先々週は雪の影響を受けた栗東トレセンだが、先週、今週とかなり安定した状態。22日にかなり雨が降っているが、今週の追い切りに影響はなかったと思われる。ただ、寒さはこの時期としては標準。4日の調教開始直前も温度計は-2℃だったので、太目が残る馬には、かなり汗をかきにくい状況であることは間違いない。

【坂路/4F51.9秒】
　3日。一番時計は4F49.8秒のニシケンモノノフ(栗東・庄野靖志厩舎)。それに続いたのが、ナムラアン(栗東・福島信晴厩舎)の4F50.6秒だったが、4F50秒台は5頭もいて、かなり時計が出やすい状態。4F目が11.8秒で3日の最速をマークしたのが、庄野厩舎のギャラクシーエクスだったので、同厩舎の管理馬が速い時計を出しているというイメージが残った。

　全体時計はもちろん、後半2Fで25秒を切っても全然驚けない馬場ではあるが、さすがにアスカビレン(栗東・中尾秀正厩舎)の2F23.9秒は評価したいところ。しかも、2F目から3F目に2.0秒も加速しているので、その瞬発力は相当。勝ち馬から0.3秒差の秋華賞7着の実力は本物だろう。

　4日。この日は前半こそ少し時計を要する印象だったが、ハローが入って以降はそこまで時計を要す印象はない。エイシンヒカリの全妹、エイシンティンクル(栗東・坂口正則厩舎)が1回目のハローがあけた時間帯に併せ馬で追い切り。4F54.1〜3F39.9〜2F25.9〜1F12.7秒と時計こそ平凡だが、余力ある走りでこれからもっと動いてきそうな雰囲気を持っている。

　先週の馬場差が「-0.5秒」。今週も先週同様、速い時計が出やすい馬場状態が継続しているので、3日、4日とも『-0.4秒』の馬場差で記録している。

【CW/5F66.5秒】
　冒頭にも記したように、天候がウッドチップに与えた影響はないと思われるが、3日の追い切り騎乗者からは、状態の悪さが指摘されていたCコース。実際の時計も先週に比べると少し遅い。前半からゆっくりとしたラップであれば、最後の直線で1F12秒台前半も出ているが、少し早目のラップで飛ばしていくと、1F13秒台も珍しくない。

　3日の追い切りで動きが目立つという馬はかなり少なかったが、4日の朝一番で追い切ったヤマカツエース(栗東・池添兼雄厩舎)は連勝中の勢いを感じる走り。京都記念(2月14日・京都芝2200m)に向けた1週前追い切りだが、馬が混雑した時間帯でも平然と構えて、折り合いは全く心配ないといった感じ。

　ある程度、速いペースだったので、ラスト1Fは少し時計を要すると思われたが、1F12.1秒でまとめてきた。6F83.7秒もそれなりに速いし、追い切りを見ているかぎりは距離が延びることに対する不安はない。むしろ休み明けの多いメンバー構成を考えれば、これだけ順調に追い切りを消化できていることを評価すべきだろう。

　先週の馬場差が「-0.7秒」。詳細の原因は不明だが、全体的な時計の出方を見ると、先週よりも時計を要する馬場であることは間違いない。よって馬場差は3日、4日とも「-0.3秒」で記録している。

【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
　今週の芝馬場での追い切りは宮徹厩舎の3頭併せと加用正厩舎の2頭併せを確認。あまり速い時計の追い切りではなく、馬場に関しても目視するかぎりは特別傷んだ様子はないので、馬場差は「±0.0秒」で記録している。

　ポリトラック馬場の追い切り頭数は先週よりも少なくなり、20頭にも満たない状態。エルフィンSに出走予定のワントゥワン(栗東・藤岡健一厩舎)が、5F62.1秒とかなり速い時計をマークしているように、馬場状態に関しては、決して悪いわけではない。馬場差は3日、4日とも先週と同じ『-1.0秒』で記録している。

※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。

(取材・写真：井内利彰)