「
ヴィクトリアマイル・G1」(15日、東京)
肩は真っすぐに前に伸び、両トモは力強くチップを蹴る。
カフェブリリアントは12日、美浦Wをのびのびと単走で駆け抜けた。序盤はゆったりと発進。直線は促されただけで4F55秒1-40秒1-12秒7を計時した。入念な上がり運動を経て、南スタンド前の広場で見せた常歩もすこぶる柔らかい。こと仕上がりだけ見れば、有力馬の一角に推されるべき素晴らしい追い切りだ。
しかし、好走への鍵は別にある。中間、陣営がずっと取り組んできたのは口向きの矯正だ。「レースとしては許容範囲でも、直線は追いづらいくらい。そこの矯正に努めてきた」と説明するのは橋本助手だ。
馬は見えないところへは踏み込みづらい。近2走は右だけチークピーシーズを装着したが、右ブリンカーで後方の視野をさらに制限することで、右方向への逃避を許さない策を取った。ハミも
トライアビットを選択し、矯正力を強めている。最終リハでびっしり追うシーンはなかったが、右ブリンカーの効果でおおむね真っすぐ走った。探ってきた解決策が実りつつある。
だからこそ、騎手の力がこの馬の好走に利いてくる。今春のG1で〈1・0・3・1〉と好成績を挙げる福永は「前走は右にササっていた。左回りに変わるのはいいと思う」と府中の舞台を歓迎した。レースのイメージと課題は東西トレセンを超えて共有。昨年5着以上の走りを見せつけたいところだ。
提供:デイリースポーツ