「NHKマイルC・G1」(8日、東京)
もう2着はいらない。
桜花賞、
天皇賞・春と鼻差の2着に泣いた池添が、
ロードクエストで雪辱Vを狙う。自身は既に牡馬3冠、牝馬3冠と制しており、ここを勝てば3歳G1完全制覇達成だ。
武豊に続く、史上2人目の快挙なるか。
惜敗のシーンが脳裏に浮かぶ。池添は
桜花賞が2センチ差、
天皇賞・春が4センチ差と、写真判定の結果、鼻差2着に敗れた。
「相当ヘコみます。
桜花賞の時もそうだったけど、今週も3、4日眠れなかった。“どうしたら良かったんやろう”って。もう少し冷静さがあれば勝てたのかなって」。
天皇賞(春)は13番人気馬を接戦に持ち込む鞍上の
ファインプレー。それでも、悔しさがこみ上げる。
気持ちを切り換え、今週は
ロードクエストとNHKマイルCに挑む。ス
プリングS、
皐月賞に続く3度目のコンビ。「
皐月賞は出していったのもあるし、力んでいた。先生と作戦を話し合って、それで負けたのだから仕方がない」と8着に敗れた前走を振り返る。近走こそ振るわないが、新馬戦、新潟2歳Sと豪快な追い込みで2連勝した逸材。「抜けて強かった。3歳G1を背負っていくと思っていたから」。当時の印象を語り、条件変わりに反撃を誓う。
舞台は新馬戦Vの府中マイルだ。「折り合いをつけてしまいを生かした方がいい。左回りのマイルは結果を出している。強い馬が出てきて、追いつかれたのか、勝って“やっぱり力がある”と思うのか。今回は真価が問われる」とうなずいた。
史上2人目となる“3歳G1完全制覇”の記録が懸かる。これまでに達成しているのは
武豊だけ。「豊さんが持っているタイトル。抜くことはできないけど、追いつくことはできる。(アメリカから)帰ってきた豊さんに“2人目ですよ”って報告できるように、ね」。尊敬する名手の背中を追い、最後のピースをつかみ取る。
提供:デイリースポーツ