。更に降雨の進んだ同距離10R江の島特別でも、ルルーシュが馬場の5分処より外を通って1分37秒8で逃げ切り、2着アリキメデスも馬場の直線の5分処を通って好走している。久々の荒天という事もあり、枠順に関しては馬によって内がいい場合もあるし、外目が幸いしたようなケースもあったので一概には判断できないが内枠はやや割引と考えたい。

 また、大外を回る差し馬も多数好走しており、昨今の高速馬場では後れをとっていたものの脚自体はしっかりとしたタイプが結果を残しやすい馬場。逆に切れ味を武器に好走を重ねてきたようなタイプは伸びを欠くシーンが目立った。

 このような降雨と時間を追う毎に悪化していく道悪馬場により、好走馬の血統面もサンデー系中心の先週までとは一転して大幅に変化があった。上滑りする馬場となっていた午前中から、キングカメハメハアグネスデジタルといったミスタープロスペクター系やキングヘイローが人気薄で続々と好走。午後に入ってからは、デビッドジュニアManduro(父Monsun)、バゴなどスタミナやパワーに優れた血統も活躍した。

【東京ダート】
 午前中の3Rまでが稍重、6Rが重、12Rは不良と時間の経過と共に道悪が進んだ。

 こうした天候、馬場状態ということもあり、逃げ・先行馬がなかなか止まらず、馬場の高速化も一気に進んだ。11RアハルテケS(3歳以上OP)では、バーディバーディが1分34秒4のレコードタイムで逃げ切り勝ち。2着ナムラタイタンも4角2番手の競馬で傾れ込んでいる。

 差しも届かなかった訳ではないが、基本的には内を回る先行馬が圧倒的に有利になっていた。

 血統的には、シンボリクリスエスブライアンズタイムのロベルト系や、ケイムホームプリサイスエンドサウスヴィグラスキングカメハメハアルカセットなどミスプロ系が優勢の一日。

【函館芝】
 今日から開幕の函館芝は、終日良馬場。

 全面洋芝の北海道シリーズらしく、見た目は芝がビッシリ生え揃った絶好の馬場状態でも11RのUHB杯(3歳以上1000万下)では、勝ちタイム1分48秒8を要した。

 よって、上がり3Fも全般的に要しており、道中3番手から抜け出して勝ったメイショウゾウセンが36秒5。2着マッキーバッハも道中後方待機から大外を追い上げてきたものの、上がり36秒2。3着ウインクリアビューも後方組だったが、同じく36秒2と開幕週としてはやや力の要る馬場コンディションとなっていた。

 なお、芝1200mの12R基坂特別(3歳以上500万下)では、ルリニガナが1分9秒9で逃げ切っている。

 脚質的には、主力は内目を通れる逃げ・先行馬がやはり優勢だが、やや力の要るコンディションの影響で脚が上がる馬も少なくないので、道中じっとしておいて3・4コーナーで外目を一気に捲り気味に進出してくるような競馬で上位争いに食い込んでくるケースも見られた。

 血統的にはサンデーサイレンス系が中心だったものの、1800m以上のレースではスズカマンボステイゴールドダンスインザダーク産駒で、切れ味よりも息の長い末脚を武器にしている馬が人気以上の好走を見せている。また、1200m以下のレースでは、スニッツェルクロフネ、ミスプロ系など非サンデー系の活躍も目立っていた。

【函館ダート】
 朝から良馬場発表。

 まずは時計面だが、ダート1700m戦で行われた9R(3歳以上500万下)では、1分46秒5が出ている。1000m通過61秒3という、このクラスにしてはやや速めの流れながら、道中2番手追走のカズノタイショウが早め先頭から押し切っている。ただし、上がり5Fでは64秒1と大きく要しており、全体的な傾向としてやや力の要るコンディションとなっていた。

 脚質は逃げ・先行馬が圧倒的に有利で、ダートで行われた6鞍の連対馬は全て4コーナーで5番手以内にいた馬。また、3着以内に好走した馬の大半は道中で最内や内のコース取りとなっており、基本的には内枠、または先行できる馬極端にが有利だった。

 初日に関しては血統的な偏りはこれといって見られなかったので、上位人気馬から差し引いての枠順・展開面の有利不利がの方が重要な馬場状態といえるだろう。

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