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【有馬記念】福永、落馬骨折から復帰 超回復で調教騎乗再開!いざ有馬へ

デイリースポーツ
  • 2016年12月21日(水) 06時00分
 「有馬記念・G1」(25日、中山)

 暮れの大一番を前に“超回復”でスピード復帰を果たす。3日の阪神競馬で落馬し、右鎖骨を骨折した福永祐一騎手(40)=栗東・フリー=が20日、調教騎乗を再開した。肩慣らしとばかりに、元気な2歳馬を造作もなく御すなど問題なしをアピール。シュヴァルグランと臨む暮れの一番に向けてムードは高まってきた。サポートしてくれた周囲への感謝を胸に、グランプリ初制覇を狙う。

 以前と変わらない姿が、そこにあった。午前9時半の栗東トレセン。今週デビューのエオヒップス(牡2歳、栗東・中村)の背に、福永はいた。今月3日のレース中に落馬し、右鎖骨を骨折。馬に乗るのは17日ぶりだったが、1角手前まで首を上下に激しく振り、行きたがるパートナーを難なく制御。持ち味である当たりの柔らかいフォームで6F81秒6(栗東CW)の好時計を引き出した。

 調教後は、主治医である下鴨病院(京都市)の森医師とともに患部を上下動させて確認。「問題なかったね。結構パワーのある馬で、自分にもいい稽古になった。人馬ともこれなら、と確信が持てる内容。正味、(負傷離脱して)2週間ちょっとやけど、やっぱりここがホーム。帰ってきたという感じがするね」とユーイチスマイルも復活だ。

 自身も信じられない“超回復”だった。右鎖骨を骨折した当時は「乗るだけの状態で復帰しても迷惑。後遺症も残したくない。ひと月は休養かな」と覚悟。ところが、主治医に相談すると、年内復帰も可能と告げられた。プレートで患部を固定する手術を受け、以降は毎朝2時間の電気治療に1時間の水素吸引、トレーニングに酸素カプセル、超音波治療と、やれることは全てやった。

 翠夫人はカルシウムやビタミンCなどを含む化骨を促すメニューを研究。料理の面から支え、この日も「気をつけて」と送り出してくれた。シュヴァルグランの大魔神・佐々木主浩オーナー(48)も“復帰できるなら祐一で”と言ってくれた。「そうやって思ってくれている人の期待を裏切らないよう、万全の状態でと考えていた」。身の引き締まる思いだった。

 昨秋も落馬負傷で長期離脱。今年の復帰後重賞初制覇はシュヴァルグラン阪神大賞典だった。「そういう縁もあるしね。馬は今回で休みだし、目イチの仕上げだと思う。今年はケガに始まり、ケガに終わると思ったけど、いい感じで回復できたし、いい締めくくりにできれば」。懸命の騎乗で、支えてくれた周囲に恩返しの勝利を届ける。

提供:デイリースポーツ

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