今週の栗東は月曜日から雨。その後も雨が降っては曇り空、という天候なので、馬場が乾くことなく、2日の追い切りを迎えている。2日も調教中にバケツをひっくり返したような雨が降るなど、かなり追い切りに影響を与えている。
その分、朝晩は半袖では寒く感じるくらい、過ごしやすい気候になっている。夏競馬で連戦した馬にとってはちょうど今の時期に疲れが出てくるので、そのダメージが和らぐという意味ではよいだろう。
【坂路/4F51.9秒】
2日。一番時計は
アドマイヤドバイ(栗東・橋田満厩舎)の4F50.8秒。4F50秒台はこの馬1頭しかいないが、4F51秒台は10頭以上いるので、単純に時計を要する馬場という判断はできない。また、3F目、4F目に11秒台のラップをマークしている馬もいるので、時計を左右するほど雨の影響はないと考えてよい。
音無秀孝厩舎は今週の重賞に出走予定の2頭で併せ馬。
レッドラウダと
クランモンタナの併せ馬だったが、最後は一杯になる
クランモンタナを楽に交わしたのが
レッドラウダ。もともと追い切りの動きは良く見せるタイプだったが、さすがに古馬オープンと併せてこれだけの走りを見せられると評価は高くなる。時計自体は4F54.4秒と目立たないが、かなり雨が降る中で、これだけ集中して走れたのは素晴らしい。
3日。
セントウルS(9月13日・阪神芝1200m)に向けた1週前追い切りを行った
ハクサンムーン(栗東・
西園正都厩舎)。いつものように、馬場が閉まる直前に登坂。終始、力みのないフットワークが印象的な走り。
ギアチェンジしたのは、残り300m手前あたり。最後の1F標識をすぎたあたりで鞍上がアクションすると、さらに加速。時計は4F55.2〜3F39.7〜2F24.8〜1F11.7秒。ゴールを過ぎた後も落ち着き払った様子で、しっかり緩急のついた走り。追い切りを見るかぎりでは、昨年以上の仕上がりという印象を受ける。
先週の馬場差が「+0.2秒」。3日の一番時計も4F50.1秒と50秒台が出ているので、馬場状態に関しては先週とあまり変わりない。よって2日、3日とも先週と同じ『+0.2秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
2日。馬場開場時間は暗い上、激しい雨で視界が不良になるコンディションの悪さ。よって、朝一番に追い切った馬は馬場うんぬんではない要素であまり速い時計を出していない。明るくなり、雨も止んでからの追い切りでは、
ピオネロ(栗東・
松永幹夫厩舎)が6F79.1秒をマークするなど、6F80秒を切る時計を出している馬もいるので、極端に時計を要する馬場状態というわけではない。
目立った動きを見せたのは、
ローズS(9月20日・阪神芝1800m)に出走予定の
シングウィズジョイ(栗東・
友道康夫厩舎)や、
新潟記念に出走予定の
マジェスティハーツ(栗東・松永昌博厩舎)と併せ馬を行った
レントラー(栗東・松永昌博厩舎)。どちらも時計うんぬんではなく、本当に機敏な動きが目立ったという感じ。
先週の馬場差が「-0.8秒」。基準時計よりも速い馬場であることは間違いないが、全体的な時計の出方を見ると、先週よりは時計を要している印象。よって今週の馬場差は2日、3日とも『-0.6秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は前日のトレセンニュースでお伝えした
ウリウリ(栗東・
藤原英昭厩舎)を筆頭に、使用頭数はそれなりに多かった。大きな芝の塊が飛ぶシーンも目立っていたので、馬場差に関しては、2日、3日とも『+0.5秒』で記録している。
ポリトラック馬場の追い切り頭数は先週より若干多いくらい。時計の出方はいつもと変わりないので、馬場差は2日、3日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)