「
安田記念・G1」(5日、東京)
絶対王者
モーリスはもがいていた。坂を上り切って逃げる
ロゴタイプはまだ3馬身先。懸命に追い上げるが、その差はなかなか詰まらない。2番手集団から抜け出したのがラスト1F。しかし、末脚に強力な切れ味はなかった。単勝1.7倍。勝ち馬に並ぶこともできず、昨年の
年度代表馬が1馬身1/4差の2着に敗れた。
引き揚げてきたT.
ベリーは、しばしぼう然自失。腹帯を自ら外し、検量室の方に足を向けたが焦点が定まらない。口を開いたのは
パトロールフィルムを何度か見返した後だった。
「ペースが思ったより遅くて。前に馬も置けず、少し掛かった。それでも2着。よく頑張っている」。前半3Fは35秒0の超スロー。行きたがる相棒との折り合いがなかなかつかず、その分、直線でのパフォーマンスに影響してしまった。
香港遠征から帰国後はトレセンにも外厩にも入らず、東京競馬場で着地検査を行いながら、たった1頭だけでの調整。その臨戦過程に敗因があったかどうかはともかく、15年1月の
若潮賞(1000万下)から続いていた連勝は7で止まり、G1・5勝目がお預けとなったのは事実だ。5歳の充実期をひた走るはずだった
モーリス。復権を見据えてどう立て直されるか。注目が集まる。
提供:デイリースポーツ