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シュヴァルグランに騎乗予定の
福永祐一騎手
――前走の
アルゼンチン共和国杯を振り返ってください。
福永 プランとしては中2週で
ジャパンカップを控えているレースだったので、初輸送、58キロという重いハンデ、休み明け、人気を背負う中でのレースということでひじょうに難しいレースではあったんですけども。ひじょうにいい内容のレースをしてくれたと思いますし、結果、何よりもレースを使った後のダメージも少なかったということで最高のかたちでレースを終えることができました。
――初の左回りもクリアできましたね?
福永 まぁ、そこはね。右回りのときも操作性の高い馬ですし、乗りやすいですし。へんな癖のある馬ではないのでそんなに心配はしていなかったです。
――前々走の
宝塚記念はいかがでしたか?
福永 状態面だけを考えれば
天皇賞(春)のときが最高だったので、そのときまでには至らなかったんですけども。悪くないコンディションの中での出走でしたが、とりたいポジションを取れなかったというのもありますけど、まだ力不足を感じる面はありました。長い距離については豊富なスタミナを持っている馬ですから、その舞台であれば天皇賞で実際に結果を出しているようやれるんじゃないか、ということは思いました。
――昨年、秋ごろからの充実ぶりが目立ちます。それ以前とそれ以降で変わった部分はありますか?
福永 馬のかたちはずいぶん変わったと思います。幅が出ましたし、やっぱり若いときに無理しなかった分、順調に成長してくれているんだと思います。
――そして、今日のCWでの最終調整。先生からの指示は?
福永 先行馬を追いかけて、最後は同時にゴールという指示でした。タイム的には予定どおりでした。息の入りも悪くなかったです。疲れは感じませんでした。動きは(もともと)いいほうでないので、今回も相変わらずなんですけども。順調に調教を消化できているというのはこの馬にとっては重要なことです。本当にいい状態かどうかは、返し馬に行ってみないとわからないんです。調教で動かないのでわかりにくくて。1本目の返し馬での感触を今から楽しみにしています。
――東京の2400という舞台は?
福永 枠が出てから具体的なことを決めていこうと思っていますが、相手が相手なので(メンバーが)本当のGIホースばかりなのでこれまでのようにはいかないと思いますが。切れ味という点では他に優れたメンバーがいますし、操作性の高さと豊富なスタミナを生かしたレースができればと考えています。
――速い流れへの対応はどうでしょうか?
福永 どうですかねぇ。…今回も速くならないんじゃないですか、わからないけど(笑)。
――レースを見ているとどんな流れにも対応できるように見えますが?
福永 そうですね。そのあたりはこの馬の強みだと思いますし、たまにスタートに難のあるところがありましたけどその点も解消されてきましたので。前走なんかね、スタートからの二の脚など今までにないくらいスムーズでしたし。徐々に力をつけているというのがいろんなところに表れていると思います。スムーズにリズムに乗って、この馬のリズムでいいポジションで競馬できればと思います。
――最後に抱負を
福永 まだGIのタイトルは持っていない馬ですが、順調に成長してGIIをとりました。前走後の過程は順調なようなので、相手はさらにホント強くなりますけど、
チャレンジャーとして思い切ってぶつかってみたいと思います。よろしくお願いします。
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シュヴァルグランを管理する
友道康夫調教師
――前走の
アルゼンチン共和国杯を振り返ってください。
友道 休み明け、トップハンデ、初めての輸送、左回りと初めてのことだらけだったんですが。心配していたよりも内容がよくて、やっぱり力がついているな、と改めて実感しました。
――秋緒戦の内容としては?
友道 次につながる競馬だと思いました。ジョッキーがうまく乗ってくれて100点満点だったと思います。
――中2週、この中間の調整課程は?
友道 (前走からの)間隔がなかったので疲れを残さない程度にしました。先週は15-15、今日は併せ馬をやったんですが、最後反応を見てもらう程度で軽めの調整にとどめました。
――2週続けて軽めの調整とのことですが、現時点の状態は?
友道 時計的には(調教は)軽めなんですが、もともとこの馬は動くタイプではないので、この馬にとってはいい負荷がかかったと思います。前走と間隔もありませんし、この馬にとっていい調整ができたと思います。
――以前と比べて何が変わったのか教えてください。
友道 体のつくりは結構幅がでてきました。いつも乗っている助手の話では、歩いている様子にも力強さが出てきました。体幹も鍛えられて、体自体がしっかりしてきたと思います。
――本格化とみていいでしょうか?
友道 昨年のいまごろから成績も安定しています。ひと夏越してこの秋、北海道から戻ってきてもさらによくなっているかんじです。
――今回はどのくらいの体で出走する見込みですか?
友道 若干減って、マイナス1桁くらいで出れるのでは?と思います。
――GIにむけていい手ごたえはいかがですか?
友道 前走のダメージもそんなに残っていませんし、この2週間もいい調教ができたと思います。本当にいい雰囲気で出走できると思います。
――ここ数戦、ゆったりとした流れのレースが続いていますが、今回はメンバーからも流れは変わると思われますが、その点はいかがですか?
友道 速い流れでも対応できる脚は持っていると思います。何より乗っていて操縦しやすい。ムキになるなど難しいところもないでしょう。
――JCを勝つためのポイントは?
友道 そうですね…。馬の調整はよくできているので、これで負けたら勝った馬が強いんだな、と思います。競馬の展開や、僕らが計り知れないところがあれば作用すると思うんですが…。あとはいいんじゃないでしょうか。
――厩舎馴染みの血統ですね?
友道 この血統無くしてうちの厩舎はない、というほどの血統です。牡馬でGIをとらせてあげたいと思っています。オーナーもまだ牡馬のGIをとっていないので、なんとかオーナーに牡馬GIを獲っていただきたいと思います。
――最後にひとこと
友道 今回がいちばんよく仕上がってきているので、この大一番でどれだけ走ってくれるのか、僕も、厩舎スタッフもワクワクしている状況です。
(取材・写真:花岡 貴子)