夏の越後路の名物重賞で復活。サ
マースプリントシリーズ第3戦「第15回
アイビスサマーダッシュ・GIII」(芝1000m)は2日、新潟11Rに14頭で争われ、1番人気の
ベルカント(栗東・角田)が54秒1のタイムで3度目の重賞制覇を果たした。好スタートを決めると、
M.デムーロはすぐさま外ラチ沿いのVロードを確保。持ち前のスピードを持続し、2着の9番人気
シンボリディスコに2馬身差をつけてフィニッシュした。なお、さらに鼻差の3着は4番人気の
アースソニックで、連覇を狙った2番人気の
セイコーライコウは4着に敗れた。
快速牝馬とイ
タリア出身の名手が真夏の新潟で完璧に融合した。好スタートを決めた
ベルカント。それでも、がむしゃらに攻めることなく、
M.デムーロは最後まで脚を残した。「“直千”に乗るのが楽しみだったんだ。日本はなんで少ないのかな。いいスタート、いいポジションが取れたよ」と特異コースの攻略に胸を張る。
最後まで陽気なイ
タリアンとは対照的に、角田師は安どの表情。「前走(
CBC賞)で出走取消になり、オーナーに迷惑をかけた。ホッとしている」と胸をなで下ろした。低迷からの脱却を印象付ける勝利に「重賞で活躍したころの姿が戻ってきたね」と完全復活の手応えをつかむ。
前田幸治オーナーは「サ
マースプリントシリーズを狙います。2勝すれば取れるんじゃないか」と次戦に
北九州記念(23日・小倉、芝1200m)を挙げた。名手の手綱とスピードの生きる舞台で息を吹き返した
ベルカント。夏の短距離王を目指し、猛暑の季節を自慢の速力で突っ走っていく。
提供:デイリースポーツ