「
ジャパンダートダービー・Jpn1」(13日、大井)
直線で鮮やかな末脚を繰り出して抜け出した4番人気の
キョウエイギアが快勝。2分5秒7の勝ちタイムで初重賞制覇を決め、3歳ダート王に輝いた。2着には逃げた3番人気の
ケイティブレイブが粘った。人気を2分した1番人気の
ゴールドドリームは3着、2番人気の
ストロングバローズは7着に敗れた。
鮮やか過ぎる大逆転劇だ。
ゴールドドリーム、
ストロングバローズの2強が後方でもがき苦しむのを尻目に、
キョウエイギアが直線で豪快に突き抜けた。
4馬身差の完勝に、初コンビの戸崎圭も満足そうにうなずいた。「返し馬からいい雰囲気だった。道中もずっと手応えが良く、いつでも抜け出せる感じだった」と会心の騎乗を振り返る。自身は目下JRAで2週連続重賞制覇と絶好調。古巣の大井競馬でも存在感をアピールした。
管理する矢作師にとっても忘れられないVとなった。父が元・大井競馬の調教師。以前から「大井でG1を獲りたい」と話していたが、開業から12年目でようやく現実に。「ここが目標だったし、スタッフが一丸となって仕上げてくれました」とうっすら涙ぐむ。
その涙には、もうひとつの理由があった。現在、同師は前立腺がんを患っており、21日に手術することになっている。現在JRAのリーディングを独走中。「スタッフが“留守の間もリーディングを守る”と言ってくれたし、きょうは馬からも勇気をもらいました」とさらに涙がこぼれた。まさに負けられない一戦。厩舎一丸となっての頂点奪取だった。
提供:デイリースポーツ