戦いが近いことを察知しているのだろう。栗東坂路。
ビッグアーサーが迫力満点の気配で坂を駆け上がる。それでも序盤は燃える闘志に鍵をかけ、その時を待つ。ステッキを引き抜いたのは坂上手前だ。待ってましたと瞬時に反応すると、ラスト1Fを12秒0(4F51秒0-36秒6)でまとめた。
動きを見届けた藤岡師は「先週、時計(栗東坂路4F49秒5)を出しているから上がり重点で。体の張りが素晴らしく良くなってきましたね。文句なしの状態と言っていいでしょう」と胸を張った。
前走の
シルクロードS(5着)は、使ってきたことによる潜在的な疲れ、大外枠、馬場状況など複合的な要因が重なり、デビュー以来初めて複勝圏を外した。その結果を踏まえて
リセット。中7週というゆったりしたローテを選択してつくり直した。「間隔をあけたことがいい方に向いているように思います」と指揮官は確かな手応えを口にする。
先週は
阪神大賞典&
フラワーCの2重賞を制した福永も「左回りは良さそうですね。あくまで
チャレンジャーですが、余裕を持ったローテもプラスに働くと思います」と初コンビに意欲を隠さない。
昨秋の
スプリンターズSでは無念の除外。GI初挑戦となるが、コース適性は証明済みで、ようやく訪れたビッグチャンスだ。1年ぶりとなる桶狭間で、スピード王の称号をもぎ取ってみせる。
提供:デイリースポーツ