絶妙なさじ加減で、万全の態勢を整えた。
東海Sを制した
アスカノロマンの最終リハは栗東CWで太宰を背に単走。序盤はゆったりと入り、スムーズなコーナリングで直線へ。鞍上の
ゴーサインを合図にしっかりと首を使い、全身をバネのように弾ませた。6F83秒2-39秒6-13秒8。攻め過ぎず、軽過ぎず。大一番を前に申し分のない調整だ。
主戦は「あまりビッシリとやり過ぎるとよくない馬。ちょうどいい追い切りができたと思う」と納得の表情を浮かべる。川村師も「全てのことが予定通りに動いている。ロマンの持っている最高のパフォーマンスができると思う」と仕上がりの良さに胸を張った。
太宰はデビュー19年目の36歳。過去に01年
菊花賞の
マイネルデスポットで2着はあるが、GIのタイトルには手が届いていない。「小さいころからGIを勝ちたいと思って、そのためにやってきた。ずっとコンビを組んでいる馬で挑めるのは楽しみ」。大舞台を前に、自然と気持ちも高まっている。同馬の全6勝は自らの手綱。丁寧に紡いできた人馬の絆を武器に、一気にダート界の頂点を目指す。
提供:デイリースポーツ