「ダービー・G1」(29日、東京)
抜け出していた
マカヒキへ向けて、友道師はスタンドから絶叫する。「残れ!残れ!」。最後は鼻差の激戦。「周りは勝っていると言ってくれたけど、自分では半信半疑。確定が出て、ホッとしました」。検量室前では金子オーナーと抱き合い、その後は握手攻めに。興奮で顔は真っ赤に染め上がっていた。
開業15年目でのダービー制覇。しかし、苦い過去もあった。09年
皐月賞では1番人気の
アンライバルドで12着大敗。「あの時は大雨だったし、枠も大外。運がなかった」。師は今回、あえて7年前と同じ赤色のネクタイを身に付けて観戦。デビューの時点で逸材だと思った馬のレースでは、このネクタイを締めるようにしている。「全部のレースでつけているのは、
ヴィルシーナと
マカヒキだけ」。絶対にG1馬になる大器。その見立てが正しかったことを、大一番で証明した。
登録済みの
凱旋門賞挑戦については、「斤量の差もあるからね。チャンスはあると思う」と前向き。世代の頂点を極めた素質馬がどんな道を歩んでいくのか。興味は尽きない。
提供:デイリースポーツ