今週の栗東は夕方に一時的な雨が降った以外はほとんど晴れている。よって、ウッドチップにも散水が行われているような状態だが、多少の雨が降ろうと晴れようと馬場状態は安定しているというのが現状。これは追い切りを行う側としては、かなり扱いやすい状況だろう。
ただ、調教時間開始時刻が5時になり、前半と後半での気温差が歴然としてきた。朝一番は涼しいとは言えないまでも、さほど暑くないが、7時を過ぎてくると、直射日光でかなりの暑さを感じる。これは馬にとっても当然同じだし、調教を終えた後の運動をするのが9時ごろになるようだと、本当に暑くてたまらない。先週も夏バテについて記しているが、今週以降はさらに症状を見せる馬が増えてきそう。
【坂路/4F51.9秒】
6日。一番時計は
ダコール(栗東・
中竹和也厩舎)の4F50.3秒。これは同馬にとって、自己ベストを更新する時計なので、馬場状態の判断が難しいところ。ただ、4F50.7秒をマークした
ダノンリバティ(栗東・
音無秀孝厩舎)を基準にすると、この馬の自己ベストが4F49.3秒なので、決して時計が出すぎるような馬場ではないことが分かる。
自己ベストといえば、来週の
バーデンバーデンC(福島芝1200m)に格上挑戦を予定している
オウノミチ(栗東・
佐々木晶三厩舎)。担当する野口陽介調教助手が跨って、自己ベストを1秒更新する4F50.9秒をマーク。追い切り後の馬体を確認したが、全身に銭型模様が浮き出ており、数字的にも見た目的にも絶好調。「格上挑戦になりますが、福島競馬場への輸送も経験していますし、ローカルの芝1200mは最適条件。今の状態なら本当に楽しみです」と同助手。
7日。一番時計は4F49.9秒の
エフェクト(栗東・服部利之厩舎)。
プロキオンSに出走予定の
ポメグラネイト(栗東・長浜博之厩舎)が4F50.8秒という数字をマークしているが、これは同馬にとっては平均的な数字。よって、馬場状態は前日と変わらないだろう。
先週の馬場差が「-0.1秒」。雨が降っていないことを考慮すれば、もう少し時計を要しても不思議ないところだが、冒頭に記したように、今のウッドチップは多少の雨では影響を受けないのが現状。よって6日、7日とも先週と同じ『-0.1秒』で馬場差を記録している。
【CW/5F66.5秒】
6日。全体的な時計を見渡すと、極端に速い数字が出ているわけではないが、状態が良い馬に関しては、やれば自然と動けるというのが現状の馬場。
プロキオンSに出走予定の
クラリティスカイ(栗東・
友道康夫厩舎)は
NHKマイルCを勝った時に近い状態でレースを迎えることができそうなだけに、3F37.1〜1F11.7秒と素晴らしい動きを見せていた。
7日。
友道康夫厩舎の3回中京開催の後半週でデビュー予定の3頭が併せ馬。藤岡康太騎手が騎乗の
トリコロールブルーが先行し、それを
C.ルメール騎手騎乗の
アドマイヤミヤビと
福永祐一騎手騎乗の
ルタンデュボヌールが追走するという形。最後の直線ではトリコとミヤビが併せ馬のような形で、ルタンが少し遅れたが、ゴールを過ぎてからはジョッキーの肩鞭に反応して、しっかり伸びており、2コーナー付近での脚色はこの馬が一番。時計は
アドマイヤミヤビが6F85.5〜5F69.7〜4F54.2〜3F39.5〜1F11.8秒で特筆するほどではないものの、3頭とも余力ある状態でしっかり動けていた。
先週の馬場差は「-0.1秒」。全体的な時計の出方を見ると、先週よりは時計が速い印象も受ける。よって今週は6日、7日とも『-0.4秒』で馬場差を記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は松永昌博厩舎の3歳馬が追い切っただけ。馬場状態に関しては、乾いていることもあり、先週のように走りにくい印象はない。よって馬場差は6日、7日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場は6日の追い切り頭数が20頭を少し超えた程度だったが、動きが目立ったのは
藤岡健一厩舎。新馬
クルークハイトは
オレカーニバルを追走して、きっちり先着。走りやすい馬場とはいえ、速い時計と前を捕まえる能力は評価すべき点だろう。なお、馬場差は6日、7日とも『-1.0秒』で馬場差を記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)