「
毎日王冠・G2」(9日、東京)
後方を追走した1番人気の
ルージュバックが、直線で
アンビシャスとの息詰まるマッチレースを首差抑え、前走の
エプソムCに続く連勝で3つ目のタイトルを奪取。
天皇賞・秋(30日・東京)の優先出走権をゲットした。牝馬が
毎日王冠を制したのは93年
シンコウラブリイ以来、23年ぶりとなった。
4カ月ぶりも問題なかった。紅一点の
ルージュバックが牡馬勢を蹴散らし、見事に重賞2連勝を決めた。
雨上がりのターフを予想通り
マイネルミラノが逃げる展開。道中は後方2番手で末脚を温存。前半の5F通過が60秒3という落ち着いた流れにも動じることはなかった。「位置取りは気にしていなかった。この馬に合っている競馬をしようと思っていたし、末脚を信じて乗りました」と戸崎圭は振り返る。
直線で馬場のいい外めに持ち出すと、ひとつ前に位置していた
アンビシャスと一緒にスパート。内でもがく先行勢をひとまとめにかわし去ると、ラスト200メートル過ぎからはマッチレース。しかし一度も相手を前に出すことなく首差振り切った。着差以上の完勝劇に、「この馬のいいところを引き出せましたね」と主戦は胸を張った。
秋初戦。調整過程は万全ではなかった。最終追い切りでも反応の鈍さが明らかだった。「休み明けだったし、大事に、とだけ言って送り出した」と大竹師は打ち明ける。「余計なところに力が入っていなかったし、トレセンよりいい雰囲気で落ち着いていたのにはホッとした」と安堵の笑みが浮かんだ。
待望のG1タイトルへ。次走は
天皇賞・秋か
エリザベス女王杯が有力だ。「馬場が渋っていた分、ダメージの確認が必要。馬の状態次第」と明言は避けたが、「これで次が楽しみになりました」とうなずいた。それに応えるように、主戦も「きょうは久々の分もあった。叩いて良くなる」ときっぱり。いよいよ悲願成就の時が現実味を帯びてきた。
提供:デイリースポーツ