JRAは、短期免許で来日しているルイス・コントレラス騎手の騎乗停止について、2月11日午前11時から美浦トレーニングセンターで会見を開き説明を行った。
2月6日(土)に行われた騎手の薬物使用に関する検査において、コントレラス騎手から採取された検体から、禁止薬物で麻薬の一種のオキシコドンが検出された。この検査は、騎手の健康を保護して公正かつ安全な競馬を施行するために2003年4月から実施されており、年間を通じて無作為に抽選で検査が行われている。検出された検体は、競走馬理化学研究所に送って検査されるが、コントレラス騎手の検体からオキシコドンが検出されたという通知が
JRAにあったのは、10日(水)の午後7時10分だった。
検査開始以来、陽性反応が出たのは今回が初めて。禁止薬物の検出により、11日から裁定委員会の議定があるまで同騎手は騎乗停止となる。なお麻薬取締法違反に抵触する可能性もあるため、
JRAは警察に届け出ている。
オキシコドンは、口から接種されるモルヒネの約1.5倍の強い鎮痛効果があるとされる。昨年6月にトヨタ自動車の
ジュリー・ハンプ常務役員(当時)が、麻薬及取締法違反容疑で逮捕(のちに不起訴)された時の薬物も、オキシコドンだった。日本国内では、癌などの強い痛みに医師から処方されている。
今後は入手経路や何を体内に摂取していたのか、また同騎手に過失があったのかどうか等、警察の調査等や
JRAの調査等を待って裁定委員会が開かれる。なお裁定委員会の決定に対してコントレラス騎手は申し立てが可能で、同騎手が申し立てを行った場合は、その内容を聞いた上で判断が下される。
また今回の薬物陽性事案があったことで、
JRAでは全騎手を対象として、今後このようなことがないように、ドーピング検査の強化を図っていきたいとしている。
(取材・文:佐々木祥恵)