思惑通りのソフト調整だった。
ワンアンドオンリーの最終リハは栗東坂路で
スイフトアタック(3歳未勝利)と併せ馬。序盤はゆったりと運ぶと、ラストは持ったままで僚馬を引き離す。力強い脚さばきで4F53秒1-39秒1-13秒1を計時し、1馬身半の先着。脚色には余裕があり、追えばさらに突き放せたが、あえて力を“温存”した形だ。
騎乗した担当の甲斐助手は「馬なりでしたが、いい感じですね。すごくきれいな走りでした」と満足感をにじませる。
天皇賞・秋で16着に敗れて以降、実戦までに闘争心や力をため、レースで爆発させることに主眼を置いて調整してきた。橋口慎師は「先週はビッシリとやって、今週は馬なりで余力残し。予定通りだし、それでこの時計。具合は良さそう」と自然と頬が緩んだ。
3月には現在の橋口弘厩舎から息子の橋口慎厩舎に移籍し、昨年3着だった
ドバイシーマクラシックを目指す。「何であの馬が行くの?と、後ろ指を指されるようでは駄目。厳しく言えば、勝って日本を代表して行くくらいに思っている」。10戦ぶりの勝利をつかみ、人馬ともに“父子制覇”がかかる一戦に夢をつなぐ。
提供:デイリースポーツ