土曜東京競馬の芝状態は朝から良馬場。1800メートルで行われた6Rでは7番人気の
ダンツペンダントが逃げ切ったが、他のレースでも前残りの傾向が目についた。この日の芝は6レース。勝ち馬の最終コーナーの位置取りは、レースの若い順から6、1、2、2、2、3番手で、前団にいなければ勝負にならなかった。
しかも芝で馬券に絡んだ全36頭が、直線で馬場の3分どころから内のコースを通っていた。後方から差してきた馬も内からもぐったり、外からうまく内に切り込んだりと、ジョッキーたちがインを意識しながら3着以内を確保していたのが印象的だった。
前団、インコースの条件から真っ先に浮かぶ馬は2枠4番の
メジャーエンブレムだろう。ところが怖いのは、今の芝が超高速馬場である可能性が高いところだ。
その根拠は土曜メインの
プリンシパルS。勝った
アジュールローズの時計は1分59秒2で、2010年優勝の
ルーラーシップが記録した1分59秒1のレースレコードに0秒1に迫る速いタイムだった。
ルーラーシップが
プリンシパルSを快勝した翌日のNHKマイルCでは、
ダノンシャンティが1分31秒4のレースレコードを樹立している。
ルーラーシップは4馬身差の圧勝だったが、
アジュールローズとの実力差を考えれば、今の芝は2010年並みの高速馬場と推測しても暴論ではあるまい。
今年のNHKマイルCは
メジャーエンブレムに楽をさせまいとする各ジョッキーの意識と、前有利の馬場でペースアップは必至。優勝タイムは1分31秒台へ突入し、
ストロングリターンの持つコースレコード1分31秒3に迫る時計が出るのではないか。
そこで今回は、インコースで立ち回りながらレコード決着に対応できるタフさを兼ね備えた馬をピックアップ。千八重賞で連対実績を持ち、2枠3番の好枠を引いた
アーバンキッドを推す。鞍上のボウマンは
プリンシパルSで
アジュールローズに騎乗。その時と同様、速い流れを内でこらえながら絶好のタイミングで仕掛けてくれるはずだ。(デイリースポーツ・馬場解析班)
提供:デイリースポーツ